【ドラマ】チェルノブイリは日本人必見!感想とネタバレ

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演技、演出、脚本のクオリティーが高く、最初から最後までゾクゾクすしっぱなしのドラマ。全5エピソードからなるミニシリーズで短くまとまっているので1日、2日で最後まで見れちゃいます。74点(100点満点)

ドラマ・チェルノブイリのあらすじ

Chernobyl (2019) | Official Trailer | HBO

核物理学者ヴァレリー・レガソフはチェルノブイリの原発事故の責任を感じて、遺言をテープに残し、自ら命を絶った。

その2年前にソビエト連邦下にあったウクライナのプリピャチにあるチェルノブイリ原子力発電所で事故は起こった。

原子力発電所の炉心が突然爆発したのだ。そのとき作業員は非常用発電系統の実験を行っていたが、あろうことか知識と経験不足の人間ばかりが現場についていた。そして現場監督の判断と操作ミスによって4号炉は制御不能に陥ってしまったのだ。

事故発生直後、現場責任者や政府関係者が集まり、会議が行われたが、事の重大さに気づいていた者はほとんどいなかった。それどころか自分の責任を免れるためにそれぞれが事態を過小評価し、隠蔽に走った。

そんな中、連絡を受けた核物理学者ヴァレリー・レガソフだけはすぐに異常事態であることを知って立ち上がった。

ゴルバチョフ大統領との会議ではほかの出席者は事態は収束に向かっていると話したのに対し、彼だけは異議を唱えた。

ヴァレリー・レガソフは自分の意見の正当性を確かめるためにソ連閣僚会議の副議長でありエネルギー部門の責任者に任命されたボリス・シチェルビナと一緒に現場に送られる。ところがそこで見た光景は想像を絶するものだった。

ドラマ・チェルノブイリのキャスト

  • ジャレッド・ハリス
  • ステラン・スカルスガルド
  • エミリー・ワトソン
  • ポール・リッター
  • コン・オニール
  • デヴィッド・デンシック
  • アダム・ナガイティス

ドラマ・チェルノブイリの感想と評価

「ブレイキング・バッド」で知られるヨハン・レンク監督による、チェルノブイリ原子力発電所事故を基にした、衝撃の実録ドラマ。

人類史上最悪の原子力発電所事故をサスペンス風につづったダークで恐ろしい物語で、原発事故を身近で体験している日本人にとっても決して人ごとではないはずです。

お化けやモンスターは登場しないけど、捉え方によってはホラー映画といってもいいかもしれませんね。

事故といえど、実態は人間のエゴと当時のソ連の官僚体質が巻き起こした、ホラーそのもので、様々な要素が組み合わさって、起こるべきして起こった事故という印象を受けました。

市民の命を守るよりも、真っ先に保身に走る権力者たちのあまりにも無慈悲で、身勝手な行動に人間の恐ろしさを感じました。

当時のソ連は政治権力によって全てが動かされているだけに上司の命令は絶対で、また必要以上のことは何も聞かされない、知らされないという隠蔽体質の下で国が成り立っているため、誰かが正しいことをしようとしても無能な上司の一存で間違った方向に事が進むのが当たり前のようでした。

そのためチェルノブイリ原子力発電所事故が起きても、自分の責任を問われたり、国際問題などの大ごとにしたくない上層部たちは大した事故ではないと口を揃え、下の者たちはそれを信じる、あるいは信じていなくても反論できない権力構造ができあがっていたようです。

そんな中で自分の命をかけてでも事態の収束に向かった人たちが大勢いた、というのが唯一の救いですね。

被害の拡大を抑えるために作業員たちが放射線まみれの発電所にまでヘリコプターで飛び、火災の鎮火のために砂を巻いたり、放射性物質を多く含んだ水中に潜水し、手動でバルブを開栓したり、といった自殺行為をしていたのは知りませんでした。

中にはその危険性を知らないまま、大した防御服も着ないまま作業にあたっていた人たちもいたようで、そのうちの多くの人たちが後に亡くなっています。

思えば福島の原子力発電所事故でも多くの人たちが収束作業のために危険な現場に送られ、被ばくしているわけですよね。

でも実際どれだけの人々が病気になったとか、死亡したとか詳しいことは闇に包まれたままだし、事故がどれだけ深刻だったかを国民に隠蔽している点においても、結局のところ日本のやり方も1980年当時のソ連と何ら変わりがないんですよね。

問題が起きたときに情報をオープンにしない社会の陰湿さや不健康さといったらなく、発端をたどっていくと結局のところ責任は国にある、という結論に達するのがこのドラマの流れでした。それもまた日本の構図と似てるなぁ、と思ってぞっとしましたね。

エピソード1から5にかけてノンストップで続く緊張感はすごかったです。それも放射線という目に見えないものを恐怖として表現しているので、製作側としてはかなり困難だったのではないかと想像します。状況描写だけであれだけの絶望感を演出できるのはすごい技術ですね。

それを後押ししているのはキャストたちの演技でしょう。それぞれの俳優が上手いし、いい味を出しています。

一つ悔やまれるのは、ソ連人たちが英語で喋ってることですかね。これがネットフリックス製作だったら間違いなく、英語ではなく、ウクライナ語やロシア語になっていたでしょうね。

でもHBO製作なので、かなりアメリカナイズされていて、もちろんストーリーにもフィクションの要素が大分足されているかと思います。

物語の最後には実話ものにありがちな本人の写真が流れ、その後登場人物たちがどうなったかをテロップで解説するようになっていました。

ちなみに事故を起こした現場責任者たちはかなり軽い刑で済んだようです。それもその後原子力発電所の仕事に復帰したというから、なんとも恐ろしい話ですね。

コメント

  1. mebon より:

    この映画は面白いだろうと思うのですが、福島では(請負偽装?などの問題はあったものの)旧ソ連や北朝鮮レベルの被ばくを伴う作業は全くしてないし、国は情報開示をきちんとしていると思います。むしろ非科学的な流言飛語が現実を歪めていると思います。
    ただ私はおそらく少数派で、科学云々より怖いものは怖いんだという感覚の方がメジャーで、それが人間として正しい反応だとは思いますが。
    むかし超映画批評で原発批判映画を異常に推していて、政治的なメッセージに辟易して見なくなりました。くらべてすみません