2019年アカデミー賞デンマーク代表作品。新人監督による、アイデアと脚本だけで勝負している新感覚スリラーです。52点(100点満点)
The Guilty/ギルティのあらすじ
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。
そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は電話だけ。車の発射音、女性の怯える声、犯人の気遣い。微かに聞こえる音だけを手掛かりに、見えない事件を解決することはできるのかー
公式サイトより
THE GUILTY/ギルティのキャスト
- ヤコブ・セーダーグレン
- オマール・シャガウィー
- イェシカ・ディナウエ
- ヨハン・オルセン
The Guilty/ギルティの感想
全シーンがコールセンターのみで撮影されているグスタフ・モーラー監督によるアイデア重視のスリラー。
サンダンス国際映画祭で評価されたデンマーク映画で、会話だけで起承転結をまとめた、好き嫌いの別れる映画です。言い換えると、見ても見なくてもいい映画です。
以前「オン・ザ・ハイウェイ」という車内からの電話だけでストーリーが展開していく映画もありましたが、それに近いものがあります。
あるいは緊急通報指令室から事件を解決していくという点においては「ザ・コール [緊急通報指令室]」を彷彿させるものがありました。
低予算で作ってるし、ストーリーはシンプルだし、ラストにサプライズもあるし、優れたアイデアではあることはまず間違いないでしょう。主人公の俳優をはじめ、電話の向こう側で声だけで演技をしている俳優たちも貢献しています。
しかし絵的に見ていて楽しいかと言われると、いかんせんコールセンターの無機質な映像と主人公のおっさんの顔しか流れないので、さすがに途中で飽きてきますね。
状況は十分に伝わるし、それなりに緊張感はあるけど、やっぱりどうしても現場の絵が欲しくなりました。製作側の意図するところを考えるとそれを言っちゃあお終いなんですが。
上映時間が85分と短めで、この手の映画は長いと視聴者の集中力がもたないことをちゃんと監督は理解してました。その点では助かったかな。
会話だけで話が進んでいく映画も嫌いじゃないんですよ。でもサスペンスやスリラーとなると、ほぼ誰かが読み上げた推理小説を聞いてるみたいな感じになりますよね。それならアマゾンオーディブル聞いてるほうがいいかな。
それはそれでありっちゃありだし、結局面白ければいいんだけど、でもどこかに映画なんだから映像でも楽しませてよっていうのが僕の中にはありますね。
この先、グスタフ・モーラー監督がずっと一つのロケーションでしか映画を撮りませんっていうんだったらちょっと応援してみたい気もするけど、案外普通に撮るとつまらなかったりするからなぁ。果たして次回作は全く違うスタイルで行くのかどうか。
この映画の場合、コールセンターのあの狭い限られたスペースでどうやったら映像的に楽しませることができるんだろうと考えると、しかし難しいところですね。
やっぱり巨乳の警察官に電話を取らせて、胸をデスクの上に乗せながら真剣な顔で話してもらうしかないんじゃないかなぁ。それだけでかなりの数の男は喜ぶはずだから。まあ、それをした途端、話が安っぽくなることは不可避だろうけど。
コメント
初めまして、こんにちは。
結末はどうなり、犯人は誰で捕まったんですか?