スポンサーリンク

映画デトロイトはリアルで歯がゆい人種差別ドラマ!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約5 分で読めます。


リアルな演出と最高のパフォーマンスが見られる社会派人種差別ドラマ。なにからなにまでレベルが高い作品です。74点(100点満点)

スポンサーリンク

映画デトロイトのあらすじ

1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

シネマトゥデイより

映画デトロイトの感想

ハート・ロッカー」、「ゼロ・ダーク・サーティ」などで知られるキャスリン・ビグロー監督による、実話を基にした暴動>拷問>裁判ドラマ。

デトロイトの町が炎に包まれ、人々が大混乱に陥ったとき、警察官がスナイパーと間違えて一般市民を拘束し、殺害してしまった事件をリアルに描いていきます。

時は1967年。当時のアメリカでは人種差別が根強く、不当な扱いを受けていた黒人たちには強い不満が募っていました。そんなときデトロイト警察は、無許可で営業していた酒場にがさ入れを敢行します。

その場にいた人々をまとめて連行した警察に対し、その光景を目撃した市民が逆上。警察に向かって投石し、店に火をつけるなどして怒りを爆発させます。

ちょうどその頃、コンサート会場では黒人によるヴォーカルグループ、ザ・ドラマティックスのライブ・パフォーマンスが行われようとしていました。しかし直前になって暴動の影響を受け、コンサートは中止に。

メンバーたちもパニック状態に陥っていた街をさ迷いながら、それぞれ別々に命からがら帰っていきます。ボーカルのラリー・リードと友人であるフレド・テンプルはなんとか無事モーテルにたどり着きますが、そこで居合わせた宿泊客が遠くにいる警察の集団に向かって、ほんのいたずらの気持ちで玩具の火薬銃を発砲します。

ところがこれをスナイパーによる攻撃だと考えた警察は部隊を引き連れてモーテルに突入してきます。そしてその場にいた宿泊客たちを容疑者として次々と拷問にかけていく、、、というのが筋書きです。

とにかくリアリティーが半端なく、見ていてハラハラしました。当時の町並みや暴動の様子がものすごく上手く表現できていて、作り物感がほとんど出ていなかったです。どうやって撮影したんだろう。

物語は大きく分けて3つ。前半は暴動の勃発。中盤は発砲事件を受けた警察による執拗な犯人探し。そして後半は裁判とボーカル・ラリー・リードのその後です。

メインは中盤部分で、上映時間の大部分が意地悪警官による、黒人たちのしつこ過ぎる苛めシーンに割かれています。特にドS警官のフィリップ・クラウスの性格の悪さが尋常じゃなく、黒人を撃ち殺しては自分でナイフを現場に置いて正当防衛をでっち上げようとしたり、後先を考えずにその後自分に降りかかってくるであろう責任や罪について全く想像できていない馬鹿さ加減には絶句しました。

あそこまで行くと、差別主義者を通り越した、ただの精神異常者ですね。そんなフィリップ・クラウスを演じたのはウィル・ポールター。「メイズ・ランナー」でも悪役をやっていましたが、特徴的な顔つきもあってか、はまりますね。2018年のアカデミー賞はもう彼にあげていいんじゃないかな。

眉毛がへの字にひん曲がってるのが印象的で、一見ひょろっとした若造にしか見えない、この男が物語が進むにつれてどんどん悪い顔になっていきます。それにしてもすごい演技でしたね。彼の映画といっても過言ではないでしょう。

他の俳優たちもみんな上手いです。拷問にかけられている被害者を演じた俳優、女優の全員が迫真の演技をしていました。レベル高いなぁ。

スターウォーズ・フォースの覚醒」に出てるジョン・ボイエガもちゃんと演技できるからね。さすが厳しいオーディションを勝ち上がってきただけありますね。

モーテルの事件では3人の黒人青年が殺され、デトロイトの暴動全体では合計で40人以上が命を落としたそうです。たとえこうした事件が起きても警察は無罪放免になり、黒人コミュニティーの間ではアメリカ社会に対して、さらに強い不信感と怒りが募っていきます。

当時に比べると法律や状況がだいぶ改善されたとはいえ、現在になってもアメリカでは同様の事件が起き、それに怒った黒人が暴動を起こし、白人警察が罪を逃れる、という構図は変わっていませんよね。

劇中では説明がありませんでしたが、事件の現場となったモーテルはデトロイトでは知る人ぞ知る犯罪の温床で、普段から麻薬や売春の巣として警察に認識されていたそうです。

そういった背景に人種差別主義者の警官が事件の指揮を執ったことが最悪の事態を招いたとも考えられそうです。もっと有能な警官が担当していたら、結果も違っていたかもしれません。

いずれにしてもあんな緊迫した状況で間違っても警察に向かって、いたずらなんてしちゃだめですよね。本人がそれによって警察に撃たれたら自業自得で終わるけど、他の人たちも巻き込んでるからね。

たまにユーチューバーでもテロリストに扮した、いたずらをする奴いるけど、あれいつ殺されてもおかしくないからね。命に代えても笑いが取りたいならやればいいけど、そうじゃなければ良い子は絶対に真似しちゃダメだよ。

コメント