夜空はいつでも最高密度の青色だ

日本でトップレベルの寒い会話を聞いてみたい、という人が見るべき映画で、暗くて、ネガティブで、登場人物をあざ笑う以外なにも面白いところがない作品です。10点(100点満点)

映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」のあらすじ

2017年東京。看護師の美香(石橋静河)は病院に勤める傍ら夜はガールズバーで働き、漠然とした不安や孤独の中で日々過ごしていた。一方、工事現場での日雇い仕事に従事する慎二(池松壮亮)は、常に死の気配を感じながらも何とか希望を見いだそうとしていた。排他的な都会で生きづらさを抱えつつも、懸命に生きるすべを模索する二人が出会い……。

シネマトゥデイより

映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」の感想

舟を編む」、「川の底からこんにちは」、「ハラがコレなんで」などで知られる石井裕也監督のセリフが恥ずかしすぎる恋愛ドラマ。

系統でいうと、「トゥ・ザ・ワンダー」や「ツリー・オブ・ライフ」と同列です。つまり、さっきからお前何言ってるの?映画です。

最果タヒの詩集を基にしているだけにセリフがポエム調かつ女性的で、誰もこんなこと言わねえよっていう会話に埋め尽くされています。

小説とか読み始めたばかりでしかも意味深で響きのいい言葉に惹かれる、夢の世界をさまよっている女子高生にはいいかもしれませんが、現実を生きている大人が見る代物じゃないですね。

物語は、大都会東京に馴染めず孤独を感じて、生きづらそうにしている若者男女が知り合い、喧嘩したり、仲直りしたりする話です。

東京で生きる人々の寂しさとか、虚無感とかをなんとか頑張って映し出そうとしているのは分かるんですが、都会で住んでいる人々はみんな不幸だみたいな田舎者の偏見のフィルターが最初から最後までかかりっぱなしで、幸せそうな人が一人も出てこないから笑えます。

全体的に演出がしつこく、何回同じ曲流すんだよっていうぐらいテーマソングをリピートします。一回でいいから。

登場人物たちにはリアリティーがなく、こんな奴いねえよっていう人しか出てきません。特に主人公の男女を演じた池松壮亮と石橋静河はキャラクターと演技がダメダメでした。

池松壮亮扮する慎二のキャラクターはあれなんなんですか? コミュニケーション障害? 自閉症?いずれにしてもわざとらしすぎる演技がひどいね。

どんなキャラクターを演じようとしているのかが伝わってこないし、性格や特徴に統一性がなく、精一杯無理してるのが出ちゃっていて、演技の幅の狭さがバレましたね。

それにしてもなんで最近の邦画の主役って池松壮亮と菅田将暉のどっちなんですか。二択しかないの?

ヒロイン美香のうざさもなかなかなものです。あのナレーションなんとかならなかったんですか。誰に向かって喋ってるのか分からないんですが、独り言みたいにずっと寒いことをぬかすんですよ。

都会のことを好きになった瞬間、自殺したようなものだよ

塗った爪の色、君の体の内側に探したって見つかりやしない

夜空はいつでも最高密度の青色だ

君が可哀相だと思っている君自身を誰も愛さない間、君はきっと世界を嫌いでいい。そしてだからこそこの星に恋愛なんてものはない

一日のどのタイミングでこんな言葉が思い浮かぶんですか?

美香のキャラ自体も見ていて腹が立ってきます。ネガティブの度が過ぎていて、引っぱたきたくなります。

「これ君に似合うかと思って」

「1200円だから、私に似合うってこと?」

プレゼントをあげようとした男にこんなことを平気で言います。そんなネガティブ馬鹿女と、挙動不審アホ男が、つっくりたり離れたりして、あろうことか結婚するんだって。

永延とうじうじしている男女がついには夫婦になったりするもんだから、自己憐憫と自己愛にさらに磨きがかかり、悦に浸っている二人が心底気持ち悪かったです。

最後の二人のやり取りは、それはそれはもう気絶するぐらい恥ずかしい会話で締めくくられていました。

美香「やっぱり人を好きになるって、その人のことをやんわり殺すってことだよね?」

慎二「なにそれ?」

美香「恋愛の仕方って誰かに教わった?学校で習った? なのにどこもかしこも恋愛ばっかりで馬鹿みたいじゃない? なんか楽しいわけ? 意味あるわけ?」

慎二「意味があるかどうかは分からないけど、胸がドキドキするのは止められない」

美香「人間が凡庸になってる」

慎二「それが承知で好きなんだ、美香のことが」

美香「本当に幸せになれるのかな?幸せの意味もわかってないのに?」

慎二「そんなの分からない」

美香「どうせまたいつか捨てられる。終わっちゃうんだよ、そのうち」

慎二「そんなの分からない」

要するにこんな考え方してる私って変わってない?っていうアピールする女と、そんな変なお前のことも俺は全部受け入れたあげるからね、っていう器の大きさをアピールする男の会話なのでした。

狂人を装った至って普通の寒い男女が最大限格好付けるとこういう会話になるんです。あー、気持ち悪いもの見せられたー。

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