マッドバウンド 哀しき友情(原題Mudbound)

見ていて苦しくなる人種差別物語。完成度の高い、まともな映画ですが、気分が落ちているときには見ないほうがいいかもしれません。55点(100点満点)

マッドバウンド・哀しき友情のあらすじ

31歳のローラは兄の上司であるヘンリー・マッカランに好意を寄せられていた。ローラの方はヘンリーに対して特に思い入れもなかったが、2人は結婚することになった。ローラはヘンリーと結婚することで、メイドとしての退屈な生活から抜け出せると思ったのであった。やがて、2人の間には子供が生まれた。

ハプ・ジャクソンは先祖代々の土地で農業を営んでいた。ハプは自らが小作農ではないことに誇りを持っていたが、自分の農地を手にしたいという願望は日に日に強まるばかりであった。

第二次世界大戦が始まったため、ヘンリーの弟であるジェイミーとハプの長男であるロンゼルが徴兵されることになった。ロンゼルは軍曹に留まったが、ジェイミーは空軍のパイロットに取り立てられた。ロンゼルら黒人の兵士たちも白人の兵士と同じくらいヨーロッパで歓迎された。戦火のただ中ではあったが、ロンゼルは祖国アメリカで味わうことが出来ない自由を謳歌するのであった。

wikipediaより

マッドバウンド 哀しき友情の感想

ネットフリックス製作による2018年アカデミー賞にノミネートされそうな人種差別映画。黒人の青年を軸にした愛と友情と家族の物語です。

ストーリーは、自分に好意を寄せてきた、愛してもいない男ヘンリーと結婚したローラが農地に引っ越したことでボロボロの小屋で貧しい生活を強いられるところからスタートします。

その時代、農地では人種差別を受けながらもいつか自分の土地を持つことを夢見ている黒人家族が白人に雇われていました。

ヘンリーの父親は差別主義者で、黒人のことをひどく嫌い、使用人たちにもきつく当ります。そんな中、一家のもとにヘンリーの弟であり、空軍のパイロット、ジェイミーが戦争から無事帰国します。一方、使用人の黒人家族のもとにも陸軍の兵士ロンゼルが帰ってきます。

ジェイミーとロンゼルはお互い命を賭けて戦った軍人同士ということもあり、すぐに意気投合し、人種の壁を乗り越え、友情を深めます。

ところがそれをよく思わない地元の人々がロンゼルとジェイミーを追い詰めていく、、、というのが話の流れです。

序盤は、ヒロインのローラのナレーションと共に彼女の目線で話が進んでいきますが、中盤当りから戦争帰りの黒人青年ロンゼルや白人のジェイミーの目線に切り替わります。そのため誰が主役なのかが定まらず、最後まで展開が読めませんでした。

雰囲気は終始どんよりしていて、ダークな色がスクリーン全体を覆います。そのことからも決してハッピーな物語でないことが分かります。

演出的にはハリウッドの他の人種差別映画とどうしても同じような感じになるのは仕方がないのでしょうか。いわゆる白人が黒人を苛める話で、そこに必ず一人か二人黒人を守る優しい白人が登場します。

そして気づいたときにはいつのまにか黒人差別の話ではなく、勇敢で格好いい白人にフォーカスしがちになりますよね。この映画もまた男前で、優しいジェイミーがその役割を担っていました。

途中、ローラと彼女の旦那の弟ジェイミーがいけない関係になったり、というのもお約束でした。

貧困と不幸な夫婦関係の中で生きるローラにとってはジェイミーぐらいしか癒してくれる人がいないのだから不倫は自然の成り行きだったとも考えられます。まあ、好きでもない男と結婚した彼女が悪いんだけど。

黒人青年ロンゼルが戦争のために欧州に行ったら母国よりも差別が少なく、白人女性たちにも受け入れられ、意外と居心地が良かった、というのはなんとも皮肉な話ですね。

自分の祖国のために戦って、生きて帰ってきたかと思ったら、戦場よりも地元のほうが敵が多かったという現実。そしてロンゼルの命がけの戦いは祖国でも続いていくという非情な運命。

それにしても最後の最後まで悲しくて、苦しいだけの物語でした。ラストでほんのちょっと光が見えたかなというぐらいで。

こういう映画はいつ見るのが正解なんでしょうね。晴れた日に見ても、もったいない気がするし、雨降りの日に見ても余計に憂鬱になるだけだし。気持ちを引きずらないためにも寝る前に見るのが一番かもしれません。

>>マッドバウンド・哀しき友情はネットフリックスで視聴できます。

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