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街のあかり(原題LAITAKAUPUNGIN VALOT/LIGHTS IN THE DUSK)

この記事は 約4 分で読めます。

淡々としすぎていて面白味に欠けるいまひとつの映画。え、これで終わり?と言いたくなるラストには拍子抜けすること間違いなしです。40点(100点満点)

映画街のあかりのあらすじ

友情にも家族の愛情にも恵まれず、1人で孤独に生きる夜警員の男コイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)。ある日、彼はマフィアの男とその情婦ミルヤ(マリア・ヤンヴェンヘルミ)の策略により、ショッピングセンターの宝石を強奪した罪をなすりつけられてしまう。しかし、ミルヤの愛を信じるコイスティネンは……。

シネマトゥデイより

読者のたかよさんのおすすめ作品です。ありがとうございます。

映画街のあかりはメリハリがない

希望のかなた」などでお馴染みのアキ・カウリスマキ監督の人間ドラマ。同僚には見放され、女には騙され、身寄りのいない孤独な男が黙々と生きていこうとする姿を描いた悲劇の物語です。

主人公は警備員として働く無口な男コイスティネン。彼は職場の同僚たちからは馬鹿にされ、バーで喧嘩をすればこてんぱにやられ、友達も家族も恋人もいない、うだつの上がらない生活を送っています。

そんな彼はいつか自分の会社を開き、世間を見返してやろうと野望を抱き、自分の夢をホットドッグ屋の女アイラに語ります。ところがそんな矢先、自分に話しかけてきた金髪の美女に騙され、強盗の罪をきせられてしまいます。

冤罪をふっかけられ刑務所送りにされたコイスティネンは出所後も運に見放され、せっかく就いた仕事はすぐ首になり、自分を陥れた張本人についに復讐を試みます。

しかしあえなく復讐は失敗し、逆に拉致されて、工業地帯に捨てられてしまいます。希望を失いかけたコイスティネンに救いの手を差し伸べたのはホットドッグ屋のアイラだった、、、というのがストーリーの全てです。

演技、演出は「希望のかなた」とほぼ変わらないですね。登場人物は無表情で、冷たく、何を考えているのか分かりません。フィンランド人たちは室内だろうと、野外だろうとやたらとタバコをふかし、とにかく不機嫌そうです。

主人公コイスティネンに対して、なぜかみんな無慈悲で冷酷で、全体に社会に不穏な雰囲気が漂っています。

痛い点はユーモアに欠けているところですね。不幸でも、不運でも、ユーモアがあれば笑い飛ばせるんだけど、笑えるシーンはコイスティネンが家に女を連れ込んだときにパンとウォッカを出した下りぐらいでしょうか。

テーブルに花まで置いてわざわざムードを作ったのに、食べ物がしょぼいっていうのがダメなコイスティネンらしいですね。

あのコイスティネンのキャラがただの無抵抗なダメ男でしかなく、人間らしさがほとんど感じられず、共感を持てませんでした。

騙されてると分かっても女をかばい、みすみす警察に捕まる意味も良く分かりません。宝石捨てればいいじゃんって思いましたね。

なぜか彼は一切、反論も抵抗もしないんです。世の中の不条理を全て受け入れるかのようにひたすら黙っています。

そこにまた一種のナルシシズムを感じさせるものがあって、気持ち悪いです。髪の毛をオールバックにして渋い顔を作ったりして、ああ見えて彼は結構な格好付けですよね。

やっとのことで復讐に立ち上がったかと思ったら、持っていった武器が食卓用のナイフって。あいつアホですよ。

悲劇や不幸を経てラストにかすかな希望を見せて終わるのはいいけど、この映画で希望を感じられる人はあまりいないでしょう。

社会には冷たくされ、仕事を首になり、女に騙されて、刑務所に入れられ、出所したらマフィアに拉致られるというふんだり蹴ったりの人生。

でも全然同情できない男、それがコイスティネン。なかなかあそこまで不運なのに可哀相に思えない奴も珍しいです。

コメント

  1. たかよ より:

    ダメでしたか…笑。
    今思えば公開時の私の状況(海外在住)がまさに主人公そのもので、必要以上に感情移入したのかもしれません。
    その後帰国して真逆の日々を過ごしている今再見したら、感想は少し変わるかな…でもやはり当時を思い出して共感しそう。
    主人公が格好付けと言う言葉には思わずハッとしました。私も孤独で不幸な自分に酔っていたなと。さすが視点が鋭いですね~。
    他の作品で映画男さんの気に入るものもあると思いますので、カウリスマキ監督を嫌いにならないでください。
    またリクエストさせて下さいね、ありがとうございました!

    • 映画男 映画男 より:

      たかよさん

      おすすめしてくれてありがとうございます。主人公のようなナルシスト苦手です。ほかにもカウリスマキ監督の映画見てみますね。