スポンサーリンク

「チチを撮りに」は父親に会いたくなる映画!ネタバレと感想

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

監督のセンスと才能を伺わせる、日本の家族を上手に描いた感動ドラマ。笑えて、泣けて、楽しめます。68点(100点満点)

スポンサーリンク

チチを撮りにのあらすじ

14年前に父親が出て行ってから、葉月(柳英里紗)と呼春(松原菜野花)の姉妹は母の佐和(渡辺真起子)と3人で暮らしている。ある日、音信不通だった父が末期がんで死の床にあるという知らせが入り、2人は母に見舞いに行ってお別れしてくるようことづかる。彼女たちはしぶしぶ出掛けて行くが、道中で父の訃報を知り途方に暮れる。

シネマトゥデイより

チチを撮りにの感想と評価

長いお別れ」や「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督による、地味で、素朴で、好感の持てる家族ドラマ。荒削りな部分はあるけれど、脚本が良く、ユーモアが効いていて、話のつなげ方が上手いです。

主人公は母子家庭で育った葉月と呼春の姉妹。父親は幼いときに女を作って出て行き、母親に育てられた二人が末期がんの父親に会いに行くところからロードムービー風に物語が進んでいきます。

母親は娘たちに父親の死に間際の顔を写真で撮ってきてとカメラを持たせます。ところが二人がいざ父親のもとに着く前に父親は亡くなってしまい、急に葬式に参加することになる、というのが筋書きです。

葉月役の柳英里紗と呼春役の松原菜野花の素人っぽさがいいですね。出演者たちがみんな素朴で、いい味出していました。

感動を誘うストーリーではあるものの、狙いすぎてはいないし、ユーモアを優先させていた感があります。母子家庭の風景が逞しく、また微笑ましくて、心温まりました。

ただ、演技は結構危なっかしいです。泣きの演技は、そもそもできなかったからか、目薬かなんかを使ったような不自然な液体がドボドボ目から垂れましたね。

ただ、たとえそうだとしても役と合っていない人気俳優を使うよりはずっとましです。下手なCGに頼ることもなく、あくまでも言葉の掛け合いと、ストーリーで見せようとしている姿勢が素晴らしいですね。あれなら低予算で一本の映画が作れますよね。

女を作って別れた父親と十何年も合っていない娘、遺産放棄をせがんでくる親族、顔をベタベタ触ってくる目の悪いお婆ちゃんなど、家族のあるあるネタが満載でした。

特に両親が離婚後、父親と音信不通になってしまうパターンは日本では多いですよね。そしてその原因を作っているのが親権を持っている側だったりするのが日本社会の問題でもありますね。もっと気軽に会わせてやれよっての。

葉月と呼春の場合も母親が旦那に二度と私たちの前に現れないでとか言ってましたからね。いくら相手に非があっても、そこまで言う権利はないでしょ。

元旦那に恨みを持つ母親が育てた娘たちは、父親に対して強い恨みこそなくても、なんとなく母親に気を使うようになります。あるいは父親に対する悪いイメージを持つようになっても不思議ではないです。

二人が十何年ぶりに亡くなった父親と対面してもいまいち実感が沸かず、しばらく時間を置いてから涙がこみ上げてきたのも無理はないでしょう。

長すぎる間、離れてきた父親と娘たちはすっかり他人のようで、他の親族たちが悲しむのを見て、初めて二人は父親を失くしたことを理解しているようでしたね。

娘目線の物語ですが、父親目線で見ると、けっこうやるせない話です。死ぬまで娘と会えなかったんだから、つらかっただろうなぁ。

僕には二人の姉がいるんですが、二人ともやはり両親の離婚後、父親とは一度も会ってなくて別の女性と再婚した父親のことをしっかり恨んでいます。女の恨みは根深いからなぁ。

そういう姉たちの姿を見ていると、やっぱり娘ってどうしても同じ女である母親の味方になるのかなぁなんて思ってしまいます。両親が離婚したのはもうかれこれ20年ぐらい前のことなのに、姉たちはいまだに父親と会おうとしません。

いい加減、会ってやれよって僕は思い続けているんですが、口でどれだけいうよりも、この映画を見せるほうが効果があるかもしれません。

>>「チチを撮りに」はU-NEXTで視聴できます

コメント

  1. メボン より:

    離婚で思い出したというわけでもないのですが、「イカとクジラ」の文句書いてもらえませんか。超映画批評では高評価で、私もいいと思いました。