ヒメアノ〜ル

無差別に人を殺していく、いじめられっ子の心の闇を描く、怖くて笑えるエンタメスリラー。一定の質を保っている映画で、普通に面白いです。68点(100点満点)

あらすじ

普通の生活に焦燥感を抱くビル清掃会社のパートタイマー岡田(濱田岳)は、同僚からカフェの店員ユカ(佐津川愛美)との恋の橋渡し役を頼まれる。彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会。ユカから森田につけ狙われ、ストーキングに悩まされていると相談された岡田は、森田がかつていじめられていたことを思い出し、不安になるが……。

シネマトゥデイより

読者のまくらさんのリクエストです。ありがとうございます。

文句

さんかく」の吉田恵輔監督による連続殺人スリラー。同名の漫画作品を基にした作品で前半は大いに笑えるコメディー、後半はゾクゾクするスリラーへと変貌していく、一口で二度美味しい映画です。

ストーリーは、殺人鬼の森田を中心に回っていきます。森田は、高校時代いじめに遭っていた過去を持ち、いじめっ子だった同級生を殺害したことをきっかけに無差別にレイプや殺人を次々と犯していきます。

そんな彼はカフェで働く女の子に対して恋心を抱き、ストーカー行為を続けます。ちょうど同じ時期に彼の高校時代の友達である岡田が、そのカフェに通うようになり、ひょんなことから店員の女の子と付き合いだしたことから森田から命を狙われるようになる、というのがだいたいの筋書きです。

最初こそ緩いコメディードラマといった雰囲気でスタートするものの、いざ殺人のシーンに入ると、かなりグロテスクになっていきます。

包丁で刺したり、鈍器で殴ったりといったシーンのリアルさもさることながら、レイプしようとした女が下着を脱がしたら生理中だっり、殺した後に犯人がオナニーしたりといったエピソードが細かいです。

セックスシーンと殺人シーンを交互に流す演出にはセンスの良さを感じました。あれは生と死のコントラストなんでしょうか。森田は人をあやめることに性的な興奮を覚えているような一面があり、彼にとってはセックスと暴力が表裏一体であるような印象を与えます。

過去のいじめが原因で復讐や殺人といった題材は邦画では結構使われるパターンで、そこに真新しさはないけれど、全体を通して脚本がとても上手く書けているのが救いです。一つ一つのセリフが面白いです。特に清掃員の先輩と後輩のやり取りがいかにもオタクの会話っぽくて笑えます。

キャストの中ではV6森田剛のシリアルキラー役が話題を呼んだようです。確かに彼は感情を失った通り魔のような雰囲気を上手く出していたし、役に上手くはまっています。

ただ、一番評価に値するのは森田剛より、むしろ岡田の役を演じた濱田岳でしょう。演技が自然だったし、安定感がありました。

それに対して先輩役を演じたムロツヨシのセリフの言い回しが、その場でカンペを読んでるみたいな不自然さで、作品のバランスを見事に崩してくれていました。あれはないわぁ。

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