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ファウンダー・ハンバーガー帝国のヒミツは欲の塊!ネタバレと感想

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マクドナルドをフランチャイズ化し、世界に広めた男の成功と裏切りの物語。義理人情一切なしで強欲にビジネスを拡大することしか考えなかった男の生き様がなんともアメリカ的で、主人公の行動には賛否両論ありそうです。55点(100点満点)

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ファウンダー・ハンバーガー帝国のヒミツのあらすじ

1954年、レイ・クロックはミルクシェイクメーカーのセールスマンをしていた。彼の妻は質素で控えめで、仕事に生きるよりも旦那には一緒にゆっくり過ごしてもらいたいと願っていた。

それでもレイは大きな成功を目指し、ミルクシェイクメーカーを売るために文字通りあちこちを飛び回っていた。

そんなある日、レイ・クロックは田舎町サンバーナーディーノのレストランで大量のミルクシェイクメーカーの注文が入ったことを知り、不審に思いながらも現場に向かった。

すると、そこはわずか30秒で注文ができあがる行列のできるハンバーガー店だった。店の名前はマクドナルド。

その素晴らしい経営戦略に感動したレイ・クロックはオーナーの兄弟にフランチャイズ化を持ちかける。それを機にマクドナルドは様々な問題を乗り越えながらもアメリカ最大のファーストフードチェーンへと成長を遂げていく。

ファウンダー・ハンバーガー帝国のヒミツのレビュー

しあわせの隠れ場所」のジョン・リー・ハンコック監督によるちょっと変わったサクセスストーリー。金と権力に物を言わせてマクドナルドを本家から強奪した男の物語です。

今のマクドナルドの企業ポリシーがどのように構築されていったのかが分かる内容で、世界最大のファースフードチェーンの生い立ちや成長の軌跡に興味がある人にはいいでしょう。

普通のサクセスストーリーと違うのは、主人公を決して善人に描いていないところです。英雄とも悪い男とも取れる中立な描写の仕方が面白いです。

主人公はセールスマンのレイ・クロック。彼は後にマクドナルド社を背負って立つ男ですが、マクドナルドを作ったのはカリフォルニア州の小さな町サンバーナーディーノに住むモーリス・マクドナルドとリチャード・マクドナルド兄弟でした。

レイ・クロックはマクドナルド兄弟が開発した完璧までに効率化された調理システムに惚れ込み、フランチャイズ化の話を持ちかけます。

最初は渋っていた兄弟でしたが、レイ・クロックの熱意に押されて契約書にサインをすると、アメリカ中に次々と支店が増えていきます。

ところが利益を追求するレイ・クロックに対し、クオリティーと伝統を維持したい兄弟の間で意見の食い違いが度々起こり、双方の折り合いが付かなくなります。

そこでレイ・クロックは兄弟を追い出そうと、弁護士を集めてマクドナルドを乗っ取ることを企む、というシナリオになっています。

見る人にはよってはレイ・クロックは、金儲けのことばかり考える、ずる賢い男と見えるでしょう。一方で商売人からしたら、利益を追求することは当然のことでマクドナルド兄弟がビジネスにおいて甘っちょろかった、という考えもできるはずです。

この映画を見ると、今のマクドナルドのビジネスモデルはレイ・クロックの意思を強く引き継いでいることが分かります。

レイ・クロックはミルクシェイクにミルクが入っていなくも味がそれっぽかったら問題ないという人です。それに対してマクドナルド兄弟は自分たちの味に強いこだわりを持っています。

もしマクドナルド兄弟があのままオーナーの座に居座っていたら、あるいはほかの人と組んでいたら、マクドナルドはクオリティー重視のチェーンになっていたことでしょう。ただ、それではこんなに成功していたかどうかは疑問です。どっちがいいのかは難しいところですね。

アメリカ的だなあ、と思うのはレイ・クロックに恩や借りといった感覚が全くないところです。誰が発案者とか関係ねえ、契約なんて破るもの、欲しいものは全て自分のものにする、といった野心と欲のスケールが尋常じゃないです。

僕からすると、レイ・クロックが会社を乗っ取ったことよりも、自分のビジネスパートナーの奥さんを奪い取ったことのほうが信じられませんでした。

自分の奥さんとは目指していたものがあまりにも違ったので別れるのは仕方ないでしょう。でもさすがに仲間内の相手に手を出すのは反則です。

でもモラルなんて関係ねえという人には通じないんでしょうね。相手の女も最初からまんざらじゃないみたいだったし、やっぱり同じ志を持った男女は心惹かれ合うのでしょうか。

ビジネスを次々と拡大していき、怖いもの知らずで世界を切り開いていく男を見て、「うちの旦那より、こっちのほうがいいわ」ってなっちゃたのかな。男も女もアメリカは欲深いわぁ。

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