2016/03/11

HUNGER/ハンガー(原題: HUNGER)

hunger

42点(100点満点)

ストーリー

1981年、北アイルランドの刑務所。イギリス首相マーガレット・サッチャーの弾圧によってとらわれているボビー・サンズ(マイケル・ファスベンダー)らアイルランド共和軍(IRA)の囚人たちは、その信念のために看守への抵抗を続けていた。一方看守は暴力によって抵抗活動を食い止めていた。そこで彼らは、最終手段としてハンガーストライキを実行する。

シネマトゥディより

文句

SHAME -シェイム-」、「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マックィーン監督の2008年に欧米で公開された映画。刑務所内のシーンにほとんどの時間を割き、セリフが少な目なのはいいものの、限られた会話と映像だけではどうも日本人には内容や背景がピンとこない作品。

見どころといえば、IRAの囚人に対する看守の拷問ぐらいだと思います。リアリティーがあって痛そうで、怒りと怒りのぶつかり合いがみられます。しかしながら、「とにかく拷問シーンが見たくしてしょうがない、そういえば私、最近全然拷問見てなかったわ」なんていう人はほとんどいないわけで、それだけでは十分とはいえません。囚人たちが体の中に紙を隠して面会の時に家族にこそっと渡したり、逆に家族が囚人にものを渡したりするアイデアなどは面白いんですが、あまり登場人物の個々の信念な思想のようなものはほとんど手がかりがありませんでした。

唯一会話らしい会話がボビー・サンズが面会人の牧師と話すシーンで、あそこだけやけに長い時間を使って会話を伸ばし、説明っぽくなっていたのが不自然でしたね。今まで言葉を最小限に抑えてきたのなら、あそこも最低限に抑えればよかったのに、という気がします。あれだけ厳しい環境の刑務所で面会のときに囚人がたばこをプカプカ吸いながら、優雅に長い間会話を楽しむのを刑務所側が許すとはとても思えませんし、集約するとボビー・サンズが牧師に言いたかったことは「俺はハンガーストライキを始めるから」ということだけです。その前後にはそれに対するボビー・サンズの思いと、牧師の考えが衝突します。二人のやり取りは数十分間ワンカットで流れ、よくもまあこんなに長いセリフを覚えられるなあ、と感心しますが、それだけでした。

物語の途中、看守がIRA側に殺害されるなどの抵抗がありましたね。ああいったテロ側と政府側の攻防がもっと見れれば面白かったんですけどね。なにか加害者、被害者の図が一方的すぎました。それよりなにより一番不思議なのは、なぜこの映画が日本で今になって公開されるかです。おそらくそれは「それでも夜は明ける」がオスカーを獲ったから、それに便乗して「【それでも夜は明ける】の名監督が贈る実話に基づいた物語」的なキャッチコピーだけで一儲けできると配給会社が企んだのでしょう。いわゆる便乗ビジネスです。この映画を買った日本のバイヤーは普段から便乗ばっかりしてるタイプでしょうね。特にサッカーが好きでもないのにW杯になると途端にサッカーファン面したりしそうで嫌です。

>>HUNGER/ハンガーはマゾンプライムで視聴できます