チョコレートドーナツは感動ポルノ!ネタバレと感想

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Any Day Now

ゲイカップルがダウン症の少年を引き取るために世間の偏見や法律と戦う裁判ドラマ。ゲイカップルの熱意にそこそこ感動させられるものの、偽善的な臭いがプンプンする、いまひとつの映画。48点(100点満点)

チョコレートドーナツのあらすじ

 1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーのルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はゲイカップル。

母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と出会った二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。 しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ、マルコと引き離されてしまう。

シネマトゥディより

読者のカイさんのリクエストです。ありがとうございます。

チョコレートドーナツの感想

トラヴィス・ファイン監督による、ゲイとダウン症の少年というマイノリティーをテーマを用いたうえで「事実に基づいた物語」というありきたりなマーケティングで勝負している感動ポルノ。

感動狙いなのはあらすじを読めばミエミエでしょう。そしてこの手の映画が一番犯しやすいミスがマイノリティーを一方的に「いい人」として描いてしまうことです。

これは黒人差別映画でも全く同じです。次から差別映画を見る場合は注意してみてください。悪い黒人の登場人物が一人もでてこないから。

障害者を描くときも必ずそうです。みんな心の純粋な善人として描かれています。そして僕はこれこそ社会の差別だと思います。

弱者を守ろう守ろうとするばっかりに本質から外れて変なイメージが先走っているのです。障害者もゲイも皆同じ人間ですよ、平等ですよ、とか言っている奴らに限って気づかないうちに彼らを特別扱いしているのです。

障害者に性格のネジ曲がった、悪意のある、乱暴な人はいないのかよ、と言いたくなるのです。ゲイの人はみんな愛情深く、他人思いの人なんですか、と。

そういえばこのタイプの映画に対抗して、障害者が殺人鬼という設定の映画「おそいひと」というのが数年前に公開され少し話題になりました。

主人公を演じた脳性麻痺を持つ身体障害者の住田雅清さんは、従来の映画の中の障害者の描き方に違和感を覚えていたといいます。

「実際の障害者の実像はそんなに美しくないし、ドロドロしたものだから、連続殺人は極端かもしれませんが、障害者の中にも頑張らない者もいるし、大酒飲みもスケベエもいるし、詐欺師も泥棒もいます。」と思ってこの映画に協力したそうです。映画の中で都合よく「いい人」と描かれて迷惑しているのは案外障害者の人たちだったりするかもしれませんね。

また、「事実に基づいた物語」と言っている割にはどの事実が基になっているのかはっきりせず原作もあるのかないのかはっきりしませんでした。

おそらく色々なエピソードを混ぜて、ひとつのフィクションを作り上げたのでしょう。それならそもそも「事実に基づいた物語」なんていうフレーズは不必要じゃないのかという気もします。

一番、きついなと思ったのは主人公のルディでした。男にイケメンと不細工がいるように、もちろんゲイにも美しい人と醜い人がいるわけで、ルディの場合は青髭が濃すぎて正直気持ち悪かったです。

ルディはパフォーマーであり、シンガーなのでときおり歌のシーンになるんですが、あそこが特にきつい。

konna

こんなおっさん顔で女性的に歌われても困ります。ゲイの人たちはそのギャップにメロメロになるんでしょうか。その辺のことは僕には到底分かりませんが。

さて、この映画のように一方的にしか人物を描かない映画は、テーマがなんであれ、内容がどれだけ難しかろうと、全て子供向けの映画だと思っていいでしょう。

この手の映画で号泣できるという人は、もうどんな物語でも泣ける人なんです。「ちびまる子ちゃん」でもいいし、「サザエさん」でもいいんです。そういう人が言う「感動した」などというコメントは絶対に信じてはいけません。

コメント

  1. もも より:

    でも、やっぱり、障害があったり、マイノリティだったり
    すると辛いよね。。
    だから、いい人じゃなくても、イイと思うよ。
    転んだら誰だって痛いから
    誰だって泣いていいと思う。

  2. 小鳥遊 より:

    ひねくれてんな笑 映画なんて全部作り話じゃないか

  3. 通りすがり より:

    僕はゲイですが
    社会的弱者と言われたくない

  4. ぬこ より:

    チョコレートドーナツで検索するとこのサイトが上位にくるので
    たまたまお邪魔しました。

    ルディが女性っぽくなく、毛むくじゃらで男性的なのは、役柄がコメディ要素を持ったショーパフォマーなのと、普通を絶対視していないこと、
    商業映画的に俳優キャリア的に、男性的である方が年配者や女性のウケが良いからではないかと思います。

    個人的には、偽善的と言うよりも、感覚的な人が大好きそうなラブロマンスだった思いましたがどうでしょうか。
    地方検事局に勤めるポールは、ゲイバーで出会ったその日に勤め先の連絡先を教えちゃうし、出会って2日目にルディが見知らぬ子どもを連れて職場に乗り込んできて大騒ぎしても許します。ゲイであることを隠しているにも関わらず、むしろルディを邪険にしたことを謝ります。
    3日目にはルディの面倒だけではなく、血の繋がらないマルコの面倒までみると言い出します。
    ルディ、マルコ絡みで、地方検事局を首になった際、流石に「このポジションを得るために今までどれほど努力したことか」と呟いてしまうポールに、
    「おめでとう、自分らしく生きるチャンスよ」とルディは言い放ちます。ルディ、マルコの生活は、ポールの高収入に依存するものだったにも関わらずです。
    そしてふたりを愛するポールはあっさり受け入れ、マルコを取り戻すため戦います。
    わーおとしか言えません。
    「わたしはあなたの人生のオマケになる気はない」とヒロインが言い放つ、
    わたしはロランス の対極にあるお話かと思います。

    一方的なのは母親の描き方かなと思いました。ネグレクトで母親失格で低収入のシングルマザーが自閉症の子を育てるのは困難です。あれが事実ならもっと早くに死んでたと思います。

    障がい者や気の毒な少年を助ける主人公が犯罪者である方がお好みであれば、バッドサンタがオススメです。
    ほぼ大まかなあらすじは一緒ですが、主人公は子どもも殴るクズ野郎です。
    http://www.amazon.co.jp/バッドサンタ-DVD-ビリー・ボブ・ソーントン/dp/B00092QQFM

    長々と失礼いたしました

    • 映画男 より:

      ぬこさん
      コメントありがとうございます。確かに母親の描き方も一方的だったかもしれません。バッドサンタ見てます。また、コメントお願いします。

  5. たじま より:

    filmarksのレビューでは「泣いた」「法律は冷たい」「本当の愛」などの感想がほとんどで絶望。
    他の感想はないのかと探すとここにたどりつきました。

    こんにちは。

    僕の感想としては自己中の綱引きといった感じでした。
    マイノリティーカップルは自分たちの幸せのため、
    親は自分の幸せのため、ただそれだけだったように感じました。
    作中でマルコのしあわせを考えてたのは学校の先生だけだったように思います。

    • 映画男 より:

      たじまさん

      コメントありがとうございます。僕もこれではさすがに泣けませんでした。

  6. アラン より:

    なんで斜めに構えてしか物語を受け取れないの?
    優しいゲイの話には、優しい障害者の話には絶対に他人思いではないゲイや障害者も登場しないといけないの?
    なぜ、女性っぽい歌い方を批判するの?
    とても狭い物の見方しかできないあなたに映画を批評してほしくはないし、あなたやあなたの家族には心底不幸な目にあってほしいです(^_^)

    • Ryo より:

      そういう風に受け取る人もいるんだなで済む話ですけどね。
      なんでわざわざ不幸な目にあってほしいのか謎です。

  7. シン より:

    このレビューを書いた人は可哀想な人ですね。
    先入観を持ってでしか作品と向き合う事ができないのでしょう。
    もっと素直に作品を楽しみましょう。
    それが映画というエンターテイメントを楽しむ方法だと思いますよ。

  8. りょう より:

    レビューに違和感を覚えてしまいましたので、失礼します。

    劇中のルディの醜さを書いていますが、貴方の言葉を借りて善人のゲイと悪人のゲイ、善人の障害者と悪人の障害者がいるのなら、それはイケメンのゲイも醜いゲイも居るということですよね。その点ではこの作品、なにも美談だけ書いているわけではないです。第一、容姿の問題で人間性をとやかく言うことも出来ませんし、演出的観点から見てもそれはストーリーそのものには大きく影響していませんよね。もし、あなたが俗に言う整った顔の主人公に共感を得るのなら、ゲイというだけで攻撃する劇中の見識の偏った法律家たちと何ら変わりませんよ。

    事実とフィクションについても言われていますが、この手の映画が全て忠実な事実で作られなければならない理由はありません。もともとドラマなのですから、事実の断片を切り取り、製作者が観客に訴えたい部分にフォーカスしたストーリーが作られるのは当たり前でしょう。この映画は、社会のマイノリティ問題全てを包括するものではありません。ただ、セクシャリティや障害といった表面的な側面でなく、人と人の間にある愛•内面に目を向けることを訴えてるのだと思います。

    気に入らない部分がある=悪い映画と決めてかかるのは残念です。このようなレビューなら日記にでも書かれたらどうですか。

    以上です。失礼します。

  9. ポポポ より:

    良かったーみんなこんな糞レビュー見なくて良いよ(笑)
    とんだ差別主義者の糞レビューだもん

  10. えのちゃん より:

    「おそいひと」、私も公開当時は気になってたんですが結局観てなかったのを思い出しました。映画男さんは観ましたか?
    もし、既に観られていたなら映画男さんのレビューを是非拝見したいです。
    「おそいひと」のような作品が世に出るのはなかなか難しいのだろうなと思います。

    いつも率直でユーモアがあって、映画男さんのレビューが大好きです。
    これからも更新を楽しみにしてます。

    • 映画男 より:

      えのちゃんさん

      コメントありがとうございます。日本のマイナーな映画はブラジルからだと見れないので、ぜひ見て感想を教えてください。

      • えのちゃん より:

        「おそいひと」はそちらでは観られないんですね、残念です。
        観たら感想をご連絡しますね。

  11. つっつん より:

    すごく同意しますよ!

  12. カリブ より:

    ひねくれ者っすな

    偽善だとしても良いんじゃないですかね
    捉え方は人それぞれだから

    何かと否定する人の話は聞いてて楽しくないです

    それはそれで楽しみましょうよ

  13. マカロン より:

    私がチョコレートドーナツを見たきっかけは予告編でI shall be released を歌っていたから。ザ・バンドが60年台後半にヒットさせた名曲です。ルディの歌うI shall〜のカバーは100点満点でした。もしこの曲を美しいゲイの人が歌っていたら物語に入り込めなかったでしょう。美しい人が「解放されて自由になるんだ」と歌っても寒々しくありませんか?ちなみに実際の撮影現場で見学していたマルコも、ルディの歌に号泣したらしいです。
    私は映画は大衆向けの娯楽だと思っています。あなたの批評に書いてあるように本質を描くべきだという考えは私にはありません。本質が知りたいのであれば、本屋のルポルタージュをおすすめします。