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映画遠い夜明けは疲れる!ネタバレと感想

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この記事は 約4 分で読めます。

8-Cry_Freedom

リチャード・アッテンボロー監督による南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題を取り上げた政治ドラマ。

若かりしときのデンゼル・ワシントンとケヴィン・クラインがメインを務める友情と自由への戦いの物語で、感動あり、サスペンス性ありの一本。41点(100点満点)

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遠い夜明けのあらすじ

南アフリカ共和国のアパルトヘイト問題に立ち向かった黒人運動家スティーヴ・ビコを取材した記者ドナルド・ウッズの原作を基に、「ガンジー」のR・アッテ ンボローが製作・監督した社会派ドラマ。

物語の前半は、ウッズとビコの友情を軸に人種差別問題の実態を描き、拷問の末にビコが獄中死してからの後半では、 真実を訴えようと国外脱出を図るウッズ一家の動向がサスペンスフルに描かれる。

読者のロッテンさんのリクエストです。ありがとうございました。

遠い夜明けの感想

感動あり、サスペンス性ありなんですが問題も多々ありました。まず上映時間が2時間30分を超え、ヘトヘトになります。なぜそんなに長いかと言うと、一本の映画の中に2つの映画を押し込んでいるからです。

前半はデンゼル・ワシントン扮するスティーヴ・ビコの勇気溢れる政治活動を基にした差別映画で、後半はそのビコと友達になったウッズの亡命劇に仕上がっています。つまるところ「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー」と「アルゴ(原題 ARGO)」をくっ付けたような代物なのです。疲れるのも無理はないです。

冒頭でいきなりこんなテロップも流れます。

「身の安全のため2人の登場人物は例外ですが、この映画で描かれている他の全登場人物と出来事は全て事実です」。

乱暴ですねええ。「俺が今から言うことは全部本当だから、いいか信じろよ馬鹿野郎」と言われている気がします。1987年の映画なので、あの当時はこんなふうに書くのが普通だったのかもしれません。最近では「これは事実を基にした映画です」的なフレーズが一般的になりましたが、あれにしても別に書く必要ないと思います。

さて、そんな乱暴なスタートを切るこの映画、序盤からいきなり警察隊が黒人住居地区に侵入して住民に殴る蹴るの暴行を加えます。その後も理由もなしに白人の警察が黒人の一般市民を逮捕したり、容疑者に暴力を振るったりとやりたい放題です。

もちろん南アフリカでは当時そういったことが本当にあったのでしょう。ただこの映画の描く白人というのはウッズ家族以外は全員悪人といった極端な描き方をしており、反対に黒人たちは非暴力で自由を求める優しい人たちのような描かれた方をしていました。

下手な差別映画はどれも極端すぎて、ある人種の多面性を全然描けていないものが多く、いい人か悪い人かのどっちかなのです。怒り狂った黒人たちが白人をリンチしたり、デモに便乗して黒人たちが店の物を強奪していったりするシーンなんかもいれてもらいたいものです。

「そういうことをする黒人がいるから、俺たち白人は黒人を恨むんだぜ」というエピソードがないから、白人がただの悪魔にしか見えないのです。

良かったのはデンゼル・ワシントンの演技ぐらいでしょうか。知性とカリスマ性を見事に出していました。ウッズを演じたケヴィン・クラインはなんか他にもいそうな感じでしたね。

ウィリアム・ハートにも似てたし。物語の途中で主人公が入れ替わり、ウッズの逃走劇になる下りこそ、この映画の墜落点でした。ずっとデンゼル・ワシントン一本で、ビコの生涯だけで行けばいいのにちょっと欲張りましたね。監督のリチャード・アッテンボローは私生活でも相当欲張っているはずです。

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コメント

  1. ロッテン より:

    文句をありがとうございました!
    確かに中立的なものの見方が出来ないと危ないですね、何に対しても言える事ですが。
    うーん難しい。

    • 映画男 より:

      ロッテンさん
      コメントありがとうございます。差別映画は確かに難しいですよね、僕がただひねくれてるだけの可能性もありますが。

  2. より:

    アパルトヘイトは想像を絶する差別です。もちろん美化している面もあるでしょうが、告発の意味を込めても、この映画は素晴らしいものなのではないでしょうか