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イノセンツはちょっと変わった超能力ホラー!ネタバレ感想

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おそらく鑑賞前にあなたが想像していた映画とは全く違った展開になる欧州ホラー。意表を突くのがこの映画のいいところでもあり、悪いところでもあります。58点

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イノセンツのあらすじ

アイダとアンナの姉妹はある日、慣れ親しんだ土地を離れ、田舎のアパートに引っ越す。姉のアンナは重度の自閉症で話すことができず、両親はほぼほぼ彼女に付きっきりだった。そんなアンナにアイダは嫉妬を抱き、両親の見てないところで彼女をつねったり嫌がらせをした。

アイダは近所を散歩しているうちに少年ベンと知り合う。二人は森の中を歩いているうちにアリの巣を壊したり、野良猫をいじめたりといった虐待行為をするようになる。

一方、アンナは近所に住むアイシャと仲良くなる。アイシャはどういうわけかアンナとコミュニケーションが取れるようだった。二人は不思議な力でつながっていたのだ。

まもなくしてアイダ、ベン、アイシャ、アンナの4人はつるむようになる。それをきっかけに4人は不思議な能力を研ぎ澄ましていく。そしてあろうことかベンの暴力性は日に日に増すしていくのだった。

イノセンツのキャスト

  • ラーケル・レノーラ・フレットゥム
  • アルバ・ブリンスモ・ラームスタ
  • ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム
  • サム・アシュラフ
  • エレン・ドリト・ピーターセン
  • モーテン・シュバラ

イノセンツの感想と評価

私は最悪」の脚本家エスキル・フォクト監督によるノルウェー産サイコホラー。派手さはないですが意外性があり、なによりちょっと怖いです。

ハリウッド的な突然誰かがフレームインして怖がらせる、といったベタな演出は一切使わず、あくまでも心理に訴えかけてくる恐怖が売りの映画ですね。

特に前半部分の子供たちの残虐性を描いたパートがよく、妹が自閉症の姉を嫌って、ガラスを靴の中に仕込んだり、猫を高いところから落としてみたり、といったなかなかダークなことをしでかす姿にはゾクゾクしました。

最初の数分でそのように妹の悪い性格を見せて早くからキャラ設定を確立していくのには好感が持てました。また、メインの少年少女たちが外見的にも性格的にも個性が光っていて監督のセンスを感じます。

一方で最初のキャラ設定を維持せずに後半以降、妹がただのいい子になっていくのには違和感を覚えました。それが予想外な展開を作っている理由でもあるんだけど、妹は最後まで悪役キャラでよかったような気がしました。

最後までちゃんとキャラを保っていたのは少年だけでした。虐待を受けていた彼が自分よりも弱い生き物に虐待をし返すのは辻褄が合うので、あれが正解なんですよ。それに対してアイダも姉や家族との関係性によって歪んだ性格になったんだから、そのままでよかったのに。

中盤以降子供たちが超能力を使い出すあたりからかなり作風が変わります。不思議で神秘的なストーリーになるのはまだいいとして、同時にそのせいで恐怖がなくなってしまった感がありますね。せっかく地味な現実路線を行っていたのに、あそこで路線変更する意味がちょっと見出せませんでした。

やがて物語は超能力少年少女同士のスーパーパワーバトルみたいなことになっていき、ダークヒーロー映画さながらの展開になるのはダメですね。普通に妹VS姉のまま最後まで行って欲しかったです。

少年が自分に対して嫌なことをしてきた奴らに復讐をするのはまだ分かるんですよ。でも仲良し4人組同士が争う理由があまりなく、なんで戦ってるの?って思っちゃいました。

少年が虐待ママを殺すくだりはいらないです。死体はどうなったんだろうとか、絶対近所から異臭で苦情が来るだろとか疑問が湧いちゃって、あまりにも現実味がなくなります。妹も少年を突き落としてもお咎めなしだし、同じ地域で次々と人が死んでるのに警察も全く介入しないしね。

まあ以上のように突っ込みどころが多く、手放しで称賛できる映画ではないです。それでも最近のハリウッドホラーよりは優れているのは間違いないし、お金もあまりかけず、少人数キャストでここまでできるのはなかなかすごいことです。今後もエスキル・フォクト監督はホラーで勝負するんでしょうか。だとしたら次回作に期待したいです。

コメント

  1. ゴルゴ44 より:

    団地舞台に超能力と言えば大友克洋の童夢ですが監督は童夢のオマージュだと言ってます。僕も大友克洋のファンで童夢を初めて読んだ時は絵が上手い事と超能力の描き方に衝撃を受けました。日本の漫画の影響は想像以上ですね

  2. きのこ食べ過ぎ より:

    面白かったですが、メインキャストが子供のせいか、心理描写などが若干「単調」になってしまった感があります。
    主さんも好まれている「北欧ホラー」は全体的に文学的な味付けがあり、大人の鑑賞に堪えうる作品が多いと思います。