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聖地には蜘蛛が巣を張るはリアルだけどやや退屈!ネタバレ感想

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見れるけど、エンタメ度は低い、イラン発シリアルキラーを追ったサスペンススリラー。もうちょっと見所があるとよかったです。48点

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聖地には蜘蛛が巣を張るのあらすじ

イランのマシュハドで売春婦ばかりを狙った連続殺人事件が勃発し、市民は恐怖を抱えていた。犯人の手口はどれも同じで道で女性と交渉し、どこかへと連れて行き女性が身に着けているスカーフを使って首を絞めるのだった。

被害者が売春婦だったこともあってか警察は真面目に犯人捜しをしようとしなかった。そんな中、女性ジャーナリストのラヒミが現地入りし、取材を試みる。しかし女性である彼女に対し、警察の対応は冷ややかだった。埒が明かないと思った彼女は売春婦に成りすまして道に立つことにする。すると、ある晩、ラヒミは連続殺人鬼と夜の町で遭遇するのだった。

聖地には蜘蛛が巣を張るのキャスト

  • メフディ・バジェスタニ
  • ザーラ・アミール・エブラヒミ
  • アラシュ・アシュティアニ
  • フォルザン・ジャムシドネジャド

聖地には蜘蛛が巣を張るの感想と評価

ボーダー二つの世界」や「マザーズ」のアリ・アッバシ監督による、イランを舞台にした大人のサスペンススリラー。イランの男尊女卑社会を背景に、女性ばかりを狙うシリアルキラーを追いかけた実話ベースの話です。

イランではこういう奴いるんだろうなあ、という差別的な嫌な男が大勢登場するのがポイントで、そんな男たちのくずっぷりを気の強い女性ジャーナリストの目線で見ていく作りになっています。

終始女性蔑視ストーリーが続くので女性視聴者にとってはなかなkしんどい作品かもしれません。一方、男からしても理不尽極まりない状況やエピソードばかりで、ただただこんな社会嫌だなあと思わせる内容になっていました。

基本、セクハラは当たり前。女性は一人でホテルに泊まるなんてありえない。売春する女なんて人間以下みたいな社会なので、シリアルキラーもシリアルキラーで自分は社会のために善意を働いているとすら思っています。

自分を100%正当化できるシリアルキラーほど恐ろしいものはなく、自分が価値を認めていない特定の人に対してはものすごく冷血かつ乱暴になれます。

また、男性だけが女性を蔑視しているわけではなく、女性も女性で体を売る女性たちを自分たちとは違うゴミのような存在に思っているのが怖いですね。あれも男社会に洗脳された結果なのでしょうか。

見ていて楽しいとか興奮する映画ではないですが、ギャーギャーうるさくないのと、イランの文化・社会背景が見れて、じわじわした怖さがある、という意味では見る価値がありました。僕のイメージではイランではそもそも売春婦なんていない、あるいはいたとしてもイスラム圏外の外国人だと思ってたけど、あんなに厳しい国でも現地の女性が道に立っているんですね。驚きました。

また、イラン映画にしては性描写もちゃんとあるし、グロさもあるし、イラン政府に監督が怒られないのか、ちょっと心配になるぐらいリアルでしたね。迫害されないといいけど。

ジャーナリストの女性が警官にホテルで襲われそうになるシーンとか実際にありそうだし、あのまま断れずされるがままになってしまう女性も多いんでしょうかね。ほんと、酷いよね。もちろんまともな男性もいるんだろうけど、クズの割合が多いと生きづらい世の中になりますね。

スローでエンタメ度は低く、また犯人は最初から分かってるので、予想外の展開はないです。犯人が逮捕されることはもはや折り込み済みで、その過程を見ていく映画といえるでしょう。見所といえばヒロインが犯人に連れて行かれて、あわや殺されそうになるくだりですかね。あれもヒロインが殺されるぐらいの展開でもよかったかもしれませんね。

ボーダー二つの世界」と比べると、ぶっ飛び度数がはるかに低く、「マザーズ」と比べてもシュールさがなく、あくまでもリアリティー路線になっていて、アリ・アッバシ監督のらしさが発揮できているかどうかでいうと、そうでもないです。もっと気持ち悪さがあったらよかったし、おいおい急に真面目な社会派映画を撮ってどうしたんだよ?って言いたくなりました。「ボーダー二つの世界」がなんで評価されたのか忘れてしまったんでしょうか。

ちょっとした意外性があったのはラストですかね。話の流れから行くともっと理不尽に思ってもいいような気もしましたが、あの終わり方はなかなかのざまあみろエンディングだったんじゃないでしょうか。

しかし最後は、差別、偏見が息子に受け継がれていく、といった余韻を残し、新たなシリアルキラーの誕生を匂わせる終わり方になっていましたね。子供もあんな年齢のときからバリバリ偏見の塊って怖いですね。

コメント

  1. きのこ食べ過ぎ より:

    最初は「何だこのクソB級サスペンスは?」といった印象でしたが、後半 犯人が逮捕されてからがこの作品の真価だったと思います。
    主人公の女性ジャーナリストのキャラ設定が不十分なので、犯人のオっさんに食われていた感じ。

  2. ちー より:

    犯人が逮捕されてから、さあ、どう見せてくれるのか、と楽しみにしていたのですかあっさり死刑執行となり、ちょっと拍子抜けしちゃいました。

    女性ですら売春婦を人間以下とみなし、父の行いが正義だと疑うことなく、自分も引き継ごうかなと嬉しそうに話す息子の恐ろしさ。
    これも偏った宗教思想の結果なのでしょうか。

    私もイランに売春婦がいる事に純粋に驚きました。