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あなたの顔の前にはやり逃げされる熟女の話!ネタバレ感想

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巷でホン・サンス監督の最高傑作だなんだと大騒ぎしている人たちがちょこちょこいる作品です。僕はそうは思いませんでした。35点

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あなたの顔の前にのあらすじ

アメリカ在住の韓国人女性サノクは久々に韓国に帰国し、妹や甥っ子と会った。長らく疎遠だった家族と再会し、懐かしい話をするうちに彼女は過ぎ去った時間を実感していく。

サノクはかつて自分が住んでいた場所を訪れたり、その昔自分が女優だったときに一緒に仕事をした監督と会ったりもした。監督はサノクの才能と純粋さを褒めたたえ、彼女と一緒にもう一度映画を撮りたいと熱弁する。その熱意は嬉しかったが、ある理由から彼女にはもう映画を撮ることはできなかった。

あなたの顔の前にのキャスト

  • イ・ヘヨン
  • チョ・ユニ
  • クォン・ヘヒョ
  • キム・セビョク
  • シン・ソクホ
  • ハ・ソングク
  • ソ・ヨンファ
  • イ・ユンミ

あなたの顔の前にの感想と評価

逃げた女」、「夜の浜辺でひとり」、「ソニはご機嫌ななめ」、「3人のアンヌ」のホン・サンス監督による、久しぶりに里帰りした中年独身女性の韓国滞在の様子をスローにつづった大人の会話劇。

たわいのない会話が徐々に哲学っぽくなっていき、やがてストーリー性を帯びていく作りになっているのが特徴で、ホン・サンス監督ファンか、欧州映画好きの人が見るための作品です。間違っても典型的な韓国映画ファンの人が見るものじゃないです。

深く解釈しようと思えばどうにでも解釈できそうだし、これを芸術だと捉えるならそうすることもできるでしょう。わざとらしく喫煙タイムを挟んで、美味しそうに登場人物たちがタバコを吸う様子を優雅と受け取る人もいるんでしょうか。

いずれにしても退屈であることは否定できないし、素人のホームビデオのような画質とわざとらしいズームイン、ズームアウトの繰り返しは相変わらずです。芸術なら芸術でもっと美しく撮れよって思いますね。カンヌ国際映画祭にも出品されたそうだけど、正直そんなレベルじゃないです。

僕にとってはホン・サンス監督はコメディ向きの監督だと思っていて、そこにユーモアがあるかどうかで作品の良し悪しが決まります。ユーモアがあればスローでも安っぽくても笑えるからいいやってなるけど、もしユーモアがないとただの暇な映画になるんですよね。

本作も例外ではなく、人生の最大の試練を迎えた哲学が強いおばちゃんの話っていう感じがしましたね。ストーリー性が少し出るのはヒロインが自分の現状をカミングアウトする場面です。

そのときヒロインは昔仕事をした映画監督と酒を飲みながら芸術と人生について話していて、監督のアプローチの仕方がどう見ても映画うんぬんより、ただ昔仕事をした女優と一発やりたい男の近づき方で、映画出演をちらつかせてまだかつての美しさを残す熟女をどうにかしたい一心で誠実な芸術家を装っている印象を受けました。

それならそうともっとダサダサに下心満載にヒロインに手を出そうとしてコントにしてしまえばよかったんですけどね。ヒロインもヒロインでまんざらでもなさそうで、挙句の果てには「私の寝たいんでしょ?」とか聞いてる始末だったし、なんだか熟年男女のちょっといい恋愛ドラマみたいな感じになるのは許せませんでした。

ところがしかしラストで監督が約束を破って話は一転します。明日から2,3日旅行に行って短編映画でも撮ろうという提案を自ら監督が反故にしたのです。

あれはカメラに写っていなかったけど、前日夜にすでに二人は男女の関係になって監督はもうすでに目的を果たしたから旅行の話は別にいいやって気が変わったもんだと解釈しました。つまりやり逃げされたわけです。

あるいはまだやってないけど、ヒロインの状況にビビッてやれなくなって直前で逃亡したかのどっちかでしょう。

なぜあんなにいい感じになって美しくなりかけていた二人のドラマをあんな残酷に終わらせたのか。ホン・サンス監督が意図するところはどこにあったんでしょうか。人生の不条理を描きたかったのか、男のクズさを見せたかったのか、いずれにしろ旅行がキャンセルになったのを留守番電話で聞いたヒロインは大笑いするのが印象的でした。

もう笑うしかなかったんですかね。あんなに情熱的だった男が一晩で急に覚めるっていう薄っぺらい態度に。あれはむしろヒロインが翌日断ったほうがよかったんじゃないかなぁ。旅に出たいのはやまやまだけど、行けません。でも誘ってくれてありがとうございますっていうほうが女心や彼女の心境を表していたような気がするんだけどねえ。なんか意地悪な終わり方でしたね。

上映時間が85分あって気になったのはあのシーンと甥っ子のズボンの丈の短さぐらいでした。ほかはこれといって印象に残らなかったです。

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