2013/07/27

殺しのナンバー(原題: THE NUMBERS STATION)

1361525621_numb20

52点(100点満点)

ストーリー

任務中にミスを犯し、イングランド東部にあるCIAの乱数放送局へと飛ばされたエージェントのエマーソン(ジョン・キューザック)。そこで送信係を務める暗号作成のエキスパート、キャサリン(マリン・アッカーマン)の護衛をすることに。温かなキャサリンの人柄に触れ、殺伐とした世界で負ってきた心の傷を癒やすエマーソン。だが、彼女もろとも謎の武装団に襲われた上にCIA幹部たちの暗殺を下す偽指令を工作員たちに送信されてしまう。やがて、CIA本部からエマーソンにキャサリンの暗殺命令が言い渡されるが……

シネマトゥディより

文句
CIAエージェントの暗号による通信任務を題材にしたサスペンス。地味な任務にちょっとしたアクションを付け加えて作ったスパイ映画で、エキストラを含む出演者の数が少なく、ほとんどのシーンが乱数放送局内で撮影されているだけに、低予算で大きな儲けを狙ったのがバレバレな一本。

諜報機関の任務にまつわる暗号をただひたすら送り続ける、という地味な仕事ぶりはいいですね。あれがアクションもなしに、地味なCIAエージェントの日々を追っていくだけで終わってくれればもっとよかったんじゃないかと思います。「いやいや、私たちの仕事って案外地味ですから」というようなステレオタイプのスパイを否定するような内容だったら歓迎してるところでした。

退屈な仕事を乱数放送局内で続ける中、パートナーと恋仲になってしまい、仕事中にもすけべなことをしてるCIA諜報員も果たして存在するのでしょうか。この映画の乱数放送局ではエマーソンとキャサリンのほかにもう一組の男女が勤務していましたが、その二人は明らかにできちゃっててさぞかし仕事が楽しそうでした。あの密室で逆にお互いがソリの合わない男女だったら、どんな会話が繰り広げられ、またどんな苦痛な一日になるのかも興味があります。ハリウッド映画の男女のコンビはいつも息がぴったりで、男がボスで女が部下、女が男の後に素直に従ってついていくというような、実社会とはほど遠い設定になっていて、いつもその世界に素直に入っていくことができません。もっとしょうもないことで意地を張って、ケンカばかりしてるような男女のコンビを見てみたいですね。

「よし、行くぞ」
「ボス、そっちの道より、こっちの道のほうが近道ですよ」
「いや、こっちの方が絶対近い」
「違いますよ。この前私はここを通ったんですから、こっちに行きましょう」
「うるせえ、この野郎、おれの言うことを聞けないのか」
「だって、私が正しいんですから。ボス、あなたは間違ってる」

アメリカにはこんなコンビが必ずいるはずです。ちなみに僕が付き合っていたアメリカ人の彼女はこんなでした。歩く道すら自分で決めたがるみたいなね。自己主張が強すぎるんだから。

さて、話を戻します。映画の内容的にはCIA本部のエージェントに対する冷酷な対応など、現在リアルタイムで起きているエドワード・スノーデン容疑者の事件を連想させるようなところもあってタイミングがいいですね。序盤にCIAを辞めてからバーを開いて引退後に平和な暮らしをしている諜報員が出てきましたが、結局彼もCIAに消されてしまいます。長年国のために命を張って貢献してきても、辞めた後は重要な情報を知りすぎているという理由で疎まれたり、危険人物扱いを受け、最後は消されてしまうという理不尽なことがまかり通っているCIAとは一体なんなのか。 裏でエドワード・スノーデン容疑者になにがあったからは知りませんが、CIA内部からよりドロドロなアメリカの一面を見たに違いありません。この映画もラストは世界各国に亡命申請して終わりだったら面白かったんですけどね。丸く収まったみたいな、甘っちょろいエンディングはどうかと思いました。あんなに甘くないでしょCIAって。