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ブルー・バイユーはラストだけ泣ける!ネタバレ感想

この記事は 約5 分で読めます。

アメリカで育った人を強制送還するのは人としてどうなの?っていう話。いい部分と悪い部分があるものの、全体的にはまあ最後まで見れる作品です。54点

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ブルー・バイユーのあらすじ

アントニオは韓国で生まれ、3歳の頃アメリカ人の家族に養子として迎えられた。そのせいで韓国とのつながりはなく、アメリカ人として30年以上生きてきた。

そんなアントニオはキャシーとキャシーの連れ後のジェシーと三人で貧しいながらも幸せな生活を送っていた。キャシーは妊娠中でまもなく娘が生まれるところだった。

ところがある日、アントニオはキャシーの元夫で警官のエースとエースの相棒のデニーとたまたまスーパーで遭遇したことにより、喧嘩になり、身柄を拘束されてしまう。

そしてそれがきっかけでアントニオは過去の書類の不備から韓国で強制送還されることに決まってしまう。なぜ自分の意思でアメリカに来たわけでもないアントニオが家族もいない韓国に戻らなければいけないのか。アントニオは裁判で戦うために弁護士費用を捻出しようと奮闘するが、物事は簡単にはいかなかった。

ブルー・バイユーのキャスト

  • ジャスティン・チョン
  • アリシア・ヴィキャンデル
  • マーク・オブライエン
  • リン・ダン・ファン
  • シドニー・コワルスケ
  • ヴォンディ・カーティス=ホール
  • エモリー・コーエン

ブルー・バイユーの感想と評価

ジャスティン・チョン監督、主演による、幼い頃、養子としてアメリカに来た韓国人男性が理不尽な理由で韓国に送り返される経緯をつづった人間ドラマ。数ある同様のケースを基にした実話ベースの物語です。

この映画を見ているうちに真っ先にある韓国系アメリカ人の男性の顔が浮かびました。ああ、これは彼のストーリーを基にしているんだろうなあ、とぴんと来たのです。

その男性とはこの方、Dことディアブロの愛称で知られる人物です。この動画をたまたまYouTubeで見たことがあったので、すぐに彼の話だと気づきました。

Dは、小さな頃に養子に出され、複数の里親家族や施設を行き来した結果、虐待に遭い、犯罪の道に進みます。そしてドラッグディーラーをしていたことで刑務所送りになり、刑期を務めてからルーツのある韓国に強制送還されたのでした。

この映画の主人公も韓国人の親に捨てられ、アメリカ人家族に養子に迎えられ、虐待を受け、ろくな教育も受けられないまま育ち、道を踏み外してしまい、強制送還に遭う、という運命をたどることで共通しています。

ところが調べると、Dに限らず同様の体験をしている人たちがまだまだいるようですね。例えばこのアダムは3歳のときに養子に出され、38年アメリカで住んだ後に強制送還になっています。アダムの場合は奥さんも子供もいるのに家族と引き離された、という点でこの映画の主人公と全く同じです。

つまり似たような境遇の人たちがアメリカにたくさんいて、そのうちの多くがなにかの出来事がきっかけで書類の不備が見つかり、不法滞在者としてみなされ、強制送還されてしまっているそうです。

そうした多くの人たちから話を実際に聞いてまとめたのが本作で、内容はやるせなく、悲しいものになっています。

主人公のアントニオはタトゥーアーティストとして働き、家族を養おうとする、良き夫、良い父親である一方で犯罪歴があり、ギャングっぽい悪い友達もいたりとトラブルメーカーの一面も持っています。

そんな彼が妻との間に娘が生まれてくるのを待ち望んでいた矢先、警官と揉めてしまい、連行されたのをきっかけに入国管理局に身柄を送られてしまう、というのがストーリーの流れです。

完全なる天使キャラじゃないので、主人公に感情移入できるかどうかは視聴者によっても変わって来るでしょう。自業自得だと考える人もいれば、つらい環境で育った彼に同情する人もいるはずです。

いずれにしろ自分の意思に反してアメリカに連れて来られたにも関わらず、アメリカの法律に振り回され強制送還されるという運命に関しては悲運としか言いようがないですよね。それも妻も子供もいる身でありながら、引き離されるなんていうのは非人道的でしかないです。

一方で弁護士費用を工面するために犯罪に手を染めたり、思考がその場しのぎのダメ男なところは見ていられないです。育ちが悪いからなのか、ルール違反をすることに抵抗が薄く、近道しようとするんですよね。

そんなキャラだから終始複雑な気持ちで主人公を追いかけることになりました。応援してあげていいのやらなんなのか分からないという気持ちです。そしてそれこそがこの映画の醍醐味ともいえそうですね。

善悪や好き嫌いで主人公をジャッジするのではなく彼に下された国の命令は果たして人道的、人権的に正しいのかどうかを考えさせられます。

日本でも強制送還される外国人のケースが多々ありますが、日本人は厳しい目でそういった外国人を見ている人が多いですよね。不法滞在するのが悪いって言ってしまえばそれまでなんだけど、そこに至るまでにそれぞれの事情があることに目を向けようとしない人も少なくないです。中には外国人の大人はもちろん日本で生まれた子供まで強制送還されるケースもあるからね。それが果たして正しいのかどうか。

そういった人権問題を考えるには最適の映画で題材だけでなく、演技、映像も悪くないです。ただ、中途半端に芸術路線に向かう癖があって、そこは必要なかったかなあ、という気がしました。人間ドラマオンリーで行けばいいのに、ちょこちょこ無駄なシーンが入りますね。

病気のベトナム人女性パーカーのパートもいらないですね。なぜ彼女がアントニオにあんなに親切にするのかちょっと分かりませんでした。パーカーを登場されたのは彼女の死とアントニオの娘の誕生のシーンのコントラストを出すためだったに違いないです。それ以外に意図が見えませんでした。

ちょこちょこ突っ込みどころはありますが、ラストの空港で家族が引き離される場面は涙なしでは見れなかったです。これから強制送還される男が家族と別れの挨拶とかちゃんとできるのかよって思ったりもしましたが、それを含めても悲しいシーンには違いなかったです。

きついですよね。赤ん坊と引き離されるのなんて。子供を持つお父さん、お母さんが見たら、あのシーンにだけはやられると思いますよ。

 

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