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フランクおじさんは満足感のある予定調和物語!感想とネタバレ

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同性愛カミングアウトドラマ。カミングアウトをゴールに見立て、それまでに起こるハプニングをドラマチックに描いた映画です。ベタだけど普通に見れます。60点

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フランクおじさんのあらすじ

1970年代。サウスカロライナの田舎町クリークヴィルで育ったベスは地元に自分の居場所はない、と感じていた。親戚、家族の集まりでは自分だけ浮いていた気分だった。

祖父は横柄で口が悪く、みんなが彼に遠慮がちだった。べスは叔父のフランクが好きだった。大学教授のフランクだけは教養があって自分の話をよく聞いてくれた。

しかし祖父はフランクおじさんにはなぜか一番強く当たった。みんなの前でフランクおじさんを侮辱することも一度や二度ではなかった。

18歳になったべスは、フランクおじさんの住むニューヨークの大学に進学する。そこで初めてフランクおじさんがゲイであることを告白される。彼は家族にずっとそのことを隠してきたのだった。

フランクおじさんのキャスト

  • ポール・ベタニー
  • ソフィア・リリス
  • ピーター・マクディッシ
  • スティーヴ・ザーン
  • ジュディ・グリア
  • マーゴ・マーティンデイル

フランクおじさんの感想と評価

「アメリカン・ビューティー」の脚本家として知られるアラン・ボール監督のLGBT映画。もし実の叔父さんがゲイだったらという設定のもと、ティーネイジャー目線で閉鎖的な家族を描いた人間ドラマ。さほど特別なものはないものの、全体的にハートウォーミングな話です。

アメリカではコメディドラマにカテゴライズされているようですね。ただ、「アメリカン・ビューティー」ほど笑えることはなく、ユーモアはあるとしても40代の中年男性が家族にずっとゲイであることを打ち合けられずにいるもがき苦しむ様子は、コミカルになりようがなく、どうしても深刻にとらえてしまいました。

舞台が1970年代の南部というのがポイントで、アメリカでも差別が今よりもずっとひどかった時代、それもアメリカで一番閉鎖的な南部で育ったフランクがどれだけ自分のセクシャリティーに悩み、葛藤してきたかは想像に絶します。

そんなフランクが父親が亡くなったのをきっかけに姪のべスと同性の恋人を連れて帰郷し、家族に初めてカミングアウトするまでの経緯を過去を振り返りながら描いていて、とても分かりやすく、見やすかったです。

年齢差のある二人が交流していくうちにお互いに影響を与え合い、成長していく、というのは映画ではまあよくあるパターンですね。

ただ、本作では二人の交流がべスにとっては刺激的であっても、フランクにどのような影響を与えたのかはあまり見えてこなかったです。

一度、カミングアウトするかしないか迷っている場面でべスがガツンと一言フランクにいうことはありましたが、べスの影響でフランクが動いたのは本当にあの一度だけでしたよね。

フランクの彼氏が結構早い時間に二人の旅を邪魔しに来たので、それもあって叔父と姪の交流という面では弱かったかなぁ。

一方で迫りくるカミングアウトの場面をクライマックスにして、ハラハラドキドキの展開を作るのは上手でした。ある意味、視聴者はこの先に何が起こるのか分かりつつストーリーを見届けるタイプの映画で、予定調和でありながらもしっかり満足感を与えてるのはすごいです。

IT/イット “それ”が見えたら終わり」のときもそうだったけど、ソフィア・リリスが愛嬌があって、可愛くて、いい仕事してますね。フランクの恋人ウォーリー役のピーター・マクディッシもよかったです。

ゲイの恋人がイスラム教徒のサウジアラビア人ってなかなか濃いシチュエーションになっていて、もうちょっとそこを膨らませてもいいかな、というのはありました。

ゲイはよくても、イスラム教徒と付き合ったら絶対ダメだよっていう家族がいてもよかったよね。だってあの人たち信仰深いキリスト教徒なんだから宗教差別も当然あるだろうし。

ストーリー上仕方がないことではあるものの、ウォーリーがフランクの旅に勝手についてくるのはうざいですね。あれだけ反対されてて、事情も分かるはずなのに無理やり来るかなぁ。もっと後から来てもよかったんじゃないの。

そんなウォーリーに対するフランクの態度もひどいものがあり、特に侮辱してから顔を殴るくだりは、どんな理由があれ、どれだけ混乱していたとはいえ、許容できることではないです。あの後に二人の仲直りシーンやキスシーンを見せられてもね。

フランクと昔の恋人の描写も必要なバックストーリーだったけど、二人が裸で抱き合っているところを父親に目撃される場面はちょっと不自然でしたね。

そもそもあんなに厳しい親父がいる家にゲイの彼氏を連れてこないでしょ。それと裸で抱き合ってるのになんでドアが全開なんだよ。

フランクの父親であり、ベスのおじいちゃんを最後の最後までクズとして描ききったのは素晴らしかったです。ああいう奴は死んでも治らないっていうのが一貫していて逆に気持ちが良かったです。

結局、あの家族ってあの親父が元凶だったんですね。親父が死んで、みんな清々しい解放された顔をしていたのが印象的でした。ベスも自分にも居場所があると初めて感じたって言ってたしね。家族が死んで、ハッピーエンドになる映画っていのもなかなか珍しいですね。

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