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タイガー・ウッズ・光と影は波乱万丈の感動ドラマ!感想とネタバレ

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お騒がせゴルファー、タイガー・ウッズの半生を描いた記録映画。分かりやすく、面白く、ちょっと感動します。70点

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タイガー・ウッズ・光と影のあらすじ

エルドリック・タイガー・ウッズは物心ついた頃からゴルフクラブを握り、スウィングしていた。2歳になるとさっそく天才ゴルフ少年と称され、テレビ出演するなど多くの人々が彼の才能を信じては止まなかった。

特に父のアールは息子のタイガーがただのゴルフプレーヤーではなく、世界で最も偉大な人物の一人になると確信しては英才教育を施した。

10代後半にもなるとタイガー・ウッズはアマチュアのトーナメントを総なめにしていた。周囲の期待通り、彼は大学進学を諦め、プロに転向する。

すぐにナイキとの大型契約が決まり、タイガー・ウッズの人生は大きく変わろうとしていた。人気が爆発すると共に彼の生活からプライバシーはなくなった。やがて好青年としてメディアに出続けることで自身のブランドイメージを保つことも容易ではなくなっていく。

タイガー・ウッズ・光と影のキャスト

  • ディナ・パー
  • スティーブ・ウイリアムズ
  • ジョー・グローマン
  • アンバー・ラウリア
  • レイチェルユキテル

タイガー・ウッズ・光と影の感想と評価

マシュー・ハイネマンとマシュー・ハマチェクの共同監督によるゴルフ界のプリンス、タイガー・ウッズの成功と転落をつづったドキュメンタリー。

前編と後編の二部構成になっていて前編では成功までの道のり、後編では転落から再起までの軌跡を分かりやすくまとめていて、タイガー・ウッズのゴルファーとしての強さや才能はもちろん、彼が抱えて来た苦悩、葛藤、そしてプライベートでの失態や人間としての弱い部分が見れる面白い内容になっています。

タイガー・ウッズのことは知っていても、彼の生い立ち、家族、決して順風満帆ではなかった、彼が歩んできたいばらの道のりを知るにはいい作品だと思います。

特に家族についてはあまり知らない人も多いんじゃないでしょうか。お父さんは白人やインディアンの血が入った黒人、お母さんは白人と中国人のクウォーターであるタイ人。そんな二人の間に生まれたタイガー・ウッズがアメリカでは完全に黒人として扱われるところにアメリカの人種差別の闇がありますね。

白人エリートのスポーツであるゴルフ界に一人の黒人が流星のごとく現れたわけだから、試合中やプライベートでもずっと差別用語や脅迫を受けてきたようです。タイガー・ウッズはそうした雑音にも耐えられる鋼のメンタルを軍人であった父親に鍛えあげられ、まるでマシーンのように平然と戦ってきた、という話は痺れますね。

ちなみに本作は本人承諾を得ていないタイプのドキュメンタリーだそうなので、どこまで本当かどうかは分からないので半信半疑で見たらいいと思います。そのため本人はもちろん、家族はインタビューに応じておらず、彼らの映像は過去の映像の切り取りになっているのがポイントです。

一方でウッズファミリーとの昔からの友人、タイガー・ウッズの最初の恋人、10年以上彼を支えて来たキャディー、そして不倫相手のレイチェル・ユキテル、不倫スキャンダルを暴いたゴシップ誌の記者などが登場し、なかなか生々しい話をしていました。

多くの人によっては不倫スキャンダルのくだりが最大の見所になるのは間違いないでしょう。妻と二人の子供がいながらラス・ベガスに通い始めたことで遊びを覚え、やがて女遊びに歯止めがかからなくなり、家庭を壊してしまった、というのは多くの男がはまってしまう罠なので特に新しいことでもないでしょう。

ただ、タイガー・ウッズの場合、長年好青年のブランドイメージで売ってきただけにインパクトが強かったようですね。不倫相手が10人以上いたとか騒いでたけど、10数人愛人がいてそれぞれに優しくして一人残らず本気にさせていたっていうからすごいですね。

タイガーウッズってやっぱり可愛いもんね、あの笑顔が。それにゴルフ界で育ったからか立ち振る舞いが上品だし、知性を感じますよね。散々やらかしてもその度に周囲に助けられ、復活を遂げることができるのは実力もそうなんだけど、人としての魅力があるからこそなんでしょう。

でもあの人懐っこい笑顔を武器にハートを奪っておいて関係を切るときは男女関わらず超絶ドライにスパッと切るところがまた色んな意味でプロフェッショナルですね。最初の恋人なんか3年付き合ったのに最後は本人が書いたかどうかわからない手紙一つで別れを告げられたって悲しいねえ。

そうやってたくさんの人を傷つけて、悲しませて、犠牲にしてきたというシビアな生き方は自分自身も苦しませてきたでしょう。でも最終的にはゴルフの優先順位が一番高い点は揺るがないようです。ある意味、家族よりもゴルフ優先だった印象すら受けます。

一連のスキャンダルは奥さんにとっては気の毒は話でしたね。ただ浮気されただけじゃなく、ずっとパパラッチに追いかけまわされる生活を強いられた訳だから、そりゃあ離婚したくなくても子供たちを守るために離婚せざるを得なくなるよね。

また、あれだけの仕打ちを受けながらも子供たちをタイガーウッズに会うことを許してあげてるってめちゃくちゃ器の大きな人じゃないですか。なかなかできることじゃないですよ。

できれば奥さん側の証言も本作で見れたらよかったんですけどね。語られることのなかった苦悩をここでぶちまけるっていうのもありだと思うけど、マスコミに不信感を抱いているだろうし、まともな人ほどこういうのには出演しないよね。

それにしても本当、メディアがクズすぎますね。散々追いかけまわして「タイガー・ウッズと離婚して幸せですか?」とか平気で聞く記者の精神構造ってどうなってるんだろう。

僕にとっての一番の見所はタイガー・ウッズの生い立ちと父親との関係性をつづったパートです。二人の親子関係、師弟関係、友情関係については深く掘り下げていて興味深かったですね。もともと父親が女性にだらしない人物だった、というのは知らなかったです。それを子供の頃からタイガー・ウッズ本人も知っていた、というのもショッキングな話ですね。

父親の死後、軍人だった父の影響か、タイガー・ウッズも軍の訓練に参加したり、女遊びを始めたり、皮肉にも父親と同じ道をたどろうとします。やっぱり血筋、性質って受け継がれるんですかね。そんな彼が父親と距離を置いたのにはそれこそ色んな理由があったんでしょうが、タイガー・ウッズが自立するため、あるいは親の束縛、呪縛から解放されるにはそうするしかなかったのかもしれません。

いずれにしてもあんなに小さな頃から大事に大事にゴルファーとして育ててきたお父さんのことを思うと、二人の愛憎交じりの複雑な親子ドラマはぐっとくるものがありました。勝利後の彼の涙は偽りではないでしょう。

父親の死後、スキャンダルの後などどんなに周囲が騒ごうと、いざゴルフコースに立つと不思議と落ち着くことができるだなんて、やっぱりゴルフの申し子なんですね。

最近も交通事故を起こしてたりして心配だけど、タイガー・ウッズにはまだまだゴルフを続けてもらいたいです。

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