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ラスト・クルーズはダイヤモンドプリンセスの地獄が見れる!感想

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もし自分がこの場所にいたらと思うと、怖くて仕方がない密室ホラードキュメンタリー。ダイヤモンド・プリンセス号の中が一体どんな状況だったのかを上手に伝えています。63点

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ラスト・クルーズのあらすじ

豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号はベトナムや中国を経由し、2020年1月20日、横浜湾に到着した。ちょうどその頃、中国本土ではコロナウイルスが猛威をふるい、世界的なニュースになっていた。

まもなくしてダイヤモンド・プリンセス号の中にもコロナウイルスの陽性反応を示す乗客が現れた。これによって乗客たちは日本に上陸できなくなり、それぞれの乗客は客室での隔離を余儀なくされる。

しかしクルーのメンバーたちはそんな中でも働き続けなければならなかった。乗客たちは個室でもクルーたちは違った。次々とクルーがコロナウイルスに感染していった。それでも彼らは同じ部屋で寝泊まりし、乗客たちに仕えるために働き続けるのだった。

ラスト・クルーズの感想と評価

ハンナ・オールソン監督による、日本でも大問題になったダイヤモンド・プリンセス号集団感染の実態をつづった衝撃のドキュメンタリー。よくこんな映像が残っていたなあ、と感心してしまうほど、貴重な記録の数々が刻まれています。

乗客とクルーが個人的に撮影した動画とインタビューを動画を混ぜて40分程度の資料にまとめただけの内容ですが、映像収集といい、編集の仕方といい、よくやったなあ、と感心してしまいます。

冒頭で浮かれに浮かれた乗客とクルーたちの様子を見せた後にパンデミックが勃発し、一気にホラーと化していく船内の様子を生々しく伝えており、見ごたえ十分でした。

当時はまだ本当にコロナが広がり始めたばかりで、情報もなく、連日ダイヤモンド・プリンセス号について報道されていても正直いまいち僕はピンと来ていませんでした。それを今これで見直してみると、どれだけ恐怖の体験だったのかがよく分かりますね。

まず、乗客やクルーはもちろん船内在中のドクターですらどんなウイルスなのか皆目見当がつかないわけだから感染対策もなにもできないんですよ。それに船という換気の悪い密閉空間だから逃げ場がなく、どれだけ危険な環境にいたかが分かります。

まだ、乗客たちは個室に隔離されていたからましだけど、クルーなんて牢屋みたいな小さな部屋で共同生活していて、それも陽性の人と陰性の人たちがみんな一緒になって寝泊まりしたり、飲食を共にしていたようです。

また、陽性反応が出ても、無症状の人たちは自覚も危機感もないわけだから、マスクもろくにせずにほかの人たちと接触し、さらに感染を広げていたようで、集団感染が起こるべくして起こった、といえますね。

ここで一つ議論になりそうなのは緊急事態のときサービス提供者と客をどう扱うか、という問題でしょう。

もちろん経済消費社会において客のほうが権利や立場が強いのはグローバルスタンダードなんだろうけど、だからといって労働者やサービス提供者の命や安全を軽視してもいいってことじゃないですよね。

ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染時の環境はあまりにもひどいし、インドネシア人などの労働者たちが気の毒で仕方なかったです。

ダイヤモンド・プリンセス号のような国際問題になると、やっぱりそれぞれの国力が出ますね。アメリカ政府は真っ先にアメリカ人を船から出して特別機をチャーターして国に返していましたが、政治力がない国はこういうときいつも最後になるからね。

すごいのがあんな絶望的な状況でも映像に映っているアメリカ人の夫婦たちはジョークなどを言いながらパートナーと前向きに部屋で過ごしていたんですね。ああいうのはちょっと感動しますね。仲の良い夫婦ってさすがどんな状況でもお互いに励まし合って、困難を切り抜けるんですね。

もっと映像の中で日本政府やダイヤモンド・プリンセス号の対応を批判したり、罵ったりしててもおかしくないのに、みんなものすごく素直でいい人たちでしたね。もしかしたらそういうシーンはカットされていたんでしょうか。あのストレスフルな非常事態であの振る舞いができるのは立派ですよ。

ただ、今回のダイヤモンド・プリンセス号の一件がクルージングの恐ろしさとマイナスイメージをかなり世間に植え付けたのは間違いないでしょう。船の旅ってゴージャスで、娯楽に富んでみたいなイメージで売っているけど、実際かなり微妙ですよね。

僕も豪華客船で何回かクルージングに行ったことがありますが、どれだけ色んな土地を回ろうと、一番船内にいる時間が長いし、どれだけ娯楽を充実させようとしたところで、船の中なんて1日で飽きるからね。

結構船の中って色々事件が起きるみたいだしね。乗客がデッキから落ちちゃったり、船内でトラブル起こしたりって。

集団感染が起きたとき、船内で暴れた奴とかいなかったのかなぁ。もうちょっとそういう裏事情も聞けたらよかったんですが、さすがにそこまでディープなストーリーは出てこなかったですね。

コメント

  1. きのこ食べ過ぎ より:

    事件当時の欧米マスコミの日本叩きがメチャクチャ。
    先ず船舶の「旗国主義」があるので、イギリス船籍の船に日本政府が口出しできない。船内での個室隔離だどの支持が出せるのはイギリス政府だった。
    イギリス船籍のアメリカの会社の船なので、本来日本は寄港拒否もできた(他の国ではプリンセス系の船にそうした見捨て措置をしていた)が人道的措置で寄港させた。
    欧米マスコミが「日本は船内でウイルスを培養・拡散させた」と叩いていたが、結局日本が海上隔離する以前に既に船内でパンデミックは広がっていた。
    仮に、乗客を横浜に上陸させても3000人超の感染可能性のある人間を隔離する施設はすぐには用意できず、また上陸させた人間を強制的に隔離しておく法律も無いため、一旦上陸させたら観客らが何処へいこうと日本は阻止できない
    こういった事実は作品内で語られていなかった様に思えます。

    • 映画男 より:

      確かに国際問題については一切触れられてなかったですね。あくまでも船内の様子だけで。