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サウンド・オブ・メタルは聴覚障害を体験できる映画!感想とネタバレ

この記事は 約5 分で読めます。

 

聴覚を失った青年がどのようにして障害を受け入れていくかを描いた人間ドラマ。音のある世界と、そうでない世界を上手く表現しています。65点

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サウンド・オブ・メタルのあらすじ

メタルバンドのドラマー、ルーベンは恋人で歌手のルーとキャンピングカーに乗って各地をツアーで巡る生活を送っていた。

ところがある日、突然ルーベンは耳の不調を訴える。まるで水の中にいるかのように音が聞こえなくなり、人が話すこともろくに理解できなくなってしまう。

医者に診てもらうと、聴覚が改善する可能性は低いといわれた。今でも20%ほどの音しか聞き取れていないが、放っておけば全く聞こえなくなる。直ちに大きな音を聞く習慣を止めるようにと助言され、絶望する。

自暴自棄になったルーベンをルーはろう者の支援グループに参加するようにと勧める。そこはドラッグ依存で悩む人々が共に助け合う、ろう者向けのコミュニティーだった。ルーベンはかつてドラック中毒だったため、またドラックに走らないようにとルーはこの支援グループを勧めたのだった。

しかし参加するには外部との接触を禁じる必要があった。ルーベンは断固として拒否したが、ルーは半ば強引に彼をグループに送り、自分だけ実家に帰ってしまう。こうしてルーベンはろう者としての生活に苦しみながらも順応しようとする。

サウンド・オブ・メタルのキャスト

  • リズ・アーメッド
  • オリヴィア・クック,
  • ポール・レイシー
  • ローレン・リドロフ
  • マチュー・アマルリック

サウンド・オブ・メタルの感想と評価

ダリウス・マーダーによる監督デビュー作。突然聴力を失ったバンドマンの男が、自分を見失いながらもなんとか再起を図る様子をつづった大人向けの映画です。

主演をイギリス人ラッパーで、「ローグワン」、「ナイトクローラー」などで俳優としても活躍してるリズ・アーメッドが演じていて、メタルバンドの男の物語、という部分だけ聞いていたので、やかましくて、刹那的で、ちょい悪ストーリーなのかと思いきや、予想に反してとても静かで、真面目で、色々と考えさせられる作品に仕上がっていました。

決して音楽ドラマではなく、ゴリゴリの闘病ドラマです。音の表現がとても細かく、ろう者がどのように普段音を感じているのか、また手術を受けるとどう改善されるのか、などを再現しています。音を普通に聞こえる人が失聴を体験できる珍しい映画といえるかもしれません。

物語はイケイケのドラマー、ルーベンがある日突然耳に異変を感じるところから本題へと入っていきます。まず、遠回りせずに本題に入るまでに10分程度でたどり着くのがいいですね。

そしてそこからルーベンは音のある生活から、一気にろう者の生活へと順応せざるを得なくなる急展開を見せます。

常に大きな音にさらされているバンドマンにとって難聴は職業病ともいえるのでしょうか。それにしてもルーベンの場合は徐々に耳が聞こえなくなるのではなく、本当に突発的に症状が出始め、耳がキーンとなったかと思ったら翌日には世界からほとんど音がなくなります。

こうなると、心の準備もへったくれもなく、一夜にしてろう者になってしまうわけで、当然ルーベンはどうしていいか分からず、狼狽します。

そしてわずかに聞こえる振動と音を頼りにツアーを続行しようと言い出したり、なんとか今の生活を保とうとしますが、恋人のルーがそれを阻止し、二人のためにも支援グループに入り、ろう者としての生活に慣れるように促します。

あの下りはルーベン目線だと、耳が聞こえなくなった自分を恋人が見捨てた、とも受け取れなくもない難しい状況でしたね。一緒に問題を乗り越えていこうではなく、とりあえずあなたは施設に入っておきなさいっていうことだからね。

一見、冷たくも感じるし、残酷なんだけど、ルーベンのドラッグ依存の過去を知ってるルーだけにあそこで厳しく突き放したともとれそうです。

支援グループとの生活は、特に何をするわけでもなく、ろう者の学校に行き手話を学んだり、グループセラピーに参加したり、ほかの参加者と共同生活をすることが中心で、ルールこそあれど労働もなければ、特別な義務もないのが特徴です。

それは一見、楽で緩い生活なんだけれど、刺激溢れる音楽の世界にいたルーベンからしたら、気が狂うようなスローライフなわけで、なかなかきつそうでしたね。

ただ、ドラッグ依存から脱却するには、ああやってあえて何もしない、刺激の少ない環境に身を置くことが重要なのかもしれませんね。どこかお寺の生活のようでもありますが。

支援グループとの生活の様子は終始ルーベンの困惑ぶりにフォーカスしていて、特に何かが起こるわけじゃありません。

メタルバンドのドラマーだからもっと破滅的、破壊行為に走るかと思いきや、ルーベンはいたって優等生でしたね。恋愛に関しても恋人に一途だし、それが少し退屈ではありました。

てっきり共同生活の中で、ほかの女に手を出すのかと期待していたんだけど、そういう色気もありません。個人的には聾啞学校の先生なんか笑顔が素敵で可愛かったと思うんだけど、ルーベンは全然、アプローチする気配すらありませんでしたね。

これで恋人のルーにほかの男ができた、というのならまたそれもあるあるだし、現実の厳しさでもあるんだけど、ルーですら決して脱線せずにルーベンを待ち続けていた、というのもできすぎていましたね。結局、悪役一人もいなかったよね。

ただし、ルーベンがろう者としての受け入れきれずにインプラント手術を受け、手術は成功したものの、聴力が元通りに戻るわけではなく、ずっと雑音が聞こえっぱなしというような結果になります。

そこからラストにかけての展開が特に面白く、最後はルーベンがやっと自分の運命を受け入れ、孤独と静寂の中にかすかな希望と幸せを感じた、と僕は解釈しました。テンポは決して良くないし、エンタメ性も低めですが、なかなか見ごたえがありました。

コメント

  1. mebon より:

    今さら見ましたけど、手術受けてからエンディングまでの展開が超感動的でした。
    最近Netflixが日本で値上げしたのと、Amazon Primeで英語字幕が見れるようになったので、ネトフリはやめてAmazon Primeに一本化しました。またAmazon Primeのおすすめ特集やってください。

    • 映画男映画男 より:

      気に入っていただけて嬉しいです。アマゾンのおすすめまとめたいんですが、あまりオリジナル作品がないので難しいんですよねぇ。