フレンチアルプスで起きたことは良質な夫婦ドラマ!感想とネタバレ

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夫婦がお互いに冷める瞬間を、雪崩を使ってとても上手く表現している家族ドラマ。ほかの人の意見をぜひぜひ聞いてみたくなる作品です。72点

フレンチアルプスで起きたことのあらすじ

せっかくの家族旅行だったのに…!映画『フレンチアルプスで起きたこと』予告編

普段仕事ばかりのトマスはある日、家族サービスするために妻のエバ、娘のヴェラ、息子のハリーを連れてフレンチアルプスのスキーリゾートを訪れる。

彼らは綺麗な景色が広がり、柔らかくて質のいい雪のあるスキー場を満喫していた。ところが2日目の昼、ランチを食べていると、突然リゾートに爆発音が鳴り響いた。次の瞬間、雪崩がレストランにまで襲ってトマスたちは雪に覆われてしまう。

トマスは咄嗟に雪崩から逃げようとした。一方のエバは子供たちをかばうことで必死だった。雪崩が収まると、トマスは何事もなかったかのように席に戻って来て、また家族はご飯を食べた。

しかしエバは自分だけ逃げようとしたトマスに強い不信感を抱くようになった。子供たちも雪崩で怖い思いをしたせいか強いストレスを受けていた。

それをきっかけにトマスとエバの関係がぎくしゃくしていき、楽しいはずのスキー旅行がドロドロの夫婦喧嘩に発展していく。

フレンチアルプスで起きたことのキャスト

  • ヨハネス・バー・クンケ
  • リーサ・ローヴェン・コングスリ
  • クララ・ヴェッテルグレン
  • ヴィンセント・ヴェッテルグレン
  • クリストファー・ヒヴュ
  • ファンニ・メテーリウス

フレンチアルプスで起きたことの感想と評価

読者のブルージャスミンさんのリクエストです。ありがとうございます。

ザ・スクエア 思いやりの聖域」、「プレイ」などで知られるリューベン・オストルンド監督による、 スウェーデン、デンマーク、フランス、ノルウェーの合作人間ドラマ。「不可抗力」をテーマにした男女の心理を鋭く描いた良作で、最後まで飽きることなく興味深く見れました。

ジャンル的にはコメディらしいんですが、スウェーデンギャグが僕には全く効かないのか、あるいは、いつボケたのかが分からないぐらいシリアスな夫婦ドラマとして見ちゃいました。

物語の軸となるのは、雪崩のような非常事態で男(父親)、または女(母親)はどう行動するべきか、という点で、理想の対処ができなかったばかりに妻が夫を責め立て夫婦関係に亀裂が入っていく様子を描いています。

もちろん理想は、父親が身を呈して子供たちを守り、あるいは妻のことを気にかけ、家族の安全を確保するのが一番でしょう。

しかし主人公のトマスは、あまりの突然の雪崩に思わず反射的にその場から家族を置いて逃げ出してしまいます。文章で書くと、そんな薄情なことをする父親がいるわけないと思うかもしれませんが、映像を見たら完全に周囲がパニックに陥っているので、十分に理解できます。

ところが妻のエバからしたら、男が非常事態に家族を捨てて逃げるなんてありえない、とじわじわと怒りと不信感が湧きだし、夫を軽蔑し始めるのです。

当の本人のトマスからすると逃げ出したつもりはなく、パニックの中でもみくちゃになった末になんとか避難した、という認識でした。

ただし、そんな言い訳は妻に通じるはずもなく、それからもスキーリゾートに滞在中、妻はチクチクと夫を責め、やるべきことをしなかった彼をどうしても許せなくなる、というのがストーリーの流れです。

これまた男女で意見が真っ二つに分かれそうな映画で、面白かったですね。僕の目線ではトマスが逃げ出すのもまあ無理はないなぁ、と思いました。もちろん格好いい行動ではないし、子供たちを守るのが先決なのか分かっています。でも実際、あの状況でそれができたかと言ったらできなかったのでしょう。

それになによりまず自分の命を確保しないことには他人を助けるもなにもできないのです。だから僕の認識はトマスは人間の本能に従って生存する選択肢を選んだと捉えることができました。

例えば日本でもよく川で溺れた子供を助けるために大人が川に救出に入って、大人も子供も溺死してしまうという事故があるじゃないですか。

親の心情としては自分の命をかけてでも子供を救いたい。でも危険な川に身を投げるのは自殺行為で、結局一人の被害者が二人に増えてしまうと考えると、英雄的行為が果たして正しいのかどうかってなかなか難しいですよね。

トマスの家族が体験した雪崩を感情論で語り出すと、当然、父親のくせに、男のくせに逃げるなんて情けないなどといった意見が聞こえてきそうです。おそらく男が家族を守るべきだと考える人たちは当然、アンチトマスの意見になるでしょう。

しかし本当にそうでしょうか。この問題で一つポイントなのは、結局は雪崩によって誰も怪我をせず、家族全員の命が無事だったということです。つまり運よく、大事故には至らなかったのです。

こうなったときに不幸中の幸いを素直に喜ぶか、それとも幸い中の不幸を嘆くかで、かなりその人の性格が現れますよね。

僕からしたらやっぱり結果的に家族が無事だったということが一番大事なわけだから「もうお父さんったら、自分だけ逃げちゃうんだから、ハハハ」って笑って終わらせばいいと思うんですよ。

だって、あなたが逃げたせいで、もしかしたら子供たちが死んでたかもしれないだ、などと仮定の話をしだしたら、それこそ不毛な議論じゃん。

これでもし誰か死人が出ていたらそのときはエバがトマスを責めたくなる気持ちもまだ理解できますよ。でも結果オーライな話なのにネチネチしつこくトマスをつつくエバは僕からしたら最低の女でしたね。

それも友人カップルが部屋に来ているときにその話題を出して、空気をぶち壊すという反則業まで使うなんてちょっと信じられなかったです。

僕がトマスだったらこっちから離婚届け叩きつけてやりますよ。お前の理想の夫像をこっちにぶつけてくるなよって話じゃん。

エバはほかの既婚女性が自由恋愛をしていたらそれに対しても自分の考えを押し付けようとしていたぐらいなので、よっぽど頭の固い、融通の利かない奴なんでしょう。あと、どうでもいいけど、夫がいるバスルームの中で、堂々とおしっこするの止めてもらえませんでしょうか。羞恥心もない、こんな強い女なら別に守らなくてもいいかってトマスも本能的に思っちゃったのかもしれないよね。

終盤、悪天候の中で家族が最後にスキーしたシーンで、エバが姿を消しますが、あれはきっとわざとですよ。ああやってトマスが自分のことを助けに来てくれるかどうかを試していたんだと思います。

でもてめえの不信感をぬぐうための自作自演の行動のせいで、子供二人を吹雪の中に置いてけぼりにしてるんですよ。雪崩で子供をかばわなかったからといって逆上していた女が、子供二人を危険な目に遭わせているんだから救いようがないですね。

僕がトマスだったら「じゃあ行こうか。お母さんはあそこに残りたいんだって」って言いながら子供たちと二人で山を下りてますね。そして凍り付いたエバを余所に、スキー場で新しいホットなお母さんを探します。

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