暗数殺人は期待を裏切らない実話スリラー!感想とネタバレ

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合格点に十分達している韓国発サイコスリラー。娯楽映画として普通に面白いです。60点

暗数殺人のあらすじ

映画『暗数殺人』予告編

麻薬捜査官のキム・ヒョンミンはある日、食堂で、ある者に頼まれて遺体を運んだことがあるという男カン・テオから話を聞いていた。すると、そこに警察が押し入り、カン・テオを逮捕する。カン・テオは恋人を殺害したと疑われていた。

ある日、そんなカン・テオからキム・ヒョンミンに電話がかかってくる。自分が殺したのは一人じゃなく、7人だというのだ。

刑事は信用できないからキム・ヒョンミンにそのことを話したいといった。キム・ヒョンミンは留置所を訪れ、カン・テオが今まで犯した殺人について紙に書かせた。カン・テオは犯行の詳細を記憶していた。そして地図を書いて遺体や被害者の衣服がある場所を教えた。

キム・ヒョンミンはカン・テオの情報を基に独自に証拠を探すことにする。しかしそれはカン・テオが仕組んだ罠でもあった。

暗数殺人のキャスト

  • キム・ユンソク
  • チュ・ジフン
  • チン・ソンギュ
  • チョン・ジョンジュン

暗数殺人の感想と評価

キム・テギュン監督による、韓国で実際にあった連続殺人事件をモチーフにした恐怖の物語。

殺人を犯すことに一切の抵抗がなく、自慢げに犯行を語るサイコパスと、彼に翻弄される警察のバトルを描いた刑事ものです。

演技は上手いし、テンポは良く、エンタメ性は十分でゾクゾクしながら楽しめる韓国映画です。犯人のいかれっぷりがよく、また犯人役を演じたチュ・ジフンも存在感がありました。

暴力描写はほかの韓国スリラーと比べると、それほどでもないです。あそこはもっとグロテスクにしてもよかったかもしれないですね。しかし殺人が起こるシチュエーションにはぞっとさせられることでしょう。

この映画で描かれている犯人は、ほとんどの場合、衝動的に犯行に及んでいます。いわばむかついたから殺しちゃったみたいなノリです。ひどいケースだと相手と肩がぶつかったから殺しちゃう事件まであって、完全に殺し癖がついちゃってるんですよね。一番最初に人を殺したのが10代だからね。殺し屋としてはエリートだけど、社会人としてはクズ中のクズで、もはや人間的なモラルを持ち合わせていません。

この映画がほかの韓国スリラーと違うのは、最初から犯人が明らかになっている点にあります。つまり犯人を捕まえるのを目的とした刑事ドラマではなく、シリアルキラーが手を染めた殺人の証拠の数々を集め、事件の全貌を解明し、男が二度と社会に出てこないために刑事が戦う裁判ドラマといえそうです。

シリアルキラーは最初こそ自慢げに殺人について語りますが、いざ裁判が始まると証言を二転三転させ、警察に自白を強要された、警察から賄賂を受け取っていた、などと警察の信用を落とすカードを用意します。その結果、減刑を勝ち取ろうとするのでした。

一方の刑事は嘘か本当かも分からないシリアルキラーの言うことをとりあえず信じて、証拠集めに奮闘しているうちに、また同じ男が犯したであろう別の殺人事件にたどり着く、というのが話の流れになっていました。

カン・テオのような愉快犯を相手にするのは警察からしたら本当にしんどそうですね。彼の証言をうのみにして捜査をすればそれこそ大勢の捜査官を出動させるコストと時間を奪われるリスクがあるからです。

それでも遺体が見つからずに、成仏できない被害者のことを思って、執念で捜査を続けるキム・ヒョンミン刑事は男前ですね。「殺人の追憶」「カエル少年失踪殺人事件」、「あいつの声」などを見ても未解決事件を追う刑事の姿はどこかオーバーラップしますね。

気が遠くなるような情報を集め、取りつかれたように犯人を追う、彼のような刑事の存在なしでは凶悪犯罪も闇に葬られてしまうのでしょうか。

劇中では時効について語られるシーンが多々あるんですが、当時は凶悪犯罪でも時効の期間がかなり短かったみたいですね。あれじゃあ未解決事件ばかりになっちゃうのも仕方ないですね。その後、殺人罪の時効は廃止されたみたいだけど、それで少しは未解決事件は減ったんでしょうか。

それにしても韓国ではとんでもない病的な連続殺人事件がときどき起こりますよね。桁違いな被害者が出るのは、犯人を捕まえられない警察の能力の問題なのか、あるいは社会的な背景があるんでしょうか。そもそも実話が身の毛のよだつ事件ばかりだから、映画化したらそりゃあ怖くなるよね。

コメント

  1. きのこ食べすぎ より:

    韓国の犯罪映画は「娯楽性」を忘れないところが美点だと思います。