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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコは実話友情物語!感想

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この記事は 約5 分で読めます。

ある家を通じて、自分自身を見つめ直していく黒人青年を描いたヒューマンドラマ。絶賛するほどの映画じゃないけど、それなりにいい話です。59点

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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのあらすじ

黒人の青年ジミー・フェイルズはサンフランシスコの港ベイビューハンターズポイントにある親友モントの家で居候していた。

ジミー・フェイルズは毎日、モントと一緒に家の前でバスが通るのを待っていた。バスが来ないときはスケートボードにモントと二人乗りして、高級住宅地フィルモア地区に向かった。

そこにはかつてジミー・フェイルズの祖父が建てた大きな一軒家があった。ジミー・フェイルズが幼少期を過ごした思い出の場所だった。ジミー・フェイルズの祖父はサンフランシスコに来た最初の黒人だと彼は言う。

その歴史ある家には現在白人の老夫婦が住んでいた。老夫婦がいないときを見計らってジミー・フェイルズは家の外壁にペンキを塗ったりしてメインテナンスをするのが好きだった。いつかそこに住んだときのために彼は家を綺麗にしておきたかったのだ。

ある日、ジミー・フェイルズは老夫婦が家から引っ越していくのを見た。なんでも母親が亡くなり、姉妹と家の相続について揉めているらしかった。

相続問題が解決するには数年かかりそうだと聞いて、ジミー・フェイルズとモントは空っぽになった家に勝手に侵入し、自分の家具や所持品を持ち込んで住み着いてしまう。ずっと居候生活だったジミー・フェイルズにとっては久々に自由になれた気がした瞬間だった。しかしそんな自由も当然長くは続かなかった。

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのキャスト

  • ジミー・フェイルズ
  • ジョナサン・メジャース
  • ダニー・グローヴァー
  • ロブ・モーガン
  • マイク・エップス

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコの感想と評価

ジョー・タルボット監督による長編デビュー作。主演しているジミー・フェイルズのセミバイオグラフィーといわれる実話とフィクションのミックスです。

かつて住んだことのある、思い出と歴史の詰まった家に強い愛着を抱いている黒人青年が親友と許可なくそこに移り住み、自分自身と向き合っていく様子を描いた友情ドラマです。

ややストーリーが抽象的で分かりにくさはあります。芸術路線の作品なので万人受けする話じゃないです。僕はそこそこ楽しめました。

まず、驚かされるのが現在のサンフランシスを描いているにも関わらず、終始レトロな雰囲気をかもしている絵です。主人公二人の古着中心の服装もそうだし、古い家や家具ばかりを選んでいるのもあって、てっきり昔の話かと思っちゃったほどです。

ヴィジュアルデザインのセンスはどこか「天才マックスの世界」、「グランド・ブダペスト・ホテル」、「ダージリン急行」、「犬ヶ島」でお馴染みのウェス・アンダーソン監督の世界観を彷彿とさせます。

一目見てその美しさやユニークさが際立っている絵に対し、ストーリーが何を伝えようとしているかを理解するまでには結構時間がかかるのが特徴です。

てっきり最初は黒人に対する人種差別映画なのかと思ってましたが、違いましたね。黒人が主人公であることには違いないし、社会的、歴史的背景がメインのテーマと無関係とはいえないけど、主に監督が描きたかったのは愛と友情だったのかなぁ、という印象を受けました。

ジョー・タルボット監督はあるインタビューで、この物語は、主人公の青年と家によるラブストーリーだとも語っていましたが、なるほどそういう見方をすると伝えたかったことがクリアになりそうです。

ただ、貧しい青年が、自分の家でもない場所に不法侵入して移り住んでしまうことを美談にしているような雰囲気があるのも否めないです。この映画に抵抗を覚える人がいるとしたら、きっとあの部分じゃないかなぁ。あそこだけファンタジーでしたよね。

実際、あんなことされたら家主からしたらたまったもんじゃないからね。追い出すのも大変だし。

主人公のジミー・フェイルズは、異常なほど昔住んでいた家に執着していて、毎日住人がいないときを見計らってメンテナンス作業をしにいくほどのとりつかれぶりです。彼にとってあの家は幸福の象徴だったんでしょうね。

あるいは自分の祖父が築いたもの、すなわち自分のルーツだという意識があって、白人の高級住宅地区に黒人としてかつて住んでいたプライドや特別感みたいなものを表すステータスでもあったんでしょうか。

そしていつかまたあの家に住んでやる、という強い思いを抱きながら、しかしそんなお金は持ち合わせていない、という現実に苦しみながら生きていく、というのが物語のあらすじです。

アイデンティティーの追求の物語とも捉えることができるものの、やはり見所はそんなジミー・フェイルズを影ながら支えるモントとの関係にありますね。

二人の関係については同性愛的なものがあるのか、あるいはただの友情なのか。そこはあえて触れていませんでした。

サンフランシスといえば、世界でも最大級のゲイコミュニティーがあることで知られている場所なので同性愛を連想してしまう人も少なくないんじゃないでしょうか。二人のキャラがどこか中性的なのも意図的のような気がします。

しかしおそらく監督は性的志向については白黒つけたくなかったんでしょうね。ストーリー的にも友情関係にとどめておくことのほうが美しくなると判断したのかもしれません。

ちなみにジョー・タルボット監督は実際主演のジミー・フェイルズと昔からの親友で、二人の実際の関係性もかなりストーリーに影響を与えているはずです。

面白いのがこんなゴリゴリの黒人映画をデビュー作に選んでいるジョー・タルボット監督は白人だということです。だったらモント役も白人にしてもよかったんじゃないのかなぁ。ベタな白人と黒人の友情ドラマにはしたくなかったのかね。

コメント

  1. ちー より:

    最近は芸術路線作品の理解にも自信がついてきたと思っていたのですが、これは最初の1時間くらいはストーリーが見えませんでした。
    そうですね、明らかに不法侵入でしたねwwストーリーがわかってからは、ジミーにとってあの家は事実に関わらず生きるよすがだったんだなあ、と少し切なくなりました。
    ラストは、一歩前へ踏み出したジミーにじんわりきました。