黒人女性警官を主人公にしたアクション劇。リアリティーには欠けるものの、そこそこ楽しいです。53点
映画のブラック・アンド・ブルーのあらすじ
退役軍人のアリシア・ウェストは軍隊を辞めた後、故郷のニューオーリンズで警察官になった。彼女の職場のパートナー、ケヴィンはニューオーリンズの街が、アリシアが戦場に行っている間にもいかに腐敗していったかをアリシアに話した。
ある日、妻とのデートを控えていたケヴィンが警察署を出ようとしているとき、臨時のシフトを頼まれることになった。アリシアはケヴィンの妻のことを思って自分が代わりにシフトに出ると名乗り出る。
その晩、アリシアは麻薬捜査官たちと馴染みの深いブラウンと組むことになった。アリシアはブラウンに連れられ、郊外のある廃墟へと向かった。車で待ってろと言われたので車内にいると、突然銃声が鳴り響いた。
心配になって廃墟の中へと入って行くと、そこでは麻薬取締局の警官たちが麻薬の売人らしき男たちを射殺していたのだった。
警官たちはアリシアに気づき、アリシアのことも殺そうとする。アリシアは銃弾を受けながらもなんとかそこから脱出する。一部始終はアリシアのボディカメラに収められていたこともあり、それを機に彼女は悪徳警官のグループから命を狙われることになる。
映画ブラック・アンド・ブルーのキャスト
- ナオミ・ハリス
- タイリース・ギブソン
- フランク・グリロ
- マイク・コルター
- レイド・スコット
- ボー・ナップ
ブラック・アンド・ブルーの感想と評価
デオン・テイラー監督による警察アクションドラマ。警察の汚職と殺人事件にたった一人で立ち向かう勇敢な黒人女性の戦いを描いた物語です。
この映画を見て、多くの人がまず「トレーニングデイ」を思い浮かべるのではないでしょうか。といっても「トレーニングデイ」の完成度には及ばず、ほかの「トレーニングデイ」もどき映画と同じく悪徳警官を題材にしたベタな路線を行っています。主人公を黒人女性に変えただけといえなくもないです。
話の流れとしてはヒロインが警官による殺人事件を目撃する＞ボディカメラに全てを録画する＞証拠隠滅のために警官たちからヒロインが命を狙われる＞逃亡する＞ヒロインが殺人犯に仕立て上げられる＞身の潔白を証明するために戦う、といった感じです。
さらにそこにギャングまで乱入してきてヒロインが警官たちからもギャングからも命を狙われる、というプロレスみたいなシナリオになっていました。
タイトルのブラック・アンド・ブルーには、黒人ＶＳ警察という意味合いがあって、また「痣だらけ」といった英語の言い回しの意味ともかけているような印象です。
貧困層やギャングたちからすると、警官は目の敵であるのに対し、警官からすると黒人たちは警察の敵だ、という描かれ方がされていて、たとえ黒人警官であっても警察官になれば警察側、つまり黒人の敵だという構図になっていました。
しかしそんな社会の分断に反対するのが正義感の強い黒人女性のヒロインで、彼女はどんな人も一人の人間だ、という信念のもと、警察だろうと、殺人を起こすのは許さないといって最後まで戦うのです。
ストーリーは序盤こそまあまあ見ごたえがあるんですが、あまりにも悪い警官が多すぎるのと、証拠もなしにヒロインが殺人犯の容疑者になっちゃう下りなんかはかなり間抜けで、真面目に見る話ではないです。
警察が悪いのはいいんだけど、悪の描き方が幼稚ですね。ギャングたちと麻薬捜査官が裏でつながっていて、ニューオーリンズの警官は、ヒロインを覗いてほぼほぼみんな悪人みたいな設定なのがいけません。白人全員を悪としているのもわざとらしいです。
突っ込みどころも多く、ボディカメラの映像をアップロードしに、一般人の兄ちゃんが警察署に忍び込んだり、終盤のやり過ぎ感はあまりにもひどいですね。
一方でテンポはいいし、ヒロインが追い込まれていく様子は面白く、娯楽映画としてはまあまあ見れるレベルです。ヒロインを演じたナオミ・ハリスの制服姿も似合っていましたね。黒人女性警官が主人公っていう設定もハリウッド映画ではそんなにないですよね。なんかあったっけ？ ハル・ベリーの「ザ・コール緊急通報指令室」ぐらいしか思い出せないです。
途中、主人公が腹を撃たれ、傷口をセメダインでふさごうとするシーンがあって、その痛々しさが印象的でした。
彼女はその応急措置を戦場で覚えたんだなどと言うんですが、本当に戦場ではあんなことするんですかね。動いたらすぐ傷口広がっちゃいそうなもんだけど。ばい菌入らないのかなぁ。
コメント
僕的には良い作品であっという間に見れました、85点ですね。
今時のCGもなく有名なヒロインの為の映画でもないそこもよいですね。
目的が悪事を映したビデオを暴くというシンプルな内容の為その他のシーンをじっくりと見れるというのも良いですね。