リトル・ジョーは怖くないけど興味深い!感想とネタバレ

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怖くはないけど、興味深く登場人物の行動を追える欧州映画。静かに淡々と物語が進んでいくミニシアター系作品です。62点

リトル・ジョーのあらすじ

カンヌで女優賞!ボタニカルホラー『リトル・ジョー』予告編

植物ブリーダーのアリスは遺伝子組み換えによって新種の植物を開発する。その植物は人に話しかけられたり、優しくされると、幸せになる香りを放つ全く新しい植物だった。それを彼女は息子の名前を取ってリトル・ジョーと名付けた。

ある日、アリスは会社に黙って一本のリトル・ジョーを家に持ち帰ってしまう。そしてそれを息子のジョーにプレゼントした。ジョーは喜んでリトル・ジョーを育てていった。

しかしいつからかジョーの様子がおかしくなった。ずっと素直だった彼が母親のアリスに反抗的になり、知らない女の子を家に連れて来るようになった。

会話が通じなくなり、ジョーが何を考えているのかさえアリスにはほとんど分からなかった。

会社ではリトル・ジョーが放つ花粉が脳に到達し、なんらかのダメージ、または変化を与えるのではないかといったことを社員のベラが抗議するようになった。

彼女の犬がリトル・ジョーが保管されている部屋に入ったことでおかしくなったからだ。

アリスは最初こそベラの主張を聞こうとしはしなかったが、息子の様子がおかしくなるにつれ、もしかしたら、と信じるようになっていった。

リトル・ジョーを一般の消費者に試し、感想を聞いていくと、消費者までリトル・ジョーのせいで性格が変わった、という意見が多く挙がった。

しかしそれを科学的に証明することは不可能だった。なによりリトル・ジョーによって変化した本人たちはみんな幸せそうだったために開発は続けられることになった。

リトル・ジョーのキャスト

  • エミリー・ビーチャム
  • ベン・ウィショー
  • ケリー・フォックス
  • キット・コナー
  • デヴィッド・ウィルモット
  • リアン・ベスト
  • リンジー・ダンカン
  • ゴラン・コスティッチ

リトル・ジョーの感想と評価

ルルドの泉で」のジェシカ・ハウスナー監督による新感覚スリラー。植物が人を襲う、というこれまでにない斬新なプロットをもとに、微妙な恐怖と気味悪さ、そしてブラックユーモアを演出しています。

ジャンルをカテゴライズするのが難しい映画ですね。ホラーともいえるし、スリラーともいえるし、あるいはブラックコメディともいえそうです。

監督の意図が掴みにくく、終始微妙な路線を行きつつ、全ての出来事を緩く、そしてゆっくり描いていきます。

血生臭い事件は一切起こらず、誰も死なないし、ある意味誰も傷つかない話といえるかもしれません。

そのせいでインパクトの薄い映画という印象を受ける人がいても不思議ではないし、物足りなさを感じる人もいるでしょう。

僕的にはもうちょっと強烈なオチがあったら、なおよかったなぁ、という感想を抱きました。でも全体的には質が高いし、面白かったです。

新種の植物が人を次々と襲う、というのもとらえ方次第です。植物のリトル・ジョーは花粉を放ち、それを吸い込んだ者を幸せにする作用があるんですが、本人たちはみんな幸せを感じている一方で、周囲の人間たちは性格の変化に困惑してしまいます。

そしてその幸福感は花粉を吸い込み、”感染”した者にしか分からない独特の感覚で、周囲の人たちからしたら理解できない彼らの感覚がやはり気持ち悪いのでした。

どこか麻薬中毒者と、非麻薬中毒の関係性とも似ていますね。らりっている本人たちは幸せ一杯なのに対し、その感覚を理解できない人達は彼らを奇異の目で見つめ、恐怖を抱く状況がまさに同じです。

麻薬と違うのは、リトル・ジョーの場合、表面的に健康に被害を与えない点にあって、それゆえに誰も開発や販売を止められません。

だからこそリトル・ジョーは果たしていい植物なのか、悪い植物なのか判断に困る存在になっていくのがなかなか興味深かったです。

自分を置いてけぼりにして幸せになっていく人たちに対して、勝手に疎外感を受けたり、偏見を持ったりする非感染者たちの心境が特に面白かったです。

感染者たちにもとの本人に戻って欲しいと願うところはエゴでしかなく、自分の子供やパートナーたちに「昔はこんなじゃなかった」といって残念がる姿は、現実でもある話でしたね。

映像のおいては全体的に色の使い方にセンスを感じました。登場人物たちのカラフルな服装。リトル・ジョーの強い赤。会社やそれ以外の場所で使われている光など、それぞれがシュールな世界を演出するのには十分でした。あの色のせいで、ただの不気味な話に芸術性が加わった感がありますね。

BGMにはなぜか意図的に日本の伝統音楽が使われています。それは物語の背景とはあまにもミスマッチで、それが効果的とも、逆効果ともどっちに転んでもおかしくない微妙な使い方をしています。

最初はとくに気にせず見られたけど、日本の音楽を多用しぎたせいで、僕にとってはあのBGMは後半からかなり余計なものに感じられました。

マジカル・ガール」もそうだったけど、中途半端な日本びいきいらないよね。日本人視聴者にとったら滑稽でしかないもん。

コメント

  1. トト より:

    初めまして自分はマーティン・スコセッシの映画が気になっていて今度観賞してみようと思っているんですよそこで主さんのおすすめをランキング形式で紹介していただけませんか?

    • 映画男映画男 より:

      マーティン・スコセッシ監督は作品が多いので、なかなかランキング作るのは大変ですね。日本未公開作品とかもあるので。おすすめはカジノ
      アイリッシュマン、グッドフェローズあたりです。

  2. りゅぬぁってゃ より:

    植物が人を襲う話は『リトルショップ・オブ・ホラーズ』や『ゴジラVSビオランテ』が真っ先に思い浮かびます。でもあれは人喰い植物だから手段が違いますが。

    あと人が急変する恐怖を描いたなら『ブルー・クリスマス』もありますね。
    血の色が青くなった人間が相次いで発見される。青い血の人間は以前より穏やか かつ冷静な性格に変わっていた。
    しかし、世界中の為政者が「根拠は無いけど気味が悪いから」と次々と殺処分しようとする。

    って話です。

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