スウィングキッズはダンスだけでも見る価値ある!感想とネタバレ

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笑いとダンスによる娯楽性の高い韓国映画。プロのブロードウェイダンサーによるタップダンスは一見の価値ありです。55点(100点満点)

スウィングキッズのあらすじ

『スウィング・キッズ』【特報】2020年1月公開!

朝鮮戦争の真っ只中の1951年、アメリカ軍の支配下にあった巨済島捕虜収容所では共産主義である朝鮮民主主義人民共和国と、資本主義を掲げる大韓民国の兵士や国民たちが別々に収監されていた。

北の捕虜は、南の捕虜を「裏切り者」と呼び、目の敵にしていた。中でもロ・ギスは兄弟や国に対する忠誠心が強く、北の捕虜たちからも一目置かれる存在だった。

ある日、収容所の所長は対外イメージ向上のために北と南の捕虜たちを集めてダンスチームを結成することを提案する。そのときにチームのまとめ役として任命されたのが黒人の元ダンサー、ジャクソンだった。

ジャクソンはアメリカ軍人でありながら軍の中で白人兵士から差別を受けていた。そのため彼には信頼できる仲間がいなかった。

そんなジャクソンは、政治主義、国籍、性別などを問わず踊りの好きなダンサーたちを公平にオーディションする。

そこで集まったのが北のロ・ギス、南の女性通訳のヤン・パンネ、民間人捕虜のカン・ビョンサム、中国人捕虜のシャオパンというメンバーたちだった。

彼らはたちまちタップダンスに魅了され、クリスマスの行事で踊るために特訓することに。しかし北の捕虜たちは密かにクリスマスに暴動を起こそうと企てていた。

スウィングキッズのキャスト

  • ジャレッド・グライムス
  • D.O.
  • パク・ヘス
  • オ・ジョンセ

スウィングキッズの感想と評価

「サニー 永遠の仲間たち」のカン・ヒョンチョル監督によるダンスミュージカル。朝鮮戦争によって分断された南北朝鮮民族の人々の収容所での暮らしをタップダンスを交えてユーモアに描いた、戦争ドラマとコメディーのミックスです。

戦場のメリークリスマス」に笑いと踊りを加えて、ポップにした感じをイメージしてもらえばいいです。

時代背景が戦時中の朝鮮半島ということもあり、本来はシリアスな話ではあるものの、ギャグ漫画的な演出のおかげで、ただの暗くてお堅い戦争物語にはならずに済んでいます。

特にダンスシーンは、ミュージシャンのミュージックビデオのような撮り方になっていて、音とリズムと映像の融合が、いかにも大衆受けする仕上がりになっていました。

アメリカ軍人と朝鮮人が喧嘩する下りまでダンスで戦ったり、ダンサー同士が踊りでメッセージを交換するなど、そんなバカな、という演出も少なくないですが、ユーモアがリアリティーのなさを超越しているようなところがあって、エンタメ度の高い売れる映画だなぁ、という印象を受けました。日本でもそこそこヒットするんじゃないかなぁ。

ダンスをテーマにしているだけあって、ちゃんと踊れる人を起用しているのもいいですね。ダンスチームの監督であるジャクソン役に抜擢されているのは、本物のブロードウェイミュージカルのダンサー、ジャレッド・グライムスです。

彼の役どころはかつてブロードウェイのダンサーだったという設定なので、ストーリーともマッチしているし、また踊りを見たら即本物であることが分かります。

たとえその分野に詳しくない人でも、「あ、この人はプロだわ」と見る人を黙らせる威力のあるパフォーマンスってすごいですよね。それがまさにジャレッド・グライムスの踊りでした。

また、ロ・ギス役にはK-POPグループ「EXO」のD.O.が起用されていて、彼もまた素晴らしい踊りを披露していて、日本のアイドルグループとかのレベルとは比べ物になりません。ソロで踊るシーンも格好良く撮れていましたね。

ほぼほぼ二人のダンスシーンを見せるためにある映画といっても過言じゃないし、それだけでも十分に見る価値があったな、という気がしました。

これでもっとストーリー性に長けていたら名作になっていただけに惜しいですね。あまりイデオロギーや民族意識や人間性といった点については描き切れていないかなぁ。

そもそも主人公のロ・ギスが何を考えているのか最後まで分からなかった、というのもあるし、ロ・ギスとジャクソンの友情関係をもっと深めていくストーリーでもよかったですね。

結局、二人はダンサーとしてお互いをリスペクトしているだけで、人間として認め合っているというレベルにまでは達していませんでしたね。少なくとも僕の目にはそう映りました。

だからジャクソンがラストで一体どういう気持ちで、ロ・ギスのことを思い出していたのかがあまり想像できませんでした。

もしかしたら韓国人が見たら、シチュエーションや登場人物に感情移入してジーンと来る場面もあるのかもしれませんが、それ以外の人が見たらそれほど普遍的な要素があるとは言い難いです。

とはいえ、なんだかんだいってもそこそこ楽しめたからいっか、というタイプの映画です。少なくとも「ラ・ラ・ランド」なんかよりは断然面白いです。

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