君の名前で僕を呼んで(原題CALL ME BY YOUR NAME)

ストレートの人でも十分に楽しめる大人向け芸術路線同性愛映画。セクシャリティーを超えた普遍的で上質な作品です。67点(100点満点)

君の名前で僕を呼んでのあらすじ

1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と過ごす17歳のエリオ(ティモテ・シャラメ)は、大学教授の父が招待した年上の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会う。一緒に自転車で散策したり泳いだり、読書したり音楽を聴いたりするうちに、エリオはオリヴァーに恋心を抱く。やがてその思いは通じるが、夏の終わりが近づくにつれてオリヴァーが避暑地を去る日が近くなり……。

シネマトゥデイより

君の名前で僕を呼んでの感想

ルカ・グァダニーノ監督によるアンドレ・アシマンの同名小説の映画化で、甘酸っぱいひと夏の同性愛を描いた恋愛青春ドラマ。

「ブロークバック・マウンテン」と「愛人/ラマン」をミックスしたような話で、年齢差のある男二人の禁じられた恋が題材となっています。

物語の舞台はイタリアの田舎町。そこにある別荘で毎年、夏の休暇を過ごすイタリア系の家族の家を、アメリカ人の大学院生であるオリヴァーが訪れます。

一人息子で高校生のエリオは最初こそ自分勝手で、インテリぶったオリヴァーに嫌悪感を抱くものの、一緒にプールで泳いだり、散歩をしたりしているうちに徐々に二人は距離を縮めていく、というのがストーリーの流れです。

何も知らずに見たので同性愛をテーマにした話であることも知りませんでした。しかしやたらと男たちが上半身裸になるのでかなり早い時間帯で、「あら、これはもしかして」とボーイズラブの雰囲気を感じる取ることができました。

基本的に僕は同性愛ドラマを見ても、理解できなかったり、あまり面白く感じないんですが、この映画は色んな意味で面白かったです。意表をつかれました。スローで退屈な時間帯もありますが、特に中盤から後半にかけては話に引き寄せられます。

どういう楽しみ方で見るのが正しい姿勢なのかは分からないけど、未成年の少年とおっさんが危なっかしい恋愛をしている中、いつか周囲にばれて修羅場になるんではないかといった危険な香りにハラハラしてしまい、「そんなことしたらお父さんとお母さんに見つかっちゃうよ!」と散々茶々を入れながらも、ふと興奮している自分がいたのです。

なんだろう、この感覚。ストレートの僕が見てもそんなんだから、ゲイの人たちが見たら興奮やら感動やら哀愁やら、色々な感情が重なって、やばいことになるんじゃないかな。

キャッキャいいながら、いちゃいちゃしている二人を見ていたら、気持ち悪いと思ったり、恥ずかしくなったりして、笑ってしまいました。オリヴァーなんて途中、乙女みたいな顔になってたしね。

しかしその一方で、二人の一貫した態度を見ていると、おっさんが少年にいたずらしているだけの火遊びではない、マジの情熱を感じることができて、共感を呼び起こします。

そして終盤にかけては甘酸っぱさ全開で話が進んでいき、決して悲劇にならず、ただのいい話になっていくのでした。

人生でそう何度もない出会い。一生忘れることのない恋。オリヴァーとエリオの間には性別や年齢を超越した特別なものがあったようです。

特にエリオの家族の息子とオリヴァーに対する寛容さが素晴らしく、さすがインテリの家系はリベラルだなぁと思いました。それとも裕福だからあんなに心に余裕があるんでしょうか。エリオのお父さんの告白もサプライズだったし、色んな仕掛けをラストに用意していましたね。

タイトルにある「君の名前で僕を呼んで」というのはそれだけを聞くと意味不明ですが、要するに恋人同士がふざけ合って名前を交換して呼び合う遊びのことを指しています。

いい歳したおっさんオリヴァーが「僕のことをエリオって呼んで、君のことをオリヴァーって呼ぶから」などと言っている姿はアホそのものです。でもみんなそんなことしてるからね、恋愛中って。

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