ビニー/信じる男(原題Bleed for This)

ボクサーが大怪我から復活を果たすまでを描く実話ベースの物語。キャストの演技が良く、奇跡的なストーリーに勇気とインスピレーションをもらうこと間違いなしです。66点(100点満点)

あらすじ

世界チャンピオンとなり栄光を手にしたボクサー、ビニー・パジェンサ(マイルズ・テラー)は、交通事故で首を骨折する。歩くこともままならず復帰を絶望視した周囲の人々が離れていく中、ビニーは諦めず再起を決意。トレーナーのケビン(アーロン・エッカート)に支えられ過酷なトレーニングに励み、再び王座に君臨すべく必死に努力を重ね……。

シネマトゥデイより

ビニー/信じる男は諦めない熱い男の実話

ベン・ヤンガー監督による実在するボクサー、ビニー・パジェンサの半生を描いたスポ根ドラマ。自動車事故で首を骨折しながら、王座に返り咲くことを決して諦めなかった男の強いハートと根性に胸が熱くなりました。最近、見たボクシング映画ではダントツに良かったです。

ビニー・パジェンサは1980年代から2000年初期まで活躍し、フロイド・メイウェザーの叔父であるロジャー・メイウェザーと対戦したこともある選手です。

ロジャー・メイウェザー戦の敗戦後、ビニー・パジェンサは階級を上げてWBA世界スーパーウェルター級王者ジルベール・デュレに挑戦し、王座を獲得します。

ところが王座に上り詰めた直後、友人が運転していた車が正面衝突を起こし、ビニー・パジェンサは意識不明で病院に運ばれます。

奇跡的に一命は取り留めたものの、ビニー・パジェンサは首を骨折してしまい、医師からは歩けるようになるかどうかも分からないと告げられます。

それでもビニー・パジェンサはもう一度リングに上がるため、頭にボルトを入れて固定するリスクの高いハローベストによる治療を決断。

誰もがもうボクシングをすることは無理だと思っていた最中、ビニー・パジェンサだけは絶対にできると信じて密かに自宅の地下のジムでトレーニングを始める、、、というのがあらすじです。

ハローベストをつけながら彼がトレーニングする実際の様子は映像に残っています。信じられないファイティングスピリッツですね。これだけでもちょっとジーンと来ちゃいます。

ビニー・パジェンサを演じるのは「セッション」でドラマーの青年を演じたマイルズ・テラーです。ボクシング技術は一目で素人だと分かってしまうのが残念ですが、ボクシングシーン以外は内に秘めた闘志を感じさせるパフォーマンスを披露しています。

ボクシングはシャドーをしただけでもレベルがバレてしまうだけに演技もごまかしが利かないので大変ですね。ボクシング経験者を起用すればいいんだろうけど、演技ができる人がなかなか見つからないんでしょうか。今更ミッキー・ロークを使うわけにもいかないし。

マイルズ・テラーに限らず、脇を固めた俳優たちがそれぞれいい味出していました。トレーナー、ビニー・パジェンサのお父さん、マネージャーたちがそれぞれ濃いキャラをしていて、特にマイク・タイソンのトレーナーもしていたケビン・ルーニーが男気がある心優しい人物として描かれており、なかなか人間味を感じさせます。

時間の関係かあるいはストーリー上の都合か、ビニー・パジェンサのボクシング人生の一部を飛び飛びで紹介していて、省かれている試合があったり、実際の出来事とは多少違うところもあるようです。

ベン・ヤンガー監督は事実を忠実に描くより、復活劇を中心を描きたかったんでしょうね。ロッキーシリーズやその他のボクシング映画との違いは、練習や試合にそこまで時間を割いていないところです。

また、対戦相手をライバルとして引き立てるような演出も一切せず、あくまでもビニー・パジェンサの静かな闘志にフォーカスしていたのが良かったです。

彼のラストのセリフが格好良かったです。

「人々が俺に言った最大の嘘は『(物事は)そんなシンプルじゃないんだ』という言葉だ。本当は何事もシンプルなのに。それは人々が誰かを諦めさせるためにいつも使う言葉だ」。

危険だ、リスキーだとかじゃなくて、やるかやらないかだけ。できる、できないじゃなく、もう一度リングに上がると決めたからには絶対にやる。人になんと言われようと、ここまで自分を信じられるっていうのもすごい話です。男として惚れました。

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