2017/08/03

ディストピア・パンドラの少女(原題THE GIRL WITH ALL THE GIFTS)

イギリス発、盛り上がりと迫力に欠けるゾンビ映画。アクション度が低く、ストーリーが甘く、ラストのオチはなんだそりゃと言いたくなる作品です。11点(100点満点)

あらすじ

パンデミックにより人類の大多数が捕食本能に支配され凶暴化し、社会が崩壊した近未来。イングランドの田舎町にある軍事基地では、ウイルスに感染しながらも思考能力を保つ子供たち“セカンドチルドレン”から、全世界を救うワクチンを開発する研究が進められていた。ある日、その子供たちの中に知能を持つ少女メラニー(セニア・ナニュア)が現れ……。

シネマトゥデイより

ディストピア・パンドラの少女はつまらない

ゾンビ、ゾンビと人間のミックス、そして人間による世界滅亡系サバイバルドラマ。同名小説の映画化で、他のゾンビ映画とほとんど変わらない、オリジナリティーもなければ、エキサイティングでもない映画です。

唯一のユニークな設定はゾンビ対人間ではなく、ゾンビ対人間対ゾンビと人間のミックスといった構造になっているところでしょうか。

ゾンビと人間のミックスってなんだよって話しなんですが、ゾンビウイルスに犯されながらも、人間と同じように喋ったり、考えたりできるニューボーンたちのことで、普段は普通だけどお腹が空くと人間をはじめ動物たちを食べてしまう凶暴な子供たちを指します。

彼らの最大の特徴はミックスだけで仲間とみなされるのか、ゾンビたちには襲われないことで、ゾンビたちの間を涼しい顔ですり抜けていくこができます。

一方で人間がゾンビに噛まれると、ゾンビになってしまい、ゾンビのミックスに噛まれれば食い殺されてしまうことから、ゾンビだけでなくゾンビのミックスチルドレンたちに警戒しながら世界滅亡の危機と戦う、といった世界になっていました。

鍵を握るのはゾンビのミックスである黒人の女の子、メラニーです。彼女は人一倍知能が高く、軍事基地の職員からも好かれていて、人類を救うワクチンを開発するには彼女の身体が必要なんだそうです。つまり選ばれしニューボーンです。

このメラニーのキャラクターがまた中途半端で外見も微妙だし、演技もいまいちだし、存在感がなかったですね。しかしたとえメラニー役の女優が違っていたところで、あれ以上面白くはならなかったでしょう。

物語は、メラニーをはじめ、イギリス軍の兵士数人、ドクター、女性職員の数人のグループがゾンビに噛まれないように避難場所を求めて町から町へと移動をしていくところを描いていきます。

途中途中でウイルスだ、ワクチンだ、空気感染だなどと医学的な話をちょこちょこ入れてきますが、実情はただゾンビから逃げるだけの退屈なストーリーです。

一番見てられないシーンは子供同士による、しょぼい格闘シーンです。メラニーが犬のように吠えて相手を威嚇したかと思ったら野球のバットで殴り出すっていう全然野生さを感じさせない戦い方がいけません。今までなんでもかんでも噛み付いてたのはなんだったんだよ。

大人たちも自分たちの命が危険にさらされているのになぜか子供は殺しちゃダメみたいな生ぬるい感覚を持っていて、とても人類滅亡の危機に立たされている人たちの行動とは思えませんでした。そんな奴らを応援する気にはなれないので僕はずっとゾンビ側に立って鑑賞しました。

ディストピア・パンドラのラストのオチがしょぼすぎる

最後はアホなメラニーがあろうことかゾンビの木を燃やしてしまい、ウイルスが空気中に舞ってしまい、空気感染が起きます。

唯一の生き残りである女は、空気に触れるとゾンビになってしまうのでトラクターの中に閉じ込められた状態で外にいるチルドレンたちに「さあさあ、今日の授業を始めますよー」とNHKのお姉さんみたいなノリで号令をかけて幕が閉じます。果たしてあの女は外にも出れないのに何を食べて生き延びてるんでしょうか。

それにしても散々出尽くしたのになんでいまだに世界各国でゾンビ映画が作られているのかが理解できません。アホらしいのがどこの国の誰が作っても、「ゾンビに噛まれたらアウト」という既存のルールから離れようとしないんですよね。

ゾンビに噛まれたら、ゾンビになるってなにそれ?って感じです。どうせならゾンビに噛まれたら、ブスが美人になるとかのほうが夢があっていいですね。どうでもいいけどゾンビの名前が「ハングリー」って、すごいなそのネーミングセンス。

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