パトリック・ネスの小説を基にしたダークファンタジー。病気の母親と息子の関係を実写とアニメーションを織り交ぜて描いた盛り上がらない感動狙いの映画です。23点(100点満点)
怪物はささやくのあらすじ
少年コナーは不治の病を抱えた母親と厳しい祖母の前でもがき苦しんでいた。父親は離婚をきっかけに疎遠になり、学校ではいじめを受け、夜になると悪夢に襲われるようになっていた。
そんなある日、コナーの前に木の姿をした巨人の怪物が現れる。怪物はコナーに3つのストーリーを話しに来たといい、4つ目のストーリーはコナー自身が話せなければならないと告げる。
怪物はそれから毎日12時07分になると彼の前に現れ、その度にコナーに悪夢に立ち向かうように働きかけるが、、、
怪物はささやくは面白くない
「永遠のこどもたち」、「インポッシブル」、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」のJ・A・バヨナ監督による退屈でしょうがない駄作です。
巨人と少年の交流という点では「BFG」を彷彿させ、傷ついた少年が立ち直っていく過程を描くという点では「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」みたいでした。
ストーリーとキャラクターがどこかで見たことあるようなオリジナリティーを感じさせないものになっていて、起承転結も甘いです。「12時07分」の意味とか面倒臭い伏線も多いです。
あれでまだ主人公の少年を演じたルイス・マクドガルにもっと可愛らしさや愛嬌があればいいんですが、外見もパフォーマンスも普通すぎて愛着が沸きませんでした。
巨人のデザインも個性がなくていまひとつです。どこかで見たことあるんだよなあ、こういう怪物。
と思っていたら、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のグルートにそっくりですね。こんなに似てても気にならないのかなぁ。ほかにも似てるキャラとかいそうで怖いです。
一番、しっくりこなかったのが怪物が語る3つのストーリーです。教訓を与えるようとしているのは分かるんですけど、いかんせん3つとも微妙な内容なので、コナーの抱える問題とリンクするようでカチッとはまらない違和感がありました。
それに一つ目、二つ目のストーリーはアニメーションを交えて話していたのに、なぜか三つ目のストーリーだけアニメーションがなく、巨人がささっと説明して終わりみたいな手抜き感はなんだったんでしょうか。
そして迎えたコナー自身が語る4つ目のストーリーがストーリーですらなく、彼の心境や心理状態を伝えるだけのいちフレーズで終わってしまい、拍子抜けしました。
結局、母親が病気で死んでいくのはつらいけど現実を受け入れるしかなく、これ以上苦しむのはもう嫌だ、というコナーの心の叫びを聞き出しただけに過ぎなかったです。
僕の中では母親の死を乗り越える物語というより、お婆ちゃんと仲直りする話でしたね。そもそもなんであんなにお婆ちゃんのこと嫌ってるのかも分からなかったし。
ラストは母親と最後の別れの挨拶をして、いやーすっきりしたみたいになってたけど、あんなのですっきりするならカラオケでも行って大声で歌ったほうがよっぽど発散できそうですけどね。怪物のアドバイスいらないから。
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