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映画「悪い女」は考えさせられる人間ドラマ!ネタバレと感想

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田舎の村に住む性依存症の女を描いた官能ドラマ。素朴な登場人物、ほどよい演出、先の読めないストーリーがいいです。74点(100点満点)

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悪い女のあらすじ

イスラエルの小さな村に住むタマルは、2人の娘を持つ美しいシングルマザー。孤立した生活から逃れるため、タマルは村中の男たちと関係を持ち、他人との繋がりを確認していた。そんな中、死んだ母親の財産を整理するために、村に帰郷してきた獣医のシャイ。彼はタマルと出会い、一目で恋に落ちてしまい、二人はすぐに恋人同士になるが……

Gyaoより

悪い女の感想

イスラエル発、色気むんむんであまり人に教えられない隠れた名作です。

ビジュアル的にはそれほどきわどいシーンはありませんが、ストーリーが官能的です。村人とやりまくる女が、ある日真面目な男と出会い、同棲生活を始めたことで、心と身体と村の平和のバランスが崩れていく、性をめぐる男女の深層心理を描いた大人の映画です。

ヒロインのタマルは美人で二人の娘を持つシングルマザー。村の外れで卵を売って生活している彼女は夜な夜な別の男と交わり、ときには体と交換に頼みごとを聞いてもらったりします。

独身のときにはそれで問題なかった生活も、タマルにいざ恋人ができると徐々に村の男たちの彼女に対する見る目が変わります。

男たちは自分の女を独占されたことに嫉妬を抱き、またそれを視線で感じるタマルは村で徐々に生きづらくなっていきます。

恋人のシャイは真面目な獣医で、タマルに変わって娘の面倒をよく見てくれるなど、理想のパートナーです。しかし一人の男に縛られることに耐えられないタマルは恋人との同棲生活を始めても、隠れて他の男のところに行っては愛欲に溺れる日々から逃れられない、というのがおおよそのストーリーです。

病名をつけてしまえば性依存症の女と言えるでしょう。しかし単純に好きなだけで、複数の男とやる分には本来何も問題はないはずです。

問題があるとすれば、それはタマルが柄にもなく一人の男と一緒に生活を始めたことに尽きますね。その瞬間からみんなのタマルが、シャイのタマルになってしまったからです。

あの行動によって秩序が見事に崩れました。みんなで仲良く共有していたものが、独占されたことによって起きる摩擦。それが一人の女性が原因となると、ドロドロするのは当然の成り行きです。

邦題の「悪い女」はかなり核心を突いていて、「いい女」も「悪い女」も紙一重なんですよね。僕からすると、どんな男にも平等にやらせてあげちゃうタマルは寛容で器の大きい、いい女の部類に入ります。

しかし子供をほったらかして、男に面倒を見させて、その間自分は他の男とよろしくやってしまいだすと、今度は悪い女にカテゴライズできそうです。

この辺のジャッジはそれぞれの価値観によって違うので、どこまでが「いい女」で、どこからが「悪い女」かをディスカッションするのも面白そうです。

もともと複数の相手と交わるのが好きな人にとっては、たとえ結婚をしても相手に忠実になるのはまず難しいでしょう。不倫に対してゲスだ、最低だといって毛嫌いする人はその本質を見ようとしていないんです。

たとえ結婚したからといって、複数の相手と寝るのが好きな人にとっては本能を制御できるはずもなく、結婚生活なんてそれを許すか(あるいは知らないふりをするか)、許さないかのどっちかしかないです。タマルのようにあそこまで好きなんだったらもうどうしようもないですよ。

かといって村中の男とやっているとか世間のみんながパートナーの不貞を知ることになるのは耐え難いことであるには違いないでしょう。

せめて隠れてやってくれよっていう話なわけで、「あいつ自分のパートナーを寝取られた男だよ」と人々に指差されても、まだその相手と一緒に暮らしていけるのはやはり理屈じゃどうにもならない愛の仕業なんじゃないんでしょうか。

だから僕にとってこの映画はただの色っぽい映画ではなく、現実的な大人の愛の物語でした。シャイはすごいですよ。タマルがやりたい放題やっても、村人にボコボコにされても、文句ひとつ言わないんだから。

男からすればそんな女、引っ叩けよ、と思うけれど、ああやってなんでも許してしまう男も確かにいるんだよなぁ。

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