ハードコア(原題HARDCORE HENRY)

アクションだけで勝負している3Dシューティングゲーム風の映画。「視聴者」の視点で物語が進んでいく新感覚の体験型エンターテイメントで、好き嫌いがはっきり別れるタイプの作品です。48点(100点満点)

あらすじ

見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリーは、妻エステル(ヘイリー・ベネット)が、大事故によって肉体が激しく損傷してしまった自分に機械でできた腕と脚を取り付け、声帯摘出の準備を進めているのを目にする。だが、手術に取り掛かろうとしたとき、謎の組織を率いる男エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)が乱入。すさまじいパワーで施設を破壊した上に、エステルを連れ去ってしまう。ヘンリーは機械のパーツを導入したことで得た超人的身体能力を活用し、愛する妻をエイカンから奪い返そうと立ち上がるが……。

シネマトゥデイより

文句

主人公は「あなた」という斬新な手法によって撮影された、映画というよりゲームに近い作品です。ゲームとの違いは自分で操作ができないところで、それでもどんなものか一度体験するには面白いかもしれません。

もともとこの映画は、ユーチューブに公開されたロシアのインディーズバンドBiting Elbowsのビデオクリップが基になっています。それがあまりにも好評だったため、映画化されることになったそうです。ビデオクリップを監督したのも同作品のイリヤ・ナイシュラー監督です。

主に撮影に使われたのは小型カメラのGoProです。GoProは防水機能があって、頭に装着できたり、様々な楽しみ方がある高性能カメラで、価格もリーズナブルなので、僕も遊び用に一つ持っています。

これを使って一本の映画を撮ってしまおうという発想がチャレンジャーですよね。映画の内容は予告動画で映っているものが全てで、最初から最後までほぼノンストップで撃ち合いやら追いかけたり、追いかけられたり、が続きます。

アクションシーンはどうやって撮っているのか不思議になるほど、かなり危険な撮り方をしていて、すごい迫力です。もちろんワイヤーやスタントマンを使っているんだけど、それにしても危ないなぁと思うような命がけのスタントの連続になっています。

僕にとっては映画よりもメイキングオブのほうが興味深かったぐらいです。

映像技術も高く、CGの使い方や編集の仕方が上手く、最近見た映画の中では最も臨場感のある近未来SF映画に仕上がっていました。舞台がロシアというのも絵的にとても新鮮で、銃撃戦の現場となるロケーションがいちいちゲームっぽくてかなりマッチしていましたね。

登場人物もみんないい意味で現実感がなくゲームのキャラみたいで笑えます。特に美人なロシア人女性って、綺麗すぎて人形とか漫画の世界の人たちみたいで、人間じゃないみたいですよね。

ただ、これがいい映画かとなると難しいですね。ストーリー性がないことが最大の欠点だし、アクションに興味がない人にとっては見る価値はないでしょう。人によってはカメラのブレやスピーティーな動きに酔ってしまう人もいるでしょうね。

おそらく次同じような手法で映画を撮ったとしてもこれ以上は話題にならないはずです。ハンディカムのホラー映画が流行ったときも結局面白かったのは最初の頃の作品だけだったしね。