2017/01/19

シング・ストリート/未来へのうた(原題SING STREET)

バンド活動にのめり込む中学生による青春学園音楽ドラマ。思春期の少年少女が抱く夢と希望と不安をミュージカルシーンを交えて描く可愛らしい映画です。53点(100点満点)

あらすじ

1985年、ダブリン。両親の離婚やいじめで暗い日々を過ごすコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は、音楽好きな兄と一緒にロンドンのミュージックビデオを見ることが唯一の楽しみという14歳。ある日、ラフィナ(ルーシー・ボーイントン)を見掛け瞬く間に恋に落ちた彼は、思わず「僕のバンドのPVに出ない?」と口走ってしまう。慌ててバンドを組んだコナーは彼女を振り向かせようと、クールなPVを撮るため音楽活動に奔走する。

シネマトゥデイより

読者のはなさんのリクエストです。ありがとうございます。

文句

はじまりのうた」、「ONCE ダブリンの街角で」で知られるジョン・カーニー監督の作品です。ジョン・カーニー監督はこれまで一貫して音楽ドラマを描いてきていますね。

ラブストーリーと夢を追いかける物語にミュージカルを絡めたようなスタイルが確立されていて、監督の選曲が自分の音楽の好みと合うかどうかがポイントになりそうです。

本作では、80年代のロック調のナンバーがチョイスされていて、その時代を生きた人には懐かしくなるでしょう。セリフの中でもデュラン・デュランやデヴィッド・ボウイといったミュージシャンの名前が挙がり、当時の大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が話題に出るなど、時代を感じさせる設定になっています。

物語は、美少女ラフィナと知り合った主人公コナーが、彼女を口説くためにバンドをやっていると嘘をついたことから、バンドを結成しないといけなくなり、真剣にやりだすうちに音楽を通じて大きな夢を抱くようになる過程を描いたものです。

アイルランドの首都ダブリンを夢のない町として悲観する一方でロンドンを希望の都市として対比させています。若者は漠然とロンドンに行けば夢が叶う、自由が手に入るといった想像を膨らませていて、その姿は東京に行けば何かが起こりそうといった期待を抱く日本の地方の若者たちに通じるものがあります。

主要キャストはみんなあどけない少年ばかりで、地味で素朴な雰囲気をかもしています。自然体で変に格好つけてないところがいいんですが、主人公コナーはキャラ的にも雰囲気もあんまりぱっとしなかったですね。

彼よりもどんな楽器も演奏できるイーモン君のほうがルックスもよかったし、魅力があって主役に向いている気がしました。もしかしたら彼は歌が歌えないのかもしれませんね。

一方でヒロインのラフィナはどう見ても10代じゃないです。フケ顔とまではいかなくても、普通に成人の顔をしていて、中学生の恋の対象としては、ちょっと年の差を感じました。

全体的に前向きで清々しい雰囲気があり、性格の悪いいじめっ子や先生は登場するものの、基本的に登場人物はみんないい奴らばかりで。見ていてポジティブな気持ちになれるし、バンドをやっている学生にはたまらない内容だと思います。

アイルランドの経済状況や登場人物の家族の問題などネガティブな要素もいくつかありますが、まさしくそれは劇中で登場するセリフ「happy sad 幸せで悲しいもの」といった登場人物たちの混ざり合う感情と重なります。今の状況が幸せといえば幸せだけど、なぜか悲しい、といった登場人物のやるせない心境が伝わってきます。

日々もんもんとした気持ちを若者たちが抱え、ロンドンに夢を描くのは大いに結構だけれど、さすがにラストは、あんな小さなモーターボートでイギリスまで行かなくてもって感じでしたけどね。フェリーでも何時間もかかる距離なんだから、モーターボートだったら途中で絶対ガソリン切れるって。

>>「シング・ストリート/未来へのうた」はU-NEXTで視聴できます。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう