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ラスト、コーション(英題Lust, Caution)

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中国発、女スパイと敵に恋してしまう禁断の愛を描いた大人のスパイドラマ。エロティックかつドラマチックです。70点(100点満点)

ラスト、コーションのあらすじ

1938年、日中戦争の激化によって混乱する中国本土から香港に逃れていた女子大学生・王佳芝(ワン・チアチー)は、学友・鄺祐民(クァン・ユイミン)の勧誘で抗日運動をかかげる学生劇団に入団。やがて劇団は実戦をともなう抗日活動へと傾斜してゆく。

翌1939年、佳芝も抗日地下工作員(スパイ)として活動することを決意し、暗殺の機を窺うため麦(マイ)夫人として特務機関の易(イー)を誘惑したが、工作員としての未熟さと、易の厳しい警戒で暗殺は未遂に終わった。

3年後、日中戦争開戦から6年目の1942年、特務機関の中心人物に昇進していた易暗殺計画の工作員として上海の国民党抗日組織から再度抜擢された佳芝は、特訓を受けて易に接触したが、たびたび激しい性愛を交わすうち、特務機関員という職務上、すさまじい孤独の苦悩を抱える易にいつしか魅かれてゆく。工作員として命がけの使命を持ちながら、敵対する易に心を寄せてしまった佳芝は…。

ラスト、コーションの感想

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」や「ビリー・リンの永遠の一日」のアン・リー監督によるベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。

主役のタン・ウェイがあるときはあどけなくキュートで、あるときは大人っぽくセクシーで、またあるときは美人で清楚、といった具合に変幻自在に姿を変えるところに、ココロ奪われ唸ってしまいました。

何度となく流れるセックスシーンも美しく、映像にもこだわりが感じられます。

一般的には女スパイがターゲットである敵の男を愛してしまう悲しい恋物語のように考えられていますが、僕にはそうは解釈できませんでしたね。この映画は一言でいうとSM映画です。恋愛なんて次元を超えています。

イー(男)とワン(女)はご主人様としもべの関係で結ばれていたから、ワンがイーを殺せなかったのです。なぜならご主人様の死は、すなわちしもべの死を意味するからです。二人が一番最初にセックスするシーンでSとMの関係を明確にさせたことが何よりの証拠です。

個人的には二人のSM関係が逆だったら映画としてもっと面白いものに仕上がっていたと思われて仕方ありません。

男がMで女がSだったら、男が女スパイに自ら騙される、いや、もっと騙してくれ、むしろそれが快感だ、ということになる。

そして最後は二人して極限にまで挑戦し、殺されるときに男はMとしての最高の快楽を得て死んでいく、というほうが辻褄が合っているのではないでしょうか?

戦争時代の真っ只中で普段は重要なポジションで権力を振るっているようなオヤジが、女王様と二人のときだけ「もっとお尻を強く叩いてくださいませ」とか言ったら笑えますし。

ストーリーがこうだったら、ああだったらという話は置いておいて、女スパイのワンはスパイとしてはまだまだでしたね。簡単にご主人様のセックスの虜になっていしまったところなんかは素人と言ってもいいでしょう。

男がいかにもスケベ面で、いかにもプレイボーイ風の風貌なのが経験の浅い女のストライクゾーンにズボリとはまったわけで、ご主人様がさも自信ありげにセックスの体位を次々と変えていた姿にやられてしまったのです。スパイ活動よりこっちの方が全然いいわ、と。

この映画の一番の必見のシーンは、暗殺決行日に男が命からがら車に飛び乗るシーンです。あのシーンだけはリプレイして何度も見ました。男は頭から車内にスライディングしていましたね。

あれは野球でいうところのランナーがベースに滑り込む飛び方ではなく、野手がライナー制の当たりをキャッチするときの横っ飛びです。

セックスが上手くて、ご主人様が演じられ、なおかつあれだけきれいな直線を描いた横っ飛びができたら、そりゃあどんなかわいい娘だってアウトですよ。

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