マグニフィセント・セブン(原題THE MAGNIFICENT SEVEN)

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デンゼル・ワシントンが大活躍するドンパチ西部劇。黒澤明監督が見たら怒り出しそうな内容だけれど、ストーリーがよりシンプルになって、アクション映画としては可もなく不可もなくといった感じです。50点(100点満点)

あらすじ

悪漢バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)によって牛耳られ、絶望を感じながら生きているローズ・クリークの町の人々。住民の一人であるエマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、拳銃の達人といった7人の男を雇って、バーソロミューの手から町を救い出すように頼む。金のためと割り切って戦いに身を投じるサムやジョシュだったが……。

シネマトゥディより


文句

「七人の侍」のリメイク「荒野の七人」をさらに現代風にリメイクした、もはや原形をとどめていないアクション西部劇。キャスティングや登場人物の設定にはやや無理があり、商売っ気丸出しだけれども、単純明快なドンパチ映画が好きな人にはいいんじゃないでしょうか。

一方で「七人の侍」、あるいは「荒野の七人」のファンには見ていてつらいものがあると思います。ハリウッドが作るとストーリーがこうも単純な話になるのかと感心してしまう幼稚なレベルです。権力と金を持つ極悪人たちが村にやってきて村人を次々と殺していき、村人たちは正義の味方に助けを求め、彼らと共に悪党たちを退治するといった、ただそれだけのお話です。

荒くれ者の七人が案外あっさりスカウトされて正義の味方になっていく過程も、まるで桃太郎とその仲間たちみたいだし、見所の戦闘シーンにしても心理戦や戦術といったこととはほぼ無縁で、描いているのは登場人物たちの強さと勇敢さぐらいなものです。

最大の目玉は、正義の味方である七人グループのリーダーが黒人(デンゼル・ワシントン)であることですね。西部開拓時代にあれだけ黒人が堂々とアメリカ社会で活躍できていたのかは疑問ですが、そもそも西部劇自体が長年差別と偏見に満ちた描写で成り立っていたので、新しい風を吹かせるという意味でも、近年のアメリカの国民感情を考慮したうえでも、ああいうキャスティングになったのかなあ、と思いました。

監督のアントワーン・フークア自身が黒人であることも無関係じゃないでしょう。ただ、キャスティングが斬新なのはデンゼル・ワシントンだけでなく、イ・ビョンホンしかり、メキシコ人俳優のマヌエル・ガルシアしかり、国際市場を見据えての選択であることが分かります。

イ・ビョンホン演じるビリー・ロックスは東アジアからの移民といった大雑把な設定で、結局中国人なのか、韓国人なのかも分からず、その辺の適当さもさすがハリウッドという感じがします。どうせあんなキャスティングにするなら、インド人とかアラブ人とか、もっとごちゃまぜにしたら良かったんですけどね。

イーサン・ホークや悪役のボスを演じたピーター・サースガードは結構いい仕事していました。とはいえ結局格好いいところはデンゼル・ワシントンが全部持っていってしまった感が強く、ウィル・スミスとポジションがかぶっていましたね。

ハリウッドのアクション映画の演出で残念なのか、見ているうちにすぐに「ああ、この登場人物は死ぬだろうなあ」というのが分かってしまうところです。正義の味方にしても、死ぬ役と生き残る役があんなにはっきりと読めてしまうのは、もうちょっとどうにかならないんですかね。

射撃のシーンとか普通に格好いいし、アクション映画としてはそこそこ楽しめるんですが、ところどころ雑なので突っ込まずにはいられませんでした。

インディアンのレッド・ハーベストは、みんなが銃で戦っているなか一人だけ弓矢を放って戦うのはいいけど、結構早い段階で弓がなくなってたし、最後は普通に銃を使ってからね。用意する弓矢の数も少なすぎるし、そもそも弓にそんなにこだわりなかったんですね。

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