ルー・チューアン監督による日中戦争の南京戦とその後に起こったとされる南京大虐殺を題材にした問題作。映像、演技が良かったです。55点(100点満点)
南京!南京!のあらすじ
1937年日本軍は南京を侵略。南京城は落ち、多くの兵士が逃げ去ったにもかかわらず、最後までその場所に留まり抵抗を止めない中国兵がいた。そんな彼らを日本軍は軍事力を駆使し、完全に制圧し、ほぼ全員を処刑する。
抵抗する中国兵がいなくなり、南京を自らの支配下に置くや否や、日本軍はついに安全区に足を踏み入れる。そこではさらなる悲惨な強姦や殺戮が勃発しようとしていた。
南京!南京!の感想
南京大虐殺を題材にした戦争映画。冒頭から大勢の出演者&エキストラを使っており、大金をかけた一大プロジェクトであることに気付かされます。
戦闘シーンには臨場感があり、俳優陣の演技にもはりつめた緊張感があっていいですね。また、白黒であることが登場人物にさらなる悲壮感を与えるようでとても効果的でした。
南京大虐殺は事実問題に関して色々と賛否両論のあるデリケートなテーマですが、この映画はひとつの映画として客観的に鑑賞してみて、よくできた作品だと素直に思えました。
戦争というマイナスな状況下にいながら、ときには歌を歌い、ときには踊り、微かながら喜びを見出そうとしている人々の人間性が映し出されていて、たんぽぽを風に吹かせて自由と幸福感を表現したラストもポジティブな締めくくり方でした。
戦争映画は数あるジャンルの中でも最も撮るのが難しいタイプのものではないでしょうか。
第二次世界大戦、ベトナム戦争などについての映画は捨てるほどありますが、まともに見られるのは数えるほど、という事実からしても、その難しさが分かります。
戦争映画を撮るためにはまず大勢の人が必要になり、撮影は自ずと大掛かりになり、日数もかかり、そしてその分お金もかかる。そんなハイリスクな分野に挑戦し、中国で興行的に成功したんだから、この監督はかなりの勝負師と言えます。
日本人監督でこれを超える戦争映画を撮れる人はほとんどいないんじゃないでしょうか。だいだい日本が世界に誇る戦争映画って「火垂るの墓」でしょ? ほかになんかありましたっけ?
この映画を日本で上映した場合、日本軍を悪、中国人を善という構図が気に食わないという人がたくさんでてくるでしょう。
確かに中国人向けに作った映画であることは否定できません。ただ、戦争映画のときだけ、自国民に対する描き方に文句を付ける人は映画を完全に舐めてますね。
どうせ文句を付けるんだったら、ありとあらゆるタイプの映画に登場する日本人の描写の仕方に抗議しろって。
SAYURIやWASABIを見ても何も言わない奴が意見する権利なんてないから。それと、もし日本のどこの配給会社もこの映画を買い取らなかった場合は、ブエナ・ビスタ・インターナショナル・ジャパンにぜひ買い取ってもらいましょう。なぜならこの会社は「パールハーバー」を上映してるから。
コメント
戦争っていうデリケートな映画だから文句を言うんじゃないんですかねぇ…
主さんはガイジかな