漫画家を目指す高校生たちの青春映画。スケールの小さいサクセスストーリーみたいな印象があって盛り上がりに欠けるものの演技、演出、BGMは評価に値する作品。50点(100点満点)
映画バクマン。のあらすじ
優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。
シネマトゥディより
映画バクマン。の感想
「恋の渦」、「モテキ」、「SCOOP!」、「SUNNY強い気持ち・強い愛」、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」などを撮った大根仁監督の青春ドラマです。漫画家を目指す高校生コンビが週刊少年ジャンプで連載を獲得し、読者人気1位を目指すまでの奮闘記で、漫画家を目指す人たちにはたまらない映画なはずです。
出版社に持ち込んだ企画がいきなり評価され、コンテストに応募したら準入選になり、あっという間に連載がスタートするというトントン拍子のストーリーは漫画家を目指す高校生視聴者たちが勘違いしてしまいそうなぐらい甘っちょろく、かなり微妙です。それに対して漫画製作の過程は結構面白いです。
それほどリアルではないものの、ざっと漫画家と出版社の裏側や漫画製作あるあるを見せてくれるのでそれなりに楽しめました。主人公たちのノリが若く、純粋に夢を目指す前向きな話なので学生には受けそうです。
この映画を見て改めて感じたのは大根仁監督は音楽の使い方がとても上手い、ということです。漫画を描くシーンと音楽とCGの融合は見事でしたね。まるで音楽PVを見ているようでした。
それと演技指導が行き届いているのか、俳優たちの演技がリアルな演技と漫画チックな演技のちょうど中間のところを行っていて絶妙ですね。見ていて馬鹿馬鹿しくならないギリギリのラインを保っているのが良かったです。
ただ、この映画は漫画が原作だということもあってか、どんなふうに撮ってもこれ以上の映画にはなりえなかったとも言えますね。やっぱり漫画は最低アニメ化でとめておくべきです。
漫画界って僕からしたらかなりブラックなイメージがあるので、できるならもっとドロドロの内部事情を描いてもらいたいものですね。
「ブラックジャックによろしく」で知られる佐藤秀峰が出版業界と漫画業界の暴露エッセイ本「漫画貧乏」を出していますがむしろ映画化するべきなのはこういう本のほうです。
漫画家を目指す人は減っちゃいそうですけど、やりがいと華やかなイメージだけで売っている胡散臭い業界はどんどんバッシングされていくべきでしょう。これで「バクマン。」の作者も実はカツカツで生活してるとかだったら、夢があるのはこの映画の中だけということになりますね。実際そんなことが現実にありそうだから怖いです。
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