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JIMI:栄光への軌跡のネタバレと感想

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jimi

それでも夜は明ける」で脚本を担当したジョン・リドリー監督による天才ギターリスト、ジミ・ヘンドリックスの伝記ドラマ。そこそこ楽しめます。54点(100点満点)

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JIMI:栄光への軌跡のあらすじ

1966年5月、ニューヨーク。天才的なギターの才能を誇りながらも、マイナーなバンドの一員としてステージに立っているジェイムズ・マーシャル・ヘンドリックス(アンドレ・ベンジャミン)。ナイトクラブ「チータ」でリンダ(イモージェン・プーツ)という女性と知り合ったジェームズは、彼女に唯一無二の個性と技量を持つギタリストとして絶賛される。やがて、リンダからジ・アニマルズのメンバーであった音楽プロデューサーのチャス・チャンドラー(アンドリュー・バックレー)を紹介されるが……。

シネマトゥディより

JIMI:栄光への軌跡の感想

ジミ・ヘンがその才能を発掘されて、イギリスに渡り、有名になるまでの過程を様々なエピソードを絡めて追っているギター好きにはたまらない一本。

物語はローリング・ストーンズのギターリスト、キース・リチャーズの恋人であるリンダがたまたまジミ・ヘンの演奏をクラブで見かけたことでその才能に惚れ込み、彼をイギリスに連れて行こうと説得するところから始まります。

二人はお互いに惹かれ合うものの決して一線は越えず、その一方でジミ・ヘンは適当な女性たちと時間を過ごしながらも、イギリスでエリック・クラプトンらとセッションを行ったりしながら着々と名前を売って行きます。

やがてその実力が認められると、アメリカで開催される野外ロックフェス、モンタレー・ポップ・フェスティバルへの出演オファーが舞い降りる、というのがあらすじです。

ジミ・ヘンドリックス役を演じた、アウトキャストのラッパー、アンドレ・ベンジャミンが結構いい感じでした。それよりなによりワイルドのイメージが強かったジミ・ヘンが実はとても柔らかいしゃべり方をするというのが意外で新鮮でした。

決していい家庭の出身ではないのに余裕と教養を感じさせるあの落ち着いた雰囲気が痺れます。といってもギターに興味ない人やハードロックに興味がない人には「ジミ・ヘンって誰?」で終わってしまう映画かもしれません。かなり男性向きの映画と言えるでしょう。

最近、「ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~」、「ジャージー・ボーイズ」 など音楽家の伝記ものが続々公開されていますが、僕には比較的この映画が一番しっくりきました。

彼の死の真相やモンタレー・ポップ・フェスティバルの映像もなく、伝記映画と呼ぶには中途半端かもしれません。

それでもあまりサクセスストーリーに焦点を当てておらず、むしろジミ・ヘンドリックスの性格や哲学をわずかなエピソードを交えがらも紹介している点が評価に値します。

「音楽はスタイルやジャンルじゃないんだ」といった考えや女性に対する距離を置いた接し方、おっとりしているかと思ったら急に受話器で彼女を殴りつけてしまう性格の激しさなど、画一なキャラ設定ではなく、掴みどころのない予測不能な男に仕上げているのが良かったです。

ちなみにジミ・ヘンが彼女を電話で殴っているときに止めに入ったのがジョン・レノンとポール・マッカートニーだったそうです。音楽界の歴史的人物がちょこっと申し訳程度に割り込んで登場してくるのもいいですね。

ジミ・ヘンはあれだけの才能を持ちながらアメリカでは見向きもされず、階級社会の根強いイギリス、それも黒人にではなく、白人に支持されたというのがなんとも皮肉な話です。

劇中で麻薬の売人の黒人の男がジミ・ヘンに向かってイギリスの歴史問題と人種問題を並べて「もっと自分の人々(黒人)のために音楽をプレーしないとだめだ」などと言います。

それに対して、ジミ・ヘンは「みんな俺の人々だ。人種問題なんて興味ない。愛の力が愛の力を引き継いだときにこそ物事は変わるんだ」といったような名言を吐きます。

実際に彼が言った言葉なのかどうかは分かりません。しかし物語の中のジミ・ヘンは掴みどころがない一方で、「ただ、俺は音楽をやりたいだけ。自分の好きなようにギターを弾きたいだけ。他のことはどうでもいい」といった姿勢だけは終始一環していました。あの辺の描写の仕方はなかなかよかったですね。

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