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戦場のアリアは偽善的で実話かどうか疑わしい!感想とネタバレ

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chris

実際に起きたと語り継がれる、クリスマスの日だけ停戦をして敵軍同士が交流を深めたとされる「クリスマス休戦」をテーマにした戦争ドラマ。リアリティーはないです。23点(100点満点)

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戦場のアリアのあらすじ

第1次世界大戦下、フランス北部の最前線デルソーで、敵対するフランス・スコットランド連合軍とドイツ軍兵士たちはクリスマスを迎えることになった。そんな中、ソプラノ歌手アナ(ダイアン・クルーガー)と彼女の夫でドイツ軍兵士のテノール歌手ニコラウス(ベンノ・フユルマン)は、塹壕で聖歌を披露するのだが……。

シネマトゥディより

読者のyukoさんのリクエストです。ありがとうございました。

戦場のアリアの感想

殺し合いをしている敵同士を通じて友情とか愛情とかヒューマニティーとかを描く、甘っちょろい内容で、純粋無垢な日本人がいかにも心動かされそうな一本。

クリスチャンにとって一年の中で最も神聖な日であるクリスマスにフランス軍、ドイツ軍、スコットランド軍が銃を置いて、お互いに近づき、酒を注ぎあって、歌を歌いながら一晩を過ごした、「へえそんなことが実際にあったんだ」で終わる映画です。

事実を基にした映画のほとんどがそれに当たりますが、この手の映画は「事実」のインパクトに頼りすぎて、内容がおそろかになるのが常です。

生きるか死ぬかの緊張感のない戦争映画は、店長のいないコンビニのバイトぐらいユルユルです。それぐらい登場人物に覇気がなく、戦場を生きている男たちの獣の目をした人が一人もいないのが気になりました。

歌の上手いドイツ軍の軍人とその恋人が戦場に出向いて兵士たちに歌を聞かせる、という下りも実際にあったんでしょうか。あそこはいかにもフィクションっぽいですよね。

「事実」を材料に使う監督って、すぐに調子に乗って、スパイスかけまくりますよね。そのせいで元の味がなんだったのか分からなくなるんです。休戦の話だったのが、いつのまにか「きよしこの夜」をみんなで歌った話になってましたからね。

あれって現代に置き換えたら、シリアの国境でヨルダン軍と自衛隊とイスラム国の兵士がバレンタインデーだからといってお互いにチョコレートを渡すぐらいの話で、そこに国生さゆりが乗り込んで行って「バレンタイン・キッス」を歌うぐらいのレベルでしょ。まあ、実際にそんなことがあったら感動しますけどね。国生すげえなあって言ってね。

話そのものは「いい話」に違いありません。ただ、それだけなら新聞で伝えればいいだけで映画にする必要ないよ。教室で学校の先生が生徒の前で話せばいいだけで、映像にする必要ないよ、と言いたいわけです。

こういう話を学校の先生が授業ですると、必ず何人かの女子生徒が感動して泣き出します。僕はどっちかというとそういう生徒に突っ込みを入れていたタイプなので、この手の映画には心を全く動かされません。

戦争中に相手軍と友情を結ぶとか甘っちょろいこと言うなと思います。こういう映画を見て感化される人は「どんな猛獣でも愛情を持って接すれば絶対に噛み付くことはありません」とか言う人です。

「テロリストだって同じ人間なんだから誠意とリスペクトを持って話し合えば分かり合えるはず」とか言う人です。そういう人にはぜひライオンの檻にでも入ってもらいたいですね。

コメント

  1. ftgeuge より:

    確かに内容は薄かったですが、映像化する意味はあると思います。新聞で読んでいたら、映像でみる情報量をよんでいられますか?どちらにも良い点悪い点あって、こっちに、〜でやればいいじゃんなど結局自己完結の世界です。

    内容は薄くても、みた情報から自分で考えていくこともできるので私は見てよかったと、映画で残していくべきと思いました。

  2. 目黒健兒 より:

     戦争の本質を分かりやすく、事実に基づいて描いた素晴らしい映画です。
     現場の兵士は、実はお互いに殺しあう理由がない。誰が彼らに殺し合いをさせているのか。
     戦争がどれだけ、酷く悲惨か、イメージできない「平和ボケ」の時代に、必要な映画です。

  3. Paul Sakamoto より:

    叩かれた犬がよく吠える!

    クリスマスには奇跡が起きます!
    『そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かし、そして、人々があなたがたのよいおこないを見て、天にいますあなたがたの父をあがめるようにしなさい。』
    マタイによる福音書 5:16 JA1955

  4. じろう より:

    管理人さんのコメントは概ね賛同していますが今回は反対します。第一次世界大戦でこの種停戦は写真も残っていて事実であると考えられます。ヒトラーは英国が大好きで本音は英国と戦争をしたくなかった。ナチスドイツはロシア人は人間扱いしなかったが西ヨーロッパと米国は人間扱いした。独ソ戦でフランス人部隊も戦った。ある程度は仲良くなる下地があった。
    日英でも工藤艦長が日本人乗組員より多くの海に漂う英兵を助けた。日米でも日本の神風と言う有能な駆逐艦の艦長と米国の潜水艦艦長との戦後の交流で友情関係になった。眼下の敵のシーンのモデルは上記の関係と米国が言っている。戦争は悲惨な物だか一方政治の延長の面もある。マッカーサーが来た時沿道の護衛は小銃を持った日本兵だった。この事は始めは信じられなかった。こんな事が出来るのは憎しみが戦争の主体でなく政治が本質だと思う。