2014/05/26

ゴーストワールド(原題 GHOST WORLD)

ghost

66点(100点満点)

ストーリー

イーニドとレベッカは高校を卒業した今も進路も決めないまま好きなことだけしてフラフラする毎日。ある日、二人は新聞の出会い系の広告に載っていた中年男をダイナーに呼び出し、待ちぼうけを食っている惨めな姿を見て暇を潰すのだったが……。

Yahoo映画より

読者のwillow42さんのリクエストです。ありがとうございました。
文句
自主制作映画のような雰囲気を持つ低予算、ほのぼの青春コメディードラマ。高校を卒業したばかりの少女の日常を淡々と追っているだけの物語で興奮はないものの、オタクっぽいこだわりと、センスの良さが随所に垣間見られる映画。

17歳のときのピチピチのスカーレット・ヨハンソンが出演していて、ファンにはたまらないかもしれません。ただ、冷静に見ると、スカーレット・ヨハンソンはこの頃から今と比べても演技が全く変わっていませんね。セリフ棒読み、無表情が「ロスト・イン・トランスレーション」のまんまでした。お前、稽古してないだろって言いたくなります。

そんなわけで主役もスカーレット・ヨハンソンではなく、ソーラ・バーチが務めていました。美少女ではなく小太りで、地味な女子高生を主役にし、レコードオタクの中年男と恋をさせているような内容なのでアメリカで興業的にはあまり成功できなかったようです。その一方で批評家からは高い評価を得たみたいで、どちらかという玄人向けの映画なのかもしれません。

見所はユーモア溢れる皮肉混じりの会話と、近所にいる変な人たちをネタにした寸劇。はまる人にははまるけど、大衆向けではないのが特徴ですね。監督自らそもそも最初から大部分の視聴者を切り捨ててるような雰囲気すらあって僕的にはこういう独自路線を行く監督は結構好きです。

出演者たちの多くが二流俳優なのに対し、レコードオタクの男シーモアを演技派のスティーヴ・ブシェミが務めたことで安定感がぐっと増して、見られる映画に仕上がっています。そのシーモアを主人公の少女イーニドが散々振り回して、最後はやり逃げする、という展開も現実的でよかったです。自分でもなにがしたいのか分からないティーンエイジャーの迷いや行動を過剰演出せずに描いたところには共感ができました。

ラストは主人公のイーニドがそこを通らないはずの”幽霊バス”に乗って町を出て行くところで終わります。これについてはアメリカでも日本でも解釈の仕方が人それぞれあるようです。劇中何度も繰り返し、来るはずのないバスを待ち続けていたおじいさんを映しています。やがて来ないと思っていたバスが通り、おじいさんはそれに乗ってどこかに行ってしまいます。そのシーンがまるで死の世界へと誘うような印象があるというのです。

僕としてはこういうノリの映画にそこまで深読みするのは面倒なので、普通にイーニドはどこか別の世界へと行きたかった、地元でブラブラしているだけの生活に疑問を感じた、という若者特有の冒険心を抱いたラストシーンとして受け取りました。原作がそうだということもありますが、いずれにしろラストに含みを持たせる演出なんかはニクイですね。

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