
情報を公開したいのか、したくないのかどっちかにしろよ映画。じらしてじらして結局なにも明かさない話で拍子抜けすること間違いなしです。4点
ディスクロージャー・デイのあらすじ
サイバーセキュリティの専門家ダニエル・ケルナーは、アメリカ政府の極秘部門であるワーデックス社から、地球外技術の一部と、ロズウェル事件以来の人類と異星人との接触記録をまとめた機密ファイルを盗み出す。
ワーデックスのCEOノア・スキャンロンは盗難に気づき、ダニエルを外国のスパイとして仕立て上げる。連邦当局から追われる身となったダニエルは、恋人のジェーン・ブランケンシップと共に修道院へ身を隠す。
一方、カンザスシティではテレビ局の気象予報士マーガレット・フェアチャイルドが出勤の準備をしていた。その朝、一羽の枢機卿鳥(カーディナル)が家に飛び込み、しばらく彼女を見つめた後に飛び去る。
この出来事をきっかけに、マーガレットの中に眠っていた超能力が目覚める。彼女は他人の思考や感情を直感的に理解できるようになり、さらには一度も学んだことのない言語で無意識に会話できるようになる。
生放送中の天気予報で、マーガレットは突然、未知の言語を話し始める。その映像は瞬く間に拡散され、ワーデックスの目に留まる。彼らはその言語が地球外起源のものであると特定する。
入院したマーガレットはスキャンロンの部下たちに捕まりかけるが、辛うじて逃亡し、身を隠すことになる。
ダニエルはジェーンに盗み出したファイルを見せる。ワーデックスが捕らえた異星人に対して実験を行い、その技術をリバースエンジニアリングしていたことを説明し、真実を世間に公表する決意を語るのだった。
ディスクロージャー・デイのキャスト

- エミリー・ブラント
- ジョシュ・オコナー
- コリン・ファース
- イヴ・ヒューソン
- コールマン・ドミンゴ
ディスクロージャー・デイの感想と評価

スティーヴン・スピルバーグ監督によるSFスリラー。宇宙人の存在を世間に知らせたいグループと、阻止したい組織が終始追いかけっこをしているだけで、スケールが大きそうで実はすごい小さい映画。結構しょうもないです。しょうもなさでいうと、「メッセージ」を彷彿させますね。
物語はサイバーセキュリティの専門家の男が、いけない情報を盗んできてしまい、それは世界中の人々が知るべきだという謎の正義感から、たとえ命を狙われても世間に公表することを決意し、当局から必死で逃げるというものです。
主人公が修道院、隠れ家、モーテルなどを転々としながら毎回命からがら逃げるんですが、そもそも機密情報を公表するつもりなら、とっととネットに情報を上げればいいだけなのに、なぜかしないんですよ。
政府の機密情報といえばwikileaksにアップするとか、大手メディアや信用できるジャーナリストに送るとかできたはずなのに、なぜかTV番組で生放送する、というアナログ方式を選ぶんですよ。発想がサイバーセキュリティ専門家のそれじゃないんだよね。あいつが「すでに複数のサーバーに情報をアップして誰でも見れる状態にしておいたから、俺のこと捕まえても無駄だよ」って言ったら5分で終わる話だよね。
その時点で全然話に乗れないし、ただカーチェイスがしたいだけとしか思えませんでした。ほぼほぼ、ワイルド・スピードシリーズにSF要素加えただけでしたね。ヴィン・ディーゼル出てきそうだったもん。
世界は第三次世界大戦寸前という背景になっていうのも必要性を感じられませんでした。どこの国とどの国が戦争しているかも語られず、どれぐらい緊迫しているのか説明もなく、ただ日常の世界が広がっています。争いはあくまでも機密を漏らしたい人と、漏らされたくない人の間で起きていて、それをなんとか世界規模の話に広げたいっていう魂胆が見えました。世界大戦という設定が物語に活かされていないんだよ。
それも宇宙人の存在のせいで、まるで世界各国が戦争を止めたみたいな雰囲気になるのがふざけすぎてて幼稚に思えましたね。宇宙人がいるなら「人類全体」という意識が生まれて、みんなで協力しましょうよってことなの? いつまでアルマゲドン気分でいるんだよ、お前らは。
エミリー・ブラント扮するマーガレットが特殊能力を持っているんだけど、どんな言葉でも話せる言語習得能力、テレパシー、予知能力、相手の感情をコントロールできる能力など、もうなんでもありで、たとえ当局に捕まっても、相手の名前を言い当てて、個人的な家族情報をちょろっと当ててやるだけで、相手がフリーズしてしまい、逃がしてくれるという意味不明な展開になっていました。
最初は宇宙人のテクノロジーに焦点をあてていたような気がするんだけど、そのうちテクノロジーというより、ただの超能力の話になって、結局のところ宇宙人はなんでもできるみたいなところに落ち着くのが笑えます。あれだけ万能な能力を持っているなら、なんで人間に何度も捕まってんだよって。
脚本が詰まるたびに、登場人物に新しい能力が追加されていくのが間抜けで、そもそも作り手が宇宙人の定義ができていないからこういうことになるんですよ。宇宙人の秘密をばらすっていう話なのに、宇宙人のこと何も知らないっていうのが伝わってきてしまうのがなんとも皮肉です。想像でも空想でもいいから、せめてちゃんと宇宙人の能力の限界を決めておけよ。
あと、あの謎のスティック型のデバイスはなんなんだよ。同じような見た目のデバイスがテレパシー装置、追跡装置、電力供給装置、起動キーみたいに何役もこなすな。あれも宇宙技術ですか? 必要なときに必要な機能をその都度付け足すなよ。それも一つのスティックで全部やろうとするな。腹立つわ、あのスティック。
本作の見どころは、宇宙人の情報を”公開”するくだりでしょう。2時間ぐらいずっと引っ張って、何を見せてくれるのかと思ったら、さんざん昔からテレビやネットで人々がイメージして描いてきた想像通りの宇宙人が出てきて拍子抜けしました。何十年も前から宇宙人に対する情報、イメージが改善されてないっていうね。体は小さく、頭は大きく、目は巨大で手足があって体はツルツル。あれで確定なんですね?
最大の問題点は「異星人の正体」を謎として引っ張った割に、その動機や目的をほとんど説明しないことでしょう。「お前ら何者なんだよ」、「なんで協力してるんだよ」っていう疑問が残ってはそれが怒りに変わります。宇宙人がいたのは分かったけど、それれによってなにがどうなるの?っていう部分には触れないんです。そして結局はくっだらねえもの見せられたという感情が残るのです。
ラストのシーンで笑わない人いるのかなあ。まさかあんな登場の仕方するとは。プライバシー保護された人がテレビ出演するときの登場の仕方じゃん。まじで爆笑したわ。あいつをどこでどうやってずっと匿ってたんだよ。政府当局もそれ知らなかったのかよ。なんで耳元でこしょこしょ喋ってんだよ。ふざけるのもいい加減にしろよ。日本公開が10月までに延期されて話題になったけど、逆に良かったんじゃないかな。それまでには熱冷めてるでしょ。


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