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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップの感想とネタバレ

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覆面アーティスト、バンクシーによるドキュメンタリー映画。彼の素性は分かりませんが、人間性が浮かんでくる作品です。63点(100点満点)

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップのあらすじ

ストリート・アートについてのドキュメンタリーを製作し始めたロサンゼルス在住のフランス人映像作家ティエリー・グエッタ。ティエリーは覆面アーティスト、バンクシーの存在にたどり着き、取材を始める。が、ティエリーに映像の才能がないことに気付いたバンクシーは、逆にティエリーのドキュメンタリーを自分で監督し始めることに。

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップの感想

バンクシーについての映画かと思いきや、大部分はなんちゃって芸術家ティエリー・グエッタについての話です。この片言の英語を操るティエリーのキャラがまた愛らしく、面白いです。バンクシーのゲリラ的活動の映像もいくつかあり、ファンには必見でしょう。

警察に逮捕されることも恐れず、生涯をかけてストリートで自分を表現しようとする芸術家たちには脱帽します。若いときならまだしも、いい年したおっさんたちが子供のいたずらのようなことをして悦に入っている姿を見るのはとてもうらやましいです。

これが日本だったらおっさんになってもストリートアートを続けていけるかといったら疑問です。日本だとある程度の年齢になると、お前ももういい歳なんだから、などと引退させられそうな社会的な雰囲気があって可哀相ですね。そういう意味では欧米はまだまだオープンで芸術に対する理解度が高いですよね。

この映画のストリートアーティストたちは、泥棒のように民家やビルによじ登り、壁にグラフィティーを描いたりして、自己表現します。

それを飛行機に乗って海外に行ってまでやります。バンクシーは、大型トラックを借りて、変形させた電話ボックスを積み込み、道の真ん中にそれをぽんと置いていきます。一見なんの特にもならないことを真剣にやっている彼らに多くの人が共感しているのがまた不思議ですね。

彼らは口を揃えて、お金が目的じゃないといいます。しかしお金が目的じゃないとはいいつつもお金があるから、もしくは余裕があるからこそそこまで本気で「遊ぶ」ことができるのもまた事実で、やはり豊かさ、文明の高さと芸術は深く結びついているといえそうです。

特に彼らのようにポップな芸術活動ができるというだけで相当恵まれてますよね。もちろん中にはきつきつの生活をしながら、財産をはたいてでも自分の作品を極めていこうとする種類の芸術家もいますが、この映画でいう「ストリートアーティスト」にはそういうライフスタイルがどうしてもあてはまりません。

そして人々、特にバンクシーなどの話題性の高い芸術家に興味を抱く大衆が魅了されるのは実は作品そのものより、そこから受け取れる「遊び」の部分であったり、豊かさ、華やかさの部分だったりするんじゃないのかという気もします。

それが如実に出てるのがこの映画の終盤ですね。ストリートアートの熱狂的な追っかけファンであるティエリーが自ら芸術家デビューし、バンクシーを始めとする有名アーティスト&プロモーターのサポートを得て盛大な展覧会を開いたら、注目を浴び大成功しちゃうんですが、彼を手伝った有名アーティスト連中ですら冷ややかに、冗談のようにティエリーを見守っていたところがとても印象的でした。

その一方で大手新聞社は一面に取り上げるは、若者たちはギャーギャー騒ぐは、大衆の目なんて本当いい加減なんだなあ、というのが分かりますね。

大衆やメディアはどうであれ、また、ティエリーの作品の良し悪しはどうであれ、ティエリー本人がちょっとアホで、憎めない奴、というのがなによりこの映画の魅力ではないでしょうか。

周りに乗せられて芸術活動の真似事を始めちゃう人間が僕の周りにもいるんですが、ティエリーと違ってその人の場合は人望がなかったのか、愛すべきキャラじゃなかったのか、展覧会の後にかなりの友人を失くしていました。誰もが真似すればいいってもんじゃないからね。

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