いつものプロットにSF要素をふんだんに使って、なんとなくいい話で終わらせようとしているディズニー映画。最近のディズニー、親近感が湧かないし、クオリティ落ちたなあって思わせる作品です。10点
星つなぎのエリオのあらすじ
両親を亡くした後、少年エリオ・ソリスは孤児となり、叔母のオルガと暮らすことになる。オルガは空軍の少佐で、甥を育てるために宇宙飛行士になる夢を諦めた。ある日エリオは、探査機ボイジャー1号の閉鎖された展示エリアに入り込み、宇宙に存在するかもしれない他の生命体を探すというアイデアに心を奪われる。
数年後、エリオは宇宙人に誘拐されることを夢見ていた。彼は毎日、浜辺にメッセージを書き寝そべって待っていたが、何も起こらなかった。ある夜、ブライスという少年とそのいじめっ子の友人ケイレブが、エリオのアマチュア無線機をいじって喧嘩になり、左目を負傷してしまう。そのせいでエリオは2週間アイパッチを着けることに。オルガの職場では、陰謀論者のグンター・メルマックが、ボイジャー号に宇宙人が応答した証拠を見つけたと主張し、返信メッセージを送るよう提案するが、オルガたちは一笑に付す。
だが、エリオはメルマックの装置を使って独断でメッセージを送り、軍基地の停電を引き起こし、オルガの立場を危うくしてしまう。怒ったオルガは、エリオを若者向けの矯正キャンプに送ることを決意する。そこにはブライスとケイレブも参加しており、エリオはいじめられてしまう。エリオが暴行を受けているとき、どこからともなく突如宇宙船が現れ、彼を連れて行ってしまうのだった。
宇宙船内では、液体のスーパコンピューター「オー」が彼を「コミュニバース」へ案内する。そこは様々な世界の宇宙人たちが知識を共有する場所だった。他の大使たちはエリオを地球の代表と誤認し、彼がボイジャー号を作ったと勘違いしていた。エリオが誤解を解こうとする前に、退けられた戦争指導者ロード・グリゴンが、コミュニバースを力で奪おうと脅す。大使たちはエリオを地球に帰そうとするが、エリオは自ら交渉して正式な大使として就任することを提案。オーはクローンのエリオを作って地球に帰還させ、叔母のもとへと返した。一方、エリオ本人はグリゴンとの交渉を試みるが、彼を怒らせてしまい刑務所に送られてしまうのだった。
星つなぎのエリオのキャスト
- ヨナス・キブレアブ
- レミー・エジャリー
- ジャミーラ・ジャミル
- ブラッド・ギャレット
- ゾーイ・サルダナ
- シャーリー・ヘンダーソン
星つなぎのエリオの感想と評価
マデリーン・シャラフィアン、ドミー・シー、エイドリアン・モリーナの共同監督によるピクサー映画。SFにしたいのか、家族ドラマにしたいのか、友情ドラマにしたいのか、どっちつかずのごちゃごちゃドタバタ映画で、傑作と呼ぶには程遠いです。
プロットは、ディズニー定番の親を亡くした主人公が、心を傷つけ、居場所を失うところから冒険を通じて自立し、家族友情愛を確認し、自分の属すべき場所に戻っていくというものです。もうライオンキングから、アナと雪の女王から、なにもかもこのプロットじゃねえかよっていうぐらい、使い古しのアイデアが満載になっています。
それでも手を変え品を変えてずっとやってきてるけど、状況、設定、キャラによっては決して使えないプロットではないでしょう。ただ、本作の場合、ベタな話を紛らわすためか、地球と宇宙のパラレルワールドを背景にスターウォーズさながらの戦争を使い、エイリアンを登場させ、クローンといったハイテク技術を駆使して、なんとなく新しさを出そうとしてことごとく失敗していました。
あともう少しでマルチバースやタイムスリップといった要素も詰め込んできそうな気配すらあってもう最後までビクビクしながら見ました。それぐらいなんの映画なのかが全然わからないし、変に政治色があったり、子供はおそらくこのストーリーは理解できないでしょう。
一見、スケールがものすごく大きそうで、実際は小さな少年が地球でも宇宙でもやらかすだけの話です。それに大人たちが巻き込まれているだけで、なにをあんなにギャーギャー騒いでるのか。子供が楽しめるとしたら宇宙のシーンがカラフルだからとか、なんとなく宇宙人が面白いとかそんな点でしょう。
あらすじを超ざっくり説明すると、地球に居場所を失った少年が宇宙に行って宇宙人の友達作って、宇宙から追い出されて帰ってきたら、ひょんなことから宇宙人の友達まで地球に来ちゃったから、今度は友達を宇宙にまで連れて帰るっていう行ったり来たりストーリーです。もうなんのこっちゃいです。地球と宇宙の距離が近い近い。近所のコンビニ行くぐらいのノリで宇宙まで行くからね。
あのもろもろの体験を通じて、「僕やっぱり叔母さんと一緒に暮らす、だって家族だから」ってならねえだろ。クローンの自分となんとなく生活してた叔母さんだぞ。どっちもそんなに愛してないだろ。それと家族にフォーカスするのか、友情にフォーカスするのかどっちかにしなよ。
なにより宇宙オタクの主人公エリオのキャラがいまいちで、これといった特徴がないんですよね。エリオ・ソリスってヒスパニック系の名前だけど、今回はスペイン語を話したりもせず、バックグラウンドを強く押し出すようなことはあえてしてませんでしたね。多様性にうんざりしてる視聴者に忖度したのか知らないけど、人種の面だけでなく、彼に親近感がわくような設定、背景が一切ないんですよ。
両親が亡くなって叔母に育てられているっていう設定はありだとしても、なぜ両親が亡くなったのかは絶対に触れないっていうね。そういうふわふわしたバックグラウンドだから共感のしようがないし、そもそもあの子は軍施設に自由に入れるのかよって。叔母も忙しく働いていて彼のケアをまとにできない環境で親権降りねえだろって。
宇宙人の友達グロードンも全然可愛くないし、あれじゃあグッズは売れないでしょう。あのぬいぐるみを買って抱きしめたいと思わないでしょ。ダメダメだね。
コメント
いつも楽しく拝読させて頂いております。
映画をみる際にかなり参考にしています。
最近はつまらなかった、とう映画のコメントが多く寂しいです。
是非これは面白かった!という映画も沢山教えて下さい。
最近、面白い映画ないんですよねえ