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ヒッチハイカーKAI: 手斧のヒーローその光と影は悲しい現代犯罪劇!

この記事は 約4 分で読めます。

わずか数か月の間で激しすぎる人生のアップダウンを経験した男の数奇な物語。決して笑えない悲しいお話です。55点

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ヒッチハイカーKAI: 手斧のヒーローその光と影のあらすじ

2013年、ある男が自分はキリストだと叫びながら道にいた女性を襲撃する事件が起こった。そこに現れたのがヒッチハイカーの青年カイだった。カイは持っていた斧で男の頭を殴り、女性の命を救った。このことでカイは一躍ヒーローとして扱われるようになる。

それだけで話は終わらなかった。カイの天然のキャラが受け、ネットでバズが起こり、インタビュー動画は数百万回と視聴され、全米で有名人となる。

これを受け、多くのメディアが彼とコンタクトを取りたがった。あまりの反響からテレビ局は彼のリアリティーショーを企画するほどだった。

ところがそれから数か月後のある日、今度はカイが殺人容疑で逮捕されてしまった。一体彼になにがあったのか。

ヒッチハイカーKAI: 手斧のヒーローその光と影のキャスト

  • ジェソブ・レイソベック
  • テリー・ウッズ
  • ブラッド・マルカーヒー
  • リサ・サムスキー

ヒッチハイカーKAI: 手斧のヒーローその光と影の感想と評価

パトリック・スミス監督による、ネットフリックス制作のドキュメンタリー。わずか数か月の間にホームレスから英雄になり、殺人鬼へと転落した男の悲しい物語です。

ある日、人の命を救ったことをきっかけにネットで有名人になり、英雄扱いされ、散々メディアに持ち上げられた男カイが犯罪者へと変貌を遂げていく過程を描いた作品で、とても現代的な出来事だなあと感じる内容になっています。1時間20分程度なのでさくっと見れていいです。

ひょんなことから一般人が有名人になってしまい、TVに出演し、名声を得て一夜にして人生が変わる、という出来事はいまや当たり前のようになりましたが、この青年の場合はその最悪のパターンといえるかもしれません。

まず、ホームレスのヒッチハイカーが犯罪者を斧で殴って女性の命を救った、というエピソードが手放しで喜ばれること自体、英雄大好き文化の根付くアメリカらしい事象ですよね。

もちろん女性の命を救ったのは称賛されるべきなんだけど、斧で頭を殴るってなかなかのことじゃないですか。そしてまた斧で相手を殴った様子を自慢気に説明する男を面白可笑しく取り上げてしまうメディアも大分病んでるなあ、という気がしました。

その時点でカイの中にはかなりの異常性と残虐性が見て取れるんですが、アホなマスコミと国民はやっぱり気づかないんでしょうね。

また、20代の若さでホームレスをやってる青年をまるでラブ&ピースを信条としているピュアな心の持ち主として解釈するところが無垢すぎますね。あたりかまわず小便をしちゃったり、急に突拍子もないことをしだしたり、それは一見ワイルドとかナチュラルとかっていう見方もできなくもないんだけど、普通に考えたら社会性の欠如なんですよね。

でもいかんせん若いし、ルックスも悪くないし、ギターを弾かせたら結構できるし、歌まで歌えたりして、こいつはもしかしたらとんでもない逸材なんじゃないかと思ったようです。

なんせ最初から「英雄」という偏見をもとにカイを見たもんだから、テレビ局のスタッフはカイを面白く思い、家に泊まらせてあげたり、ホテルの部屋を取ってあげたり、至れり尽くせりの対応をしてあげるんですが、そのうち人々からVIP待遇されるのが当たり前のように思うようになり、また何をしても許されると勘違いしていったようでもありました。

それまでホームレスとして一般社会のルールとは別のところで生きてきた男が急に人気者になったことで、それまで交わらなかった人々と関わるようになったのが事件へとつながる第一歩だったと思います。

そんなカイがある日出会ってしまった人が弁護士の高齢者。彼は親切にもカイに家に泊まらせてあげたうえ、電車のチケットまで買ってあげたそうです。しかしカイはそんな男性を殺害したのです。カイの言い分は性的暴行を受けたから殺した、というものですが実際はどうなのか疑わしいです。もしかすると口論になったのか、あるいはなにか気に入らないことを言われてキレたのかもしれませんね。

もしかすると弁護士の男性はカイのことをテレビやネットで見たこと、聞いたことがあったのかもしれませんね。そうじゃなければホームレスの青年を家に泊めてあげたりするでしょうか。

もしそうだとしたらいわばネットでバズッたことや彼が有名になったことで、今まで存在した、決して交わることのない人々の境界線が崩れたと言えそうです。いずれにしても残念だし、災難ですね。メディアもカイのことなんて放っておけばよかったのに。

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