ブッダ・マウンテン ~希望と祈りの旅 (原題: 観音山/BUDDHA MOUNTAIN)

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若者たちとおばちゃんの心の交流を描いた、中国4千年の歴史を代表する超失敗作。辻褄が合わない行動の数々、臭すぎる演出、意味不明なストーリーを並べた「無理してる」映画。6点(100点満点)

ブッダ・マウンテン・希望と祈りの旅のあらすじ

ナンフォン(ファン・ビンビン)、ディン・ボー(チェン・ボーリン)、太っちょ(フェイ・ロン)は、元京劇女優のユエチン(シルヴィア・チャン)の家にそ ろって間借りする。ユエチンは、2008年に起きた四川大地震で息子を亡くし、絶望を抱えて生きていた。一方、若者達も父親とうまくいっておらず、心に闇 を抱えていて……。

シネマトゥデイより

ブッダ・マウンテン・希望と祈りの旅の感想

これだけ「無理してるなあ」という映画もなかなかないです。まず登場人物の行動がそれを演じる役者と釣り合いが取れてなく、無理があります。

上の写真を見ても分かる通り、左の青年が尋常じゃないほどカッコつけていて、それでいてそこまでカッコ良くない、という無理が生じています。

また、彼にカッコつけさせる演出が、とにかくポイント、ポイントでタバコをくわえさせる、という20年前の教科書のような演出を今の時代に持ち込んでいるのが信じられません。

アクション、リアクションがこれほど噛み合っていない映画は初めて見ました。例えば、写真の女の子、ディン・ボーは太っちょ(フェイ・ロン)が不良にカツアゲされたのを見かねて、不良グループのたまり場に殴りこみに行きます。そう、この華奢な女の子が10人ぐらいの不良グループに喧嘩を売りに行くのです。

そこで彼女は不良たちに気合を見せるためにビール瓶を自分の頭で割り、額から血を流します。そしてあろうことか、そこにいた不良の女の子に無理やりキスをして、周りをひかせます。

これに対して、不良たちのリアクションはというと、ディン・ボーの狂った様子にびびってしまい、みんなでお金を返す、というありえない行動に出るのです。

他にも必要もない場面でいきなり喧嘩が始まったり、逆にここは怒らないとダメだろう、という場面ではあっさり許してしまったり、登場人物の物差しがブレブレで困ります。

この映画の監督は主人公の若者3人を「ひねくれてはいるけど、根はいい青年たち」と位置付けているようで、話が進むにつれて、3人が成長していくことに美を見出そうとしている狙いが浅はかでしたね。

僕もそうですが、おそらくこの映画を見てしまった人は、「ブッダマウンテン」というタイトルの響きに惹かれて見てしまった人が多いかと思います。

そういう意味ではネーミングは成功しているといえるでしょう。ただ、「四川大地震」をエサにしているのは許し難いですね。中盤以降無理やり「四川大地震」の映像を押し込めて、なんとかストーリーの中に組み込もうとしているのが分かって嫌になりました。

「四川大地震」じゃなければいけない理由が全くないからです。東日本大震災が起こった後、僕の住むブラジルの赤十字にも数億円の寄付が集まりましたが、そのほとんどが寄付の送り先であった日本の赤十字の元に届けられることなく、何者かに横領されてしまった、という許し難い事件がありました。この映画を見ていると、なぜかふとそういう震災詐欺のことを思い出します。

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