機内というシチュエーションもウイルスという材料も上手く使いこなせていない韓国産パニック映画。雑すぎてハラハラドキドキしませんでした。30点
映画「非常宣言」のあらすじ
ある日、怪しい男が空港でキャビンアテンダントに乗客の数を聞いて回っていた。男は親子に突然話しかけたり、トイレの中でこそこそしたりと挙動不審だった。
まもなくして男はスカイ・コレア501便ハワイ・ホノルル行きに搭乗した。そこにはかつて優秀なパイロットだったパクが娘と乗っていた。ベテラン刑事ク・イノの妻も同じく乗客だった。
フライトが離陸すると、怪しい男はトイレに入った。すると、彼の後にトイレを使った乗客たちが体調の悪化を訴えはじめる。乗客たちの体には謎の湿疹が現れ、その直後に痙攣を起こし、泡を吹いてバタバタと倒れていくのだった。どうやら男が謎のウイルスを機内に撒いたようだった。そう、乗客全員が無差別テロの標的となったのだ。
映画「非常宣言」のキャスト
- ソン・ガンホク
- イ・ビョンホン
- チョン・ドヨン
- キム・ナムギル
- イム・シワン
- キム・ソジン
- パク・ヘジュン
映画「非常宣言」の感想と評価
「ザ・キング」のハン・ジェリム監督による、機内を舞台にしたパニックスリラー。お金がかかっていてスケールが大きく、演技も悪くないですが、2時間20分以上の長さをノンストップで楽しませるまでには至っていない作品。
系統としては「新感染ファイナル・エクスプレス」のような密室パニックものを作ろうとしたんでしょう。しかしいかんせん詰めが甘く、途中でつまらなくなってきます。
刑事のソン・ガンホクもサイコパスのイム・シワンもいい仕事してるんだけど、なんか彼らのいい仕事ぶりを無駄遣いしてるんですよね。
前半30分は前振りに使われていて、これから飛行機の中でテロが起こるぞ、というのをテンポ良く、伝えています。
次の30分はテロリストの戦い+飛行機事故の回避に費やされていますが、この部分がクライマックスといっていいでしょう。
というのもテロリストがかなり早い段階であっけなく死んでしまうためヒーローVS悪者という構図が早々に崩壊してしまい、その後視点が定まらなくなっていくのです。
テロリストがいなくなった途端、対ウイルスという目に見えない敵との闘いになっていきますが、その肝心なウイルスの設定もかなり雑なため、ただただ主要人物が生き残って、そうでない人は死んでいく、というミエミエの展開になるのです。つまり2時間半もあるのに前半部分で見所のほとんどを消化してしまっているんですよね。
謎のウイルスは中東から秘密裏に韓国に輸入されたウイルスらしく、ものすごい強い感染力を持つだけでなく、感染したら発症、死に至るまでに数分か数十分程度しかかからず、それはそれはスピーディーなんですよ。
そんでもって好都合にもすでに抗ウイルス薬はできているそうで、「薬が効くから大丈夫、乗客全員韓国に上陸しても問題ないから早く帰っておいで」となるのです。
その間にアメリカに入国拒否されたり、日本の自衛隊に追撃されそうになったり、と大分現実から離れていきます。北朝鮮からミサイル撃たれまくっても、中国の戦闘機が空域に侵入しても全く出動しない日本の自衛隊が旅客機を容赦なく撃ちまくるっていうね。
そういった紆余曲折を経てウイルスとの闘いだったのが、いつに間にか飛行機が墜落するかしないかの話になっていきます。途中でパイロットが死んじゃったり、それでも運良く乗客の中にパイロットがいたり、ご都合主義にもほどがあります。
終盤はもうさっぱりなんの映画なのか分かないぐらいこねくり回した感があって警察、大臣、ドクター、パイロット、キャビンアテンダントたちが入り乱れての正義感祭りみたいな安っぽい人間ドラマへと化していきます。
正直、コロナのパンデミックを世界中が経験した今、この程度の話で感動したり、怖くなったりしないんじゃないのかなぁ。一般人のウイルスに対する知識、経験のレベルがかなり上がってるし、こんなに雑だと突っ込まれて終わりだと思うんだけどね。これでよく韓国でヒットしたなあ。
コメント
今晩は。本作、ソン・ガンホとイ・ビョンホンが共演しているんですね。お金はかかっているんですかね?
ソン・ガンホ、マ・ドンソクと並んでよく見る俳優さんだと思います。それだけ人気なんだとは思いますが、くれぐれも「困ったときの神頼み」的な出演にはならないでほしいです。
これ、お金だけはかかってます。
航空業界関係者です。
タイトル「非常宣言」に強烈な違和感があります。
制作国でのタイトルそのままなのでしょうが日本国内航空業界一般ではこの用語は存在しません。
きっと万国共通の「emergency call」のことではないかと思われますが日本では「緊急事態宣言」と訳され航空法及び関係法規で使用されており、業界を含め一般的に浸透しています。
日本国内で上映するなら相応の対応が必要ですね。
少なくとも業界関係者としては翻訳の稚拙さが容易に予測できるので見る気はしません。
もしかしたら非常と非情をかけてるのかもしれませんね。
自衛隊の隊員が見たら怒る映画だろう
民間機を自衛隊が威嚇すること自体 日本を馬鹿にした映画だ
韓国人と日本人の意識の違いをみせつけられた
ありえないですよね
こんばんは!今映画館で観てきました。
途中まですごく面白かったです。ソン・ガンホさんも好きだし、犯人役も本当に憎ったらしいし、映像にも目を見張り興味深く観てました。
が、私も自衛隊が攻撃するのにはかなり驚きました。まるでトップガンみたいな(そもそも自衛隊にあんなイメージを持ってないし)自衛隊機が困り果ててる民間機を撃つなんて、暗闇でちょっと笑ってしまってサーっと冷めてしまいました。
その辺からは昭和のTVドラマの様な荒唐無稽に見えてしまい…。
なるほど確かに映画男さんのおっしゃる通り、あの憎ったらしい犯人との攻防をもっと長く見せてもらいたかったです。
機内が逆さになるシーンの映像がリアルで迫力あり怖かった。私の物凄く好きな映画、ゼメキス監督、デンゼル・ワシントン主演の「フライト」を思い出しました。こちらのブログ内を検索しましたが無いみたいで、「フライト」にも文句を言って欲しいな〜と思いました。
現実感なかったですねえ。「フライト」機会があれば感想書きます。
ソンガンホが出るっていうのと、新感染みたいな映画だったらと期待して観に行きましたが、途中からトンデモ映画になってしまい時間と金返せ!とおもわずつぶやいてしまいました。
・ソンガンホ演じる警察が短時間の間で何であそこまでの捜査ができる?
・犯人は自分の肉体を切ってウイルスを持ち込んだっぽいけど、あんな事しなくても持ち込めるじゃねえ?
・アメリカも日本もあんな対応絶対しない
・犯人の動機がイマイチピンとこない
・会社辞めた人間にあんな危険なウイルス渡すはずがない
・あの飛行機どんだけ燃料つんでるの?結局往復できてるじゃん→ありえない
・展開の時間軸がバラバラ
・乗客はみんな元気になってるのにソンガンホだけ死にそうになってる違和感
・いろんな出来事(家族愛、イビョンホンの過去、ウイルスの恐怖、テロ行為多数)をただ繋げているだけ→だからリアリティないし、ストーリーとしての流れが全くない→使われている役者がかわいそう
ともかく久しぶりにあり得ない駄作を観てしまいました。
新感染みたいだったらよかったんですけどね
とにかくつまらない。最初の30分過ぎたくらいからつまらない。
最初から最後までストーリーが荒すぎて突っ込みどころが多すぎるし、辻褄が合わせられていないので、ずっとなんで?って思いながら見てた。全く感情移入できないので、終盤は感動させようと仕掛けてくるが、逆にすごく冷める。パニックならパニック、感動なら感動に振り切らないとこうゆう中途半端な映画が生まれるんでしょうね。