バスケのプレーシーン以外はコテコテベタベタすぎて特別なものはなにもない映画。本当にNBAファンだけが見て熱くなればいい作品です。48点
HUSTLE/ハッスルのあらすじ
NBAのフィラデルフィア・セブンティシクサーズのスカウトを務めるスタンリー・シュガーマンは世界中を飛び回り、新しいスターとなるべく人材を探していた。スタンリーはチームのオーナーのレックスから気に入られていたが、レックスの息子ヴィンセントからは目の敵にされていた。
ある日、スタンリーはスペインに選手をスカウトに行ったとき、たまたまストリートで粗削りながら才能溢れる選手ボー・クルスを見かける。スタンリーはボーのプレーに惚れ、彼の家にまでついていってアメリカに招待する。
一方、レックスが亡くなった後、オーナーの座に就いたヴィンセントはボーと契約することに猛反対した。ヴィンセントはスタンリーのやることには基本全て反対というスタンスだった。
スタンリーはしかし反対を押し切ってボーを米国に連れてくることに。ボーには逮捕歴があったことからアメリカの入国管理局で多少問題になったが、それでも無事入国することができた。
スタンリーはさっそくボーをトライアウトに参加させるもメンタルもフィジカルもまだまだ未熟だった。こうしてスタンリーはボーを一から鍛えなおすことにする。
HUSTLE/ハッスルのキャスト
- ロバート・デュヴァル
- フアンチョ・エルナンゴメス
- アダム・サンドラー
- クィーン・ラティファ
- ベン・フォスター
HUSTLE/ハッスルの感想と評価
ジェレミア・ザガー監督によるNBAを目指す海外の若武者を描いたベタなハリウッドスポ根ドラマ。ロッキーのノリをバスケの世界に持ち込んだような作品です。
スカウトマンとスペイン人選手がストリートで運命的な出会いを果たし、そのまま渡米してNBA選手になるまでを分かりやすいアップダウンと共に描いていて、バスケファンには多少興奮するスポーツ映画になっているんじゃないでしょうか。
一方で起承転結のつけ方や結局最後はとんとん拍子に行ってしまうエンディングなどには物足りなさがあります。特に挫折から立ち上がる様子がもうロッキーのまんまで、選手がふてくされてコーチに怒られて、こんちきしょーって自分を奮い立たせてあっという間に成功してしまう感じがいかにもハリウッド映画という感じがします。
コメディー俳優の脱却を狙っているアダム・サンドラーにもいまだに違和感が付きまといます。本作ではどこかベン・アフレック風のちょい格好いい、選手思いの優しいおっさんみたいなキャラになっていて、あんまり合ってなかったです。
また、敵らしい敵がいなかったのもこの映画の物足りなさを助長しているかもしれません。オーナーの息子、口の悪い相手選手などときどきヴィラン的な役割を果たす存在はいるものの、ライバルになるまでには至らず、それ故に常に自分自身との闘い、という曖昧な対象を追いかけたストーリーになっていました。
ハリウッド映画にはもはや成功の定義が一つしかないからかNBA選手になってめでたしめでたしにしないといけないのも苦しいですね。
別にあのままスペインに帰って家族と幸せに暮らしましたとさ、でもいいと思うんだけどなあ。プロはそんなに甘くないよって。でもプロになれなくても人生は続いていくし、失敗も悪くないよっていう話じゃだめなのかなあ。それじゃあ視聴者が許さないんでしょうか。
特にたまたまストリートでNBA選手並みの逸材を見つける、っていうくだりがちょっとリアリティーに欠けますよね。まだ誰にも気づかれていない年代の才能溢れる子どもっていうのならまだしも成人した選手がNBAでやっていけるだけのスキルがあるんだったら普通に国内やほかの国のチームから声がかかってるでしょ。無名でいられるわけがないんだから。
あと、スペインのストリートバスケであんなに観客集まらないでしょって。ストリートサッカーだってあんなに観客集まらないって。騒ぎ方のノリがスペイン人じゃなくて、完全にアメリカのそれだし、もうちょっと現実味を出してもらいたかったですね。
ほかのスポ根ドラマとの違いは、現役NBA選手を多数出演させていることです。スペイン人選手のボー・クルスもスペイン人NBA選手のフアンチョ・エルナンゴメスが演じています。そのおかげでプレー自体は文句なしに上手いです。そういう意味では素人のやるボクシング映画とは一線を画しますね。まあ、でも褒めるところはそれぐらいかなあ。見れない映画じゃないけど、普通でしたね。
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