スポンサーリンク

ベルイマン島にては見れるけどやや退屈!ネタバレ感想

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

スローで起承転結のない、4,50代オーバー向けの文学風ドラマ。若者はわざわざ見なくていいでしょう。48点

スポンサーリンク

ベルイマン島にてのあらすじ

 

映画監督の夫婦クリスとトニーはスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督がかつて住んだ島を訪れ、そこで何日か宿泊して仕事をすることにする。

トニーはイングマール・ベルイマンに強い憧れを抱いているのに対し、クリスはイングマール・ベルイマンが多くの女性との間に子供を産み、子育てにほとんど関わらなかったことを聞いて軽い嫌悪感を抱く。

島ではトニーの作品のスクリーニングが行われ、トニーは熱烈なファンたちに囲まれた。その間、クリスはつまらなくなってイベントを抜け出し、イングマール・ベルイマンの墓がある教会を訪れる。

そこでクリスは若いスウェーデン人の男と知り合い、ドライブをしたり、海に入ったりして時間を過ごす。

トニーは島で生産的な時間を過ごせていたが、クリスはまるで自分の仕事が進まないことに苛立っていた。そこでクリスは今自分が書いている物語をトニーに聞かせてみることにする。

ベルイマン島にてのキャスト

  • ビッキー・クリープス
  • ティム・ロス
  • ミア・ワシコウスカ
  • アンデルシュ・ダニエルセン・リー
  • スティーグ・ビョークマン
  • メリンダ・キナマン
  • アルビン・グレンホルム
  • ゲイブ・クリンガー

ベルイマン島にての感想と評価

「未来よこんにちは」、「EDEN エデン」のミア・ハンセン=ラブ監督による文学的でちょっとシュールな大人の恋愛ドラマ。カンヌ映画祭出品作品です。

物語の中で別の物語を見せるパラレルストーリーになっていて、やがて別のストーリーがメインストーリーを支配していくの特徴で、特に大きなオチもない淡々とした恋愛物語に仕上がっています。

この映画に興味を持てるかどうかは、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンのファンかどうか、あるいは彼に興味を持てるかどうかにかかってくるでしょう。ちなみに僕はイングマール・ベルイマンを知らなかったのでイングマール・ベルイマンの大ファンだという登場人物たちにあまり共感が持てなかったんですが、まあイングマール・ベルイマンに限らず有名人の縁の地を訪れる人とかいますよね。自分の家族、親族の墓参りはろくにしない人でもブラジルに来たらアイルトン・セナの墓参りしたりする奴らとかたくさんいるからね。

主人公のカップルは映画監督・脚本家の中年夫婦で憧れのイングマール・ベルイマンが住んでいた島でインスピレーションをもらって新しい作品の制作に取り掛かろうと意気込みます。

しかし夫ばかりノリノリなのに対し、妻のほうはやがて島で退屈してしまい、夫に当たったり、情緒不安定になったり、若い男と遊びに行ったりしながらもなんとか新作の脚本に取り組むのでした。そしてその物語を夫に語り聞かせるところから突然、映画の中で映画を語るという手法を取り、二つのストーリーの境界線が曖昧になっていく、という作りになっていました。

作り方とストーリーの構成がどこかフランソワ・オゾン監督の「スイミングプール」と似ていますね。「スイミングプール」はいい映画なのでおすすめです。

これは面白いか面白くないかで言ったら面白くないかなあ。島の景色も殺風景だし、海もそんなに綺麗じゃないし、こんな場所に行きたいなあと思わせるものはありませんでした。でも見れるか見れないかで言ったら見れましたね。そういう意味ではなんか不思議な作品でした。

どういう終わり方をするのかな、という期待感を抱かせるという点においては成功しています。しかし期待以上のエンディングを提供できてるかというとできてないです。

インパクトがあるのはミア・ワシコウスカのベッドシーンぐらいでしょうか。さらっと脱いでるのがいいですね。

妻が語る物語は、官能的な不倫劇でせつなさもあってなかなかいい味を出しているんだけど、もっと官能的にしてもよかったし、メインストーリーも妻が若い男と島でやらかしてもよかったですよね。または島中の男に手を出すとか。もっと滅茶苦茶してもらいたかったです。

妻が語るあの物語は妻の願望の表れなのか、夫への不満が反映されていたのか。それとも昔の体験談を基にしているだけなのか。いずれにしても妻が夫よりも一回り若く、まだまだ遊びたいふうだった割には至って健全に話が終わっていくのは残念でした。フランス人監督だけになにか起こりそうで起こらない、フランス人好みの映画になっているんですよ。

もちろんこれでは売れないし、日本でもそれほど話題にはならないでしょう。でも一部の人には刺さる、そんな映画ですね。

コメント