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ザ・モールは心臓バクバクのスパイもの!ネタバレと感想

この記事は 約6 分で読めます。

世にも恐ろしい北朝鮮のスパイドキュメンタリー。北朝鮮が国際的にどんな闇ビジネスをしているかが分かるショッキングな内容になっています。78点

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映画ザ・モールのあらすじ

デンマーク人のウルリクはある日北朝鮮の闇を暴きたいとマッツ・ブリュガー監督に志願する。マッツ・ブリュガー監督は以前、北朝鮮を批判する映画を撮ったことで完全にマークされていた。そこでウルリクが監督の代わりに潜入するというのだ。

そのためにまずウルリクは地元にあった北朝鮮との交流団体に入会し、団体の中で出世していく。そして欧州で北朝鮮と強いパイプを持つスペイン人のアレハンドロ・カオ・デ・ベノスに近づくことに成功する。アレハンドロ・カオ・ベノスは文化交流団体KFAの代表で何度も北朝鮮を訪問し、北朝鮮政府から多大な信頼を得ている人物だった。

やがてアレハンドロに気に入られたウルリクは自らコペンハーゲンで友好団体を設立し、その代表となる。そしてアレハンドロが北朝鮮に投資する投資家たちを探していることを知ると、偽の投資家ジェームスを紹介し、北朝鮮の国際犯罪組織の奥の奥へと潜り込んでいく。

映画ザ・モールのキャスト

  • ジム・メヘディ
  • マッツ・ブリュガー
  • アレハンドロ・カオ・デ・ベノス
  • アニー・マチョン

映画ザ・モールの感想と評価

「誰がハマーショルドを殺したか」のマッツ・ブリュガー監督による衝撃のスパイ映画。臨場感がすごくて心臓バクバクが止まらない怖すぎる作品です。

物好きのデンマーク人が北朝鮮に潜入していき、あれよあれよという間に武器の闇貿易の交渉を持ちかけられる、という嘘のような本当の話で、今まで見た北朝鮮関連の映画の中でも最もドキドキする内容になっていました。

北朝鮮のスパイ映画といえば「工作・黒金星と呼ばれた男」のようにたいがい韓国人がスパイとなって潜入するものがほとんどですよね。しかし本作は一見北朝鮮と関わっても何のメリットもないと思われるデンマーク人の青年がスパイ活動をする、という点においてかなりユニークな話になっています。

知らなかったのは欧州各国にも北朝鮮と関係を持つ友好団体が存在し、会員たちが定期的に北朝鮮を訪問したり、またそこからコネを作り、闇ビジネスを発展させたりしているんですね。

ウルリクが巻き込まれた、あるいは自分から身を投じたのはまさにそんな暗黒の世界で、北朝鮮と強いコネクションを持つスペイン人に気に入られたことをきっかけにウルリクには次から次へと怪しい話が舞い降りてくるのでした。

ちなみにウルリクは元料理人で諜報活動などの経験は一切なく、既婚者である普通の青年です。いわばスパイ活動においては全くの素人でありながら、北朝鮮に潜入すると自分の意思で決め、10年もの間北朝鮮人との会話や行動を隠しカメラとマイクに録音したのです。

一方、ジェームスはなかなかの経歴の持ち主でフランス軍の外国人部隊の元隊員であるのに対し、コカインの密売で成功したものの逮捕され、8年も服役した経験まであります。

この二人はもともと面識がなく、監督がセッティングした偽の知り合いで、にも関わらずそんじょそこらのバディ映画とは比べ物にならないぐらいのチームプレイを見せます。

ウルリクは見かけも性格も地味なのに対し、ジェームスのセレブ感とうさん臭さは半端なく、二人揃ってなかなかの演技を見せるのです。

二人は北朝鮮と欧州を結ぶパイプ役として活動しているアレハンドロと面談し、武器や麻薬の密造ビジネスのアイデアを膨らませていきます。そして実際に北朝鮮に行き、そこで武器の製造会社を経営する要人たちと会い、契約を結ぶのでした。

あれだけ国際社会のルールを無視する北朝鮮が、ビジネスにおいてはちゃんと契約書を作るっていうのが皮肉ですね。そもそも契約とか守る気があるのかなぁ。

そのときの書類まで残っていてスカッド・ミサイルが1400万ドルだ、タンクがいくらだといった詳細が書いてありました。商談をした二人は平壌から離れたスラム街のようなところに行き、暗い地下室へと連れて行かれたそうです。そして地下室のドアを開けると、中は豪華なレストランになっていてそこで商談や宴会が行われたんだそうです。

暗い地下室に連れて行かれるところを想像するだけでもちびりそうになります。そして無表情で尋問のように質問攻めにしてくる北朝鮮人を、嘘を嘘で重ねたストーリーで交わしていったジェームスの対応力には脱帽します。さすが修羅場をくぐってるだけありますね。

二人のスパイ活動はそれだけにとどまらず、あろうことかそこからウガンダに行き、ウガンダで島を買い、そこに施設を立てて、裏で武器と麻薬の製造をする、というプロジェクトを動かしていきます。

もちろん実際には島を買わないし、施設も立てないんですが、ギリギリまで実現する方向で話を進めていく彼らのやり取りは冷や汗ものでした。

北朝鮮は国際社会から孤立しているためウガンダやナミビアといったアフリカの貧困諸国とつながりを強めていて、ウガンダが武器の密造の拠点に選ばれたのもその理由からです。政府の役人などを簡単に買収できてしまうので北朝鮮はアフリカ諸国を利用しているのです。

話があまりにも具体的で、すでに北朝鮮側はノウハウを持っている様子だったので、おそらく今までも何度も同じようなビジネスをしてきているのでしょう。こうして世界中に武器や麻薬が出回り、それがテロリストやマフィアの手に渡って行ったりしていると思うと、怖い世の中ですねぇ。

途中から闇ビジネスの交渉はジョルダンまで広がり一層複雑化していきます。ジョルダンのビジネスマンも怪しさでプンプンしていて、絶対関わりたくないタイプですね。

そしてタイミングを見計らってジェームスは姿を消し、ウルリクがスペイン人のアレハンドロに正体をカミングアウトし、奥さんにも事情を説明するところで映画は幕を閉じます。

奥さんからしたらたまったもんじゃない話で、バカ野郎って言われてたのも反論の余地がないですね。奥さんからしたら本当バカ野郎だと思いますよ。

正直、最後までウルリクが何のためにこんなことを10年もやっていたのかというのが分からないままでした。冒頭で少年時代に東諸国の友人たちが共産主義国の独裁政治に巻き込まれたのを見て、それが記憶に焼き付いていたといった説明があるんですが、それだけではとてもこれだけのリスクを背負うことを説明しきれないんですよね。

できればもうちょっとウルリクの思想的なことを描くべきだったかなと思います。おそらくそこに触れなかったのは彼個人の情報を出してしまうと危険だから、ということもあるんでしょうね。

北朝鮮の闇を世界に発信したのはいいけど、これからウルリクとジェームスには一生身の危険がつきまとうでしょう。そうと思うと可哀想で仕方ないです。まあ、それも自分たちで決めたことなんですけどね。

元MI5のエージェントであるアニー・マチョンも言っていましたが、一度スパイになると活動中アドレナリンが出まくってるから、普通の生活には戻れなくなるらしいです。戦争にも中毒性があると言われていて、それと似てますね。一度スリルを味わうとやめられなくなるんだって。

だからウルリクとジェームスも報酬や名誉といった見返りだけじゃなく、そういうスリルの虜になっていたのかもしれません。どっちにしてもリスクとリターンが見合ってない気がするんだけど、どうなんでしょうか。

 

 

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